逝きし世の面影

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2016年「神ってる」日本、PC的「後の真実」post-truthの米英

2016年12月03日 | 社会
ガベージニュース(Garbagenews)2014/11/12
漢字文化圏からなのか、それとも日本との距離の近さなのか、原因は不明だが日本を筆頭に新聞などの活字に対する信用度が極端に高い国が極東に集中しているのは何とも不思議である。
逆の活字の信用度が極端に低い筆頭がオーストラリアやアメリカなどのアングロサクソン諸国やアメリカの影響力が強い国が上位を占めていた。(この図には何故か主要国のイギリスが抜けているのも不思議。もしかしたらイギリス人が調査したからか?)


『今年の単語に「ポスト・トゥルース」 英辞典が選定』2016年11月17日朝日新聞デジタル

世界最大の英語辞典であるオックスフォード英語辞典は16日、2016年を象徴する「今年の単語(ワード・オブ・ザ・イヤー)」に、形容詞「post-truth」を選んだと発表した。意味は「世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えるものより影響力を持たない状況」としている。
同辞典によると、英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選を報じたり論評したりしたメディアやブログの中で多用された。使われた頻度は、昨年の20倍以上で、「ポスト・トゥルースの政治」という組み合わせでよく使われたという。
同じ意味合いで最初に使われたのは1992年だったという。ここでの「post」は、「重要で無い」という意味で、類語に「post-national」「post-racial」などがある。
同辞典のキャスパー・グラスウォル代表は、「情報源としてのソーシャルメディアの台頭と、エスタブリッシュメント(既得権層)が示す事実への不信の増大が概念の土台になっている」と分析した。
他の最終候補には「alt-right(極端に保守的または反動的な視点を持ち、既存政治を拒絶するイデオロギー上の分類)」や「Brexiteer(英国のEU離脱を支持する人)」もあった。昨年の大賞は、「emoji(絵文字)」だった。
11月17日朝日新聞

『今年一番多用された言葉とは、・・・』

日本は『現代用語の基礎知識』から、毎年『流行語大賞』が選ばれ今年は『神ってる』だった。
アメリカというか世界中のマスコミで大々的かつ唐突に使われ出したのがアメリカ大統領選挙報道でのPC(political correctness、ポリティカル・コレクトネス)とエスタブリッシュメント(Establishment)だろう。トランプが当選してからはAlt-right(オルト・ライト、オルタナ右翼)がにわかに使われ出している。
ところが、世界的権威があるイギリスのオックスフォード辞典から、毎年選ばれる『今年の単語』には日本人的には耳慣れない『後の真実』post-truth(ポスト・トルース)が決定する。
このイギリス版流行語大賞ですが去年の2015年には日本では以前から大流行しているemoji(絵文字)選ばれた。2013年は、selfie『自撮り』(セルフィー)だった。

『流行語選定の裏に隠されているマスメディア側の密かな悪意(負け惜しみ?言い訳?)』

post-truthのポストはポストモダンなどの言葉で日本でもお馴染みで、『後』の意味だが、それ以外にも英単語の『ポスト』には、『大切ではない』とか『メインではなくサブ』という意味もあるらしい。
truth(トゥルースあるいはトルース)の方は『真実』とか『事実』という意味なので、直訳すれば『後の真実』である。ところが、それ以外にもポスト・トゥルースには『事実は大切ではない』(個人の感情こそが大切だ)との裏の意味が隠されているというから何とも複雑怪奇である。つまり、『客観的事実よりも、個人の感情(主観的な判断)の方が大切』という隠された(悪意ある)裏の意味があるらしい。

『イギリスのEU離脱決断の国民投票の結果とマスコミの反対予想(世論誘導)の致命的な乖離』

イギリスで今年の英単語に選ばれた『後の真実』post-truth(ポスト・トルース)は、イギリスという国の将来を決めることになる今年の6月の国民投票の結果がマスコミの事前予想と正反対になったことに由来していた。
全てのマスコミとか有力政党の全員が、EU離脱でのいろいろな悪い影響(ありえそうな悪い近未来)を散々宣伝していたのである。それなら、この『事実』を考えると、国民投票に参加する多くの善良で良識的な一般市民たちが、マスコミや主要有力政党の言う『離脱後の悲惨な英国』との『事実』を考慮して、そういう常識的で健全(PC的)な決断をするものと思われた。
ところが、実際には、EU離脱派が多数派だった。
つまり、この投票では、『主要政党やマスコミの示す事実』よりも『個人個人の判断や不の感情』の方が勝ったといわれている。
まさに、『後の真実』(ポスト・トゥルース)な投票だったわけだが、最近では11月8日のアメリカの大統領選挙でも、マスコミが一致して勝つだろうと予想されていたPCのヒラリー・クリントンが負けて予想に反して、PCとは真逆の暴言王ドナルド・トランプが大勝。ポスト・トゥルース的な選挙が連続する。
ということで、今年のイギリスの単語は『後の真実』(post-truth)に決まった。(朝日はポスト・トゥルースだが、以前の産経で右翼論客はポスト・トルースと表記している)
日本の一年を振り返る『流行語大賞』に選ばれたのは、少しも流行っていない『神ってる』が何故か選ばれる。(この言葉は誰が使ってるのでしょうか。不思議である)なぜこんな不思議なことが起きるかと訝しんでいたら、なんと日本国は世界に冠たるマスコミの信用度がダントツに高い国だったことが判明する。
我が日本国ですが、世界でもっとも『後の真実』(post-truth)とは縁遠いポリティカル・コレクトネス(political correctness、)PC国家だったのである。

無政府資本主義の旗

『神ってる産経新聞』post-truth(後の真実)を日本で最初に使う?

三十数年前に日本国首相だった中曽根康弘元海軍主計将校の『対馬津軽宗谷の三海峡封鎖』とか『日本列島は不沈空母』のお馬鹿発言に悪乗りして『ソ連が北海道に攻めてくる』との超お粗末な意味不明のプロパガンダを繰り返して大失敗して笑いものになった産経新聞ですが、二十数年前に日本の政治を極限まで劣化させた小沢一郎や細川護熙の小選挙区制と政党助成金を推進し、十数年前には日本経済の基礎を根本からボロボロにした小泉純一郎や竹中平蔵の悪魔の碾き臼新自由主義を天まで持ち上げて大成功している。
現在は『脱原発はサルになる』との猿並みの脳みその石原慎太郎とか安倍晋三など極右国粋主義や頭が空っぽで目が節穴のネットウヨの機関紙と化している最も右翼的なメディアである産経新聞ですが、日本人的には聞きなれない英単語のpost-truth(ポスト・トルース)『後の真実』を日本のマスコミでは最初に使っているのです。まさに『神ってる産経新聞』である。

『日本国憲法の次は刑法も丸ごと無視する!神ってる暴走安倍自民党と逃げ腰の産経新聞』

我が日本国では日本書紀(持統天皇)の時代から賭博は禁止しているし、もちろん今の刑法でも常習賭博は厳罰である。
[賭博場開張図利罪・博徒結合図利罪]
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処せられる(刑法186条2項)。
[組織犯罪処罰法上の特則]
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織犯罪処罰法)の適用を受ける場合には、法定刑は3月以上7年以下の懲役となる(組織犯罪処罰法3条)。
その懲役7年以下の厳罰であるカジノを開設しようと自民党や維新が議員立法して、たった6時何の超スピード審議で強行採決しているのですから驚くやら呆れるやら。
今までカジノ法案に賛成で、『多くのメリットが期待される』としていた産経新聞でも、今回の異様な暴走にはさすがに怖気付いたのか。朝日や読売などと同様の疑問点を並べて『カジノ解禁法案 懸念解消を先送りするな』と批判し、『多くの疑問を残したまま、駆け込みで事を進めている』と完全に逃げ腰である。

『人の不幸を踏み台にする無政府資本主義の行方とは、』

常習賭博の合法化(カジノ法案)に賛成の維新の方は、親がヤクザで本人も家業を継いでチンピラヤクザになった橋下徹元党首は違法な管理売春業者の顧問弁護士だったのですから誰も驚かない。当然の成り成り行きだが、れっきとした与党の自民党の方は驚きた。
我が日本国では、国民に法律を守ってもらう立場の人間(政府や与党)が率先して法律破りを行っているのですから世も末である。(もちろん外国でも違法行為は当然あるが、日本とは違いこっそりと誰にも分からない様に気を付けて行う)
自民党とか維新の言っている『カジノを経済成長の起爆剤に』とは、『ヒロポンで体力の亢進』『覚醒剤を打って頑張ろう』と同じ発想であり、さすがに今回のカジノ法案にはマスコミ各社も能天気に賛成するものは一人も無く、全員が批判的なのですが、その中でも日頃は政府自民党べったりな右翼的記事が多い読売新聞の社説が今回は一番秀逸です。
何と見出しがズバリ、『人の不幸を踏み台にするのか』だった。
‏読売社説では、『そもそもカジノは、賭博客の負け分が収益の柱となる。ギャンブルに嵌った・・・、他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全である』と何とも分かりやすく解説しているのです。超短期間、ごく一部では何らかの利益が出ても長期間、社会全体から見れば大損害が出るのは誰が考えても明らかである。
(韓国でも与党べったりだった最大発行部数の朝鮮日報が、圧倒的な国民の声を前にして態度を豹変してパク大統領の即時退陣を要求している)



今年6月にEU離脱の国民投票が成立したイギリスですが、経済状態は破綻寸前のイタリアと同じ水準であることが『EUから支給されている補助金』の水準を見れば明らかである。
欧州ソブリン危機のPIIGS諸国ですが、PIGSは英語で豚を意味することから侮蔑的な意味を込めて使われる。当初はユーロ圏の南ヨーロッパ4ヶ国ポルトガル (Portugal)イタリア (Italy)ギリシャ (Greece)スペイン (Spain) にアイルランド (Ireland) を加えてPIIGSと呼ばれていたが実はイギリスの方が何倍も危なかった。しかし格付け会社が米英系なのでサラ金とネズミ講が合体した金融詐欺のサブプライムローンと同じで、破綻するまでは最高ランクのAAAを維持し続ける巧妙なカラクリが存在していた。


Business Insiderのグラフは先進国の総債務、家計(青)、政府(黄色)、金融機関(緑)、金融以外の民間(水色)
政府債務(黄色)だけなら日本が200%で一番比率が高いが、イギリスの金融機関は対GDP比で600%の突出した債務(緑色)を抱え総債務では対GDP比では900%超の世界一の超借金大王国。











『EU統合の「後の真実」post-truth(ポスト・トゥルース)の隠された真実』

欧州諸国は基本的に地続きなので、双方が領有権を主張する国境地帯の奪い合いで普仏戦争や第一次世界大戦、第二次世界大戦と飽きることなく戦争を続けていたドイツとフランスは戦略物資である石炭と鉄鋼を共同管理することにして平和を実現しようとした。1956年にはフランス、西ドイツ、イタリア、ベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)の6ヵ国がEU(欧州連合)の前身であるEEC(ヨーロッパ経済共同体)として域内の経済の統合を図る。冷戦崩壊後の1993年には経済障壁の撤廃だけではなくて国家統合まで視野に入れた現在のEUが正式に発足する、というのがエスタブリッシュメント(Establishment)が書いたポリティカル・コレクトネス(political correctness、)な歴史である。
ところが、PCではない『後の真実』post-truth(ポスト・トゥルース)の視点で見れば全く違ったヨーロッパの『隠された真実』の歴史が見えてくる。

『歴史の始まりから現在まで延々と続いている同一宗教(ムハンマド一神教)間の宗派争い(血で血を洗う宗教戦争)』

PC的な歴史は美しい神話ではあるが真実ではない。上に掲げた地図には意識的な欠落が存在していた。イスラム教国の地域大国トルコと元超大国のロシア(元共産圏で東方正教会)の存在である。(巨大な隣人であるトルコとロシアの二国抜きに欧州統合を語るのは基本的にインチキ臭いのである)
たぶん全ての紛争の原因としては宗教の違いが密接に関連しています。160年前のクリミヤ戦争が今でも影響しているのでしょうか。(東方正教会の盟主であるロシアがバルカン半島を支配するイスラムの盟主オスマントルコと戦ったが、英仏伊など西欧キリスト教諸国がトルコに加勢してロシアを破る)

『狂犬と呼ばれた修道戦士』 warrior monk 「戦う僧侶」(ウォーリア・モンク)

トランプ次期大統領は『狂犬』(Mad Dog マッド・ドッグ)の異名で知られるジェームズ・マティス(James Mattis)退役海兵隊大将を国防長官に指名したが、結婚もしないし子供もいないので『戦う僧侶』とか『修道戦士』(warrior monk ウォーリア・モンク)というもう一つのあだ名も持っている。
バルト海沿岸のロシアの飛び地のカリーニングラードですが、此処はかつてケーニヒスベルク (Königsberg ドイツ語で「王の山」の意)と呼ばれプロイセンの首都で、元々はドイツ修道騎士団の最大で最強の本拠地であった。隣接するポーランドともリトアニアとも無関係なので第二次界大戦後にはロシア連邦の領土に組み入れられている。
ちなみに兵士は英語ではsoldier(ソルジャー)ドイツ語でSoldat(ゾルダート)フランス語でsoldat(ソルダ)イタリア語でsoldato(ソルダート)と語源が全部ラテン語由来なので日本の方言程度の小さな違いだった。(全く隣国の言語を知らなくとも発音から大体の意味を推測出来る)

『17世紀のウェストファリア条約で西欧キリスト教間の宗教戦争だけは終止符を打ったが、』

1618年から 1648年まで三十年間にわたって繰り広げられた欧州諸国の宗教戦争はドイツを中心として引き起こされたので人口が数分の1にまで激減する。とうとう1648年ウェストファリア条約締結でカトリックとプロテスタントという西欧キリスト教同士の殺し合いに終止符を打つが、それ以後も東方キリスト教とかイスラム教などに対する戦争は現在まで延々と続くことになったのでしょう。(ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も実は同一宗教であり、そもそも『宗教の違い』による戦争ではなくて『宗派の違い』による戦争だった)
イギリスのキャンベル首相が『トルコのEU加盟は西暦3000年』だと言ったとか、最後のEU加盟国がカトリックのクロアチアだとか、旧ソ連圏のバルト三国の場合すべてがカトリックとプロテスタントという西欧キリスト教である事実を見れば、統一欧州との美しいスローガンとは別の醜い宗教的な偏見(宗派間戦争)が垣間見れるのですから怖ろしい。
バルト三国はロシアからの軍事侵攻を恐れてNATOに加盟したが、そもそも自国内の3~4割を占めるロシア語話者(東方正教会信者)の市民権の剥奪が原因なのですから、西欧の掲げる民主主義とか人道はダブルスタンダードの全くのまやかしである。


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