逝きし世の面影

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米中首脳会談(砲艦外交)シリア攻撃に習近平「理解示した」?

2017年04月12日 | 東アジア共同体
『トランプ大統領の孫娘、習近平主席のために熱唱』April. 11, 2017 東亜日報
米国のトランプ大統領の孫娘のアラベラ・クシュナーちゃん(長女イバンカの娘)が7日、米中首脳会談で顔を合わせた祖父であるトランプ大統領と中国の習近平国家主席の前で、中国民謡の茉莉花を歌う。
中国人が愛唱する民謡『茉莉花』はジャスミンを意味し、アラブの春(ジャスミン革命)は中国では茉莉花革命と呼ばれ、『中国版茉莉花革命を成し遂げよう』というSNSへの投稿に当局が緊張したことがある。

この『「6歳の外交使節」の活躍が世界の注目を集めた。』との一見すると心温まる微笑ましいニュースですが、なぜか日本のメディアでは敬遠されて報道されなかった。日本で例外的に伝えたのは外務省国際情報局長(日本版CIA)だった孫崎 享‏ だけだった。(孫埼のツイッターには動画が添付されていたが直ぐに削除されて視聴出来ない)
中国語でアラベラちゃんが歌った中国民謡『茉莉花』に対して、韓国の東亜日報は(国内にウイグル族のイスラム教過激派問題を抱える)『習主席がこの歌を聞いて気が休まったのかは疑問だ』と結論付けた。
                 
中国の習近平国家主席=AP

毎日新聞の世界的誤報  米中首脳会談 . 「習近平氏、シリア攻撃に『理解示した』」ティラーソン米国務長官が記者会見で明かす 2017年4月8日毎日新聞

【パームビーチ(米南部フロリダ州)会川晴之、ニューヨーク國枝すみれ】ティラーソン米国務長官は7日、米中首脳会談後に記者会見した。トランプ大統領が6日夜の歓迎夕食会の最中に、習近平国家主席にシリア空爆の詳細な状況を説明し、習氏が攻撃に「理解を示した」ことを明かした。
中国の最高指導者が外交交渉の場で相手国に非公式に伝えた見解が明らかになるのは異例で、外交儀礼に反するとして中国側が反発する可能性もある。
ティラーソン氏は、習氏の発言は「中国の公式見解ではない」と断った上で、習氏が「子供たちが殺された時には、こうした反撃の必要性があると理解を示した」と紹介した。中国は2月末、シリア政府軍の化学兵器使用を非難し、シリアに制裁を科す国連安保理決議案に、中国はシリアを支援するロシアとともに拒否権を行使している。
シリア空爆に対し、中国外務省の華春瑩副報道局長は7日の定例会見で「事態のさらなる悪化を防ぎ、得難い政治解決のプロセスを守っていくことが急務だ」と懸念を示した。これが公式見解とされる。ただ、この日の安保理討議で中国の劉結一国連大使は「国際紛争の解決には対話と協議が重要」と従来の原則論を主張。米国の軍事攻撃に明確な非難も支持もしなかった。
4月8日毎日新聞

『習近平が「理解示した」と言っているのは、中国ではなくてアメリカだけ』

この毎日記事ですが中国の習さんが直接言った話を書いたものではない。歓迎晩餐会での習さんの私的な会話を『聞いた』とティラーソンが語っている内容で、発言者本人(中国の習近平国家主席)には一切確認していない不確かな、いわゆる伝聞情報の類である。
しかも衝撃的な今回の『ティラーソン発言』(伝聞情報)の信憑性ですが、発言内容が、毎日記事では『中国の最高指導者が外交交渉の場で相手国に非公式に伝えた見解が明らかになるのは異例で、外交儀礼に反するとして中国側が反発する可能性もある』と、あらかじめ中国が今回の毎日新聞の記事を全面否定すると『逃げ道』を用意しているのですから爆笑もの。(腰抜けの毎日らしいと言えばそれまでだが、最初から言い訳とか自己弁解が書いてある)
そもそも今回の『ティラーソン米国務長官は7日、米中首脳会談後に記者会見した』原因とは、肝心の米中首脳会談後の共同記者会見が開かれなかったからなのです。(仕返しに、有ること無いことをベラベラ喋ってティラーソンが習さんに嫌がらせをした?)

毎日新聞だけが書いたティラーソン発言の『習氏が「子供たちが殺された時には、こうした反撃の必要」云々の記事』

唐突感があるアメリカ軍のシリア空爆直後の毎日新聞の記事ですが、それにして不思議である。内容的に個々の文章とか記述、客観的事実が矛盾しているというか、明らかに正面衝突していて(一つの記事の中で後の文章がその前の文を否定している)、書いてある内容の全部が真実では無くて何かの悪質な世論誘導とか印象捜査のプロパガンダの類らしいのである。あるいは全く違っている二つの記事を無理やり一つに合体させて作られた摩訶不思議なキメラ獣のような記事だった。
アメリカのシリア空爆を受けて開かれた国連の安保理事会では15カ国中で軍事行動を支持したのは英仏など5カ国にとどまっていて、もちろん中国は反対の姿勢を明確にしているのですから、毎日の「米中首脳会談 . 習近平氏、シリア攻撃に『理解示した』」8日付け記事だけが突出している。(中国ですが、これまで一貫して米国の軍事攻撃には明確に批判しているのですから、誤報だった可能性が濃厚)

『読売新聞系列の日テレニュースでは、・・・』

毎日新聞と同じ問題を扱った読売新聞系列の『米中首脳会談 トランプ大統領は成果を強調』2017年4月8日 日テレNEWS24ですが、
『アメリカ・フロリダ州で行われていた米中首脳会談は7日、すべての日程を終えた。トランプ大統領は「大きな進展があった」と成果を強調した。』と言うが、ツイッターでは頻繁に発信するトランプ大統領ですが記者会見を開くのは非常に珍しい出来事で、それ自体が大ニュースになる。(トランプ本人ではなくて、毎日新聞が書いているようにティラーソンが代理で記者会見していた)
続けて、
『初顔会わせの実現で成果を強調した両首脳だが、立場の違う問題でお互いの主張をぶつけあったとは言えず、腹のさぐりあいで終わった会談と言えそうだ。』と毎日新聞と同じで、一つの記事の中で後の文章が前文を否定している摩訶不思議な、意味不明の騙し絵構造のニュースになっている。
日テレNEWS24ですが、
北朝鮮問題でアメリカは中国に具体的な行動を求めたとみられるが、会談の中身は明らかになっていない
習主席との夕食会の最中にシリア攻撃を行ったことについて、アメリカ政府関係者は周辺に「シリアと同じように、北朝鮮にも強硬な姿勢で臨むというメッセージもある」と話している。
一方、中国にとっては「メンツを潰された」形で、さらに態度を硬化させた可能性もある。
ある外交筋は「会談終了後の成果を両首脳が情報を発信しないのは、むしろ『異例』だ」と指摘している。』
読売(日本テレビ)ですが、今回、驚くほど正直に真実を語っていた。

『終了後の共同会見などは行われなかった・・・』ニュースのタイトルと中身が無関係どころか180度逆だった

『アメリカ側の説明によると、シリア攻撃について「中国側が理解を示した」という。』この4月8日の日テレNEWS24で傑作なのは、『終了後の共同会見などは行われなかったが、アメリカ側の説明によると、シリア攻撃について「中国側が理解を示した」という。』と、中国の習さんが少しも理解しなかった最も肝心な『大事な真実』を、それとなく報じていることでしょう。
正にだまし絵である。
普通に読むと『米中首脳会談 トランプ大統領は成果を強調』とのタイトルに騙されて、うっかりしていると善良な視聴者が中身を正反対に誤解するが、これは報道ではなくて、ほぼ悪質な詐欺か手品のような話である。
日本テレビ(読売)ですが、→『終了後の共同会見などは行われなかったが、』と一番肝心な要点をさりげなく(誰にも分からない様に)正反対の記事の中に小さく隠していたのである。
今まで必ず共同記者会見とか共同声明があった事実を読売(日本テレビ)は報じないので、読者には本当の意味が分からないどころか、逆に必ず誤解する仕組み。(新聞の『見出し』などと同じ仕組みでタイトルでテレビニュースの中身を判断するので、今回のようにタイトルと中身が180度相反する場合には誰でも騙される)


トランプ氏、中国習主席と「傑出した関係」構築 多くの問題乗り越えられる
孫崎 享‏ @magosaki_ukeru · 4月7日
今日の写真、米中関係。写真って実にいろいろのことを教える。このトランプの対応、安倍氏とは雲泥の違い。そして世界中がこの写真を見る


孫崎 享‏ @magosaki_ukeru · 4月8日
今日の動画、米中首脳会談、習近平の前で中国語の歌を歌うトランプの孫。


『毎日新聞の不可解なデマ?(偽ニュース)』

ティラーソンの記者会見での勘違い?あるいは他のメディアが報じない超特ダネ??

『中国は2月末、シリア政府軍の化学兵器使用を非難し、シリアに制裁を科す国連安保理決議案に、中国はシリアを支援するロシアとともに拒否権を行使』したのは歴史的事実である。
ところが、『子供たちが殺された時には、こうした反撃の必要性がある』の言葉はアメリカのトランプ大統領の発言であり、中国の習近平国家主席の言葉でも『中国の公式見解』でもないことは明らか。
ティラーソン国務長官が外交儀礼とか慣例を頭から無視して記者団に語ったという『習氏が「理解を示した」』話ですが、事実なら大ニュースだが毎日新聞以外には報じていないのである。
元外務官僚の孫崎 享‏が指摘するように中国の習近平国家主席に対する態度が、目下の同盟国である日本の安倍晋三に対する時とは大きく違っている。(どちらも日程は2日間でフロリダの私邸で開かれて『格付け』は同じだが、一方はシングルスコアのトランプが最も得意とするゴルフ三昧である。一方は『習近平の前で中国語の歌を歌うトランプの孫』など目いっぱいの中国ヨイショ)
親密さを精一杯演出した米中首脳会談ですが、終了後の記者会見も共同声明も無し(喧嘩に近い物別れ状態?)だったが、この事実を報じた日本側のメディアは一切ない不思議。ロイターなど欧米の通信社さえ何故か無視している。(今までの米中首脳会談で共同声明は必ずあったのですから、本来なら大ニュースだが、この事実を世界のメディアで報じたのは唯一韓国の朝鮮日報だけだった)

『国家元首の訪問時の21発の礼砲の代わりに59発の巡航ミサイルを発射したアメリカ(トランプ)』

中国に対するトランプの露骨な恫喝(砲艦外交)に怒った習さん?

そもそも4月5日のシリアでの毒ガス事件から(ISIS殲滅を優先するとの今までのアメリカの政策と矛盾する)7日の報復のシリア空爆まで2日間は時間的に(政治的判断の180度の変更でも無理だが)軍事的にも無理があり、数ヶ月前からアメリカが周到に準備していた可能性が濃厚なのである。
日本とか韓国のメディアではシリア空爆は北朝鮮に対するアメリカのメッセージでもあると解説する有識者があるが、中国の習近平国家主席としては自分に対するアメリカ(トランプ)のメッセージであると受け取った。怒った習さんがトランプとの首脳会談終了後の恒例の共同記者会見も共同声明もボイコットした可能性が濃厚なのである。(習さんとしては、何カ月も前から準備していた米中首脳会談の日程と、今回のシリア空爆の日程が時間的にピッタリと重なっているのですから、中国首脳を歓迎する祝砲代わりのアメリカの打ち上げ花火が59発の巡航ミサイルだと受け取った)

★注、
今回のアメリカ軍のシリア軍基地空爆では日本のすべてのメディアは『米軍による初めての空爆』だと主張しているが、オバマ政権の最末期(シリアで反政府勢力との初めての停戦協定が発効した直後)にも『誤爆だ』と称してシリア軍陣地を大規模に空爆しているのですから2回目である。(しかも空爆だけではなくて地上のISISとの連携攻撃だったと言われている)
前回(オバマ)のアメリカの空爆では100人近い犠牲者が出ていて今回(トランプ)のシリア軍の損害(軍人は5人)とは比べられないほどの大損害を出している。
ビルを一棟崩壊させられる程度の強大な破壊力を持つ巡航ミサイル59発の損害にしては今回の損害(シリア軍は5人)が軽微なのは、空爆前にシリア軍の空軍基地に対して事前警告が行われ、大部分が避難した後だった可能性が高い。アメリカのトランプ大統領やティラーソン国務長官ですが、(前オバマ政権とは正反対で)口では過激に発言しているが行動では逆に抑制的であり空爆での人的損害を最小限にしようと努力していた。


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『北爆中の米中外交』 (ローレライ)
2017-04-11 11:46:41
『ニクソン政権の残党政権なトランプ』としては『北爆中の米中外交』の再現の積もりなのかも知れない。
もういい加減にして欲しい (潔)
2017-04-12 09:54:46
 化学兵器の軍事的効果については殆ど期待できない(天候に大きな影響を受ける)、とは米軍の研究でも明らかになっており、ISに対して既に優勢なシリア軍が化学兵器を使う動機は乏しい(そもそも保有していない可能性が高い)にも関わらず、よりによって米中首脳会談中に独断専行で攻撃した米国、方や迎撃可能なトマホークをほっておき、攻撃されるがままのロシア、しかし被害状況は米ロ双方に食い違いがあり、死傷者の数も判然としない状況。
 一方、カールビンソンの西大西洋配備に呼応したかのように、親米政権が支持を伸ばす、大統領選挙を控えた韓国。そして北朝鮮のミサイル脅威をことさらに鼓舞し、テロ等準備罪や教育現場での教育勅語のあり方等を審議している国会を伝えない日本のマスコミ。
 なんかもう、出来の悪いプロレスと表現すると、ファンサービスの為日々鍛錬しているプロレスラー達に失礼なくらいの見え見えの出来レースに、いい加減辟易させられます。でも今後も同じパターンで繰り返されるのでしょうね。やれやれです。
成る程、誤認していました。 (潔)
2017-04-12 13:44:36
 空爆されたのはシリア軍基地でしたか。ロシアと誤認していました。そうであれば対抗措置が取れなかった(シリア軍にその能力がない)のかもしれません。しかし、米国防総省はロシア側に攻撃を事前通知していたことを明らかにしていますし、被害の少なさから見ても、ブログ主様のおっしゃる通り、シリア側へも秘密裡に警告していた可能性がありますね。
 ならば空爆は完全なデモンストレーション(及び使用期限の迫った兵器の処分?)であり、対象は中国、という考察は大いに頷ける話です。
 それにしても、大国間の思惑に蹂躙され続けるシリア国民が不憫でなりません。
Unknown (ちょここ)
2017-04-12 18:11:12
ロシアに事前通告ありで、ロシアは迎撃しなかった。
これは、ロシアも連携したトランプとプーチンの芝居であることを物語っています。
事前通告なしでも、ロシアは迎撃する気があれば、ジャミング・システムで米軍のミサイルを撃墜できることは2013年に実証済み。
ディープステートと敵対していたトランプは、議会も敵に回してしまっていたので、議会の承認も得られず、政策も行き詰っていました。マスコミなどのトランプ叩きもおさまりませんし。なので、ネオコンと敵対するのではなく、ネオコンの中に飛び込んでネオコンの暴走を利用する戦略に変えたようです。
裏切り (私は黙らない)
2017-04-13 03:58:20
変質リベラルに愛想をつかし、あえて右の候補者に投票した有権者への裏切り行為。シリアへのミサイル攻撃は、トランプの自己保身のためだ。娘婿の入れ知恵に違いない。
欧州が変らなくちゃいけない。フランスの大統領選が変革の契機にならないといけない。

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