逝きし世の面影

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福島第一原発事故、スリーマイル以上の「レベル6」

2011年03月15日 | 放射能と情報操作

福島原発事故、スリーマイル以上=深刻さは「レベル6」か―仏核安全局
時事通信 3月15日(火)5時41分配信

 【パリ時事】仏核安全局(ASN)のラコスト局長は14日の記者会見で、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の事故の深刻さについて、史上最悪とされる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)ほどではないものの、米スリーマイル島原発事故(79年)を上回るとの見方を示した。AFP通信が伝えた。
 事故の深刻さを示す国際原子力事故評価尺度(INES)のレベルで、チェルノブイリ事故は最も重い「7」、スリーマイル島事故は「5」。
ラコスト局長は会見で『日本の関係者と話した』とした上で、福島原発の事故は『レベル5を上回り恐らくレベル6に当たる感覚だ』と述べた。

『信用度の低い日本政府や東電の公式発表』

管直人首相が福島第一原発の水素爆発を知ったのはテレビ映像であり、当事者である東京電力から政府官房に連絡があったのは爆発1時間後で、遅すぎる(役に立たない)と東電の対応を批判する。
日本周辺の中国やロシアなどの報道機関では連日、日本の福島第一原発の深刻な事故を精細に報道。
ロシア極東地域などのこれ等の国の関係当局は、放射能汚染が自国に影響することを懸念して『日本(政府・東京電力)からの情報は少なくて遅い』として、放射能値の変化を慎重に測定していて、出来る限り積極的に情報公開に努めているのです。
この周辺諸国のような『積極的な情報の開示』こそが、一般市民の不安を解消する最良の方法である。
ところが日本(政府・東京電力・マスコミ)は正反対で、握っている情報を出し惜しみ『安全である』と繰り返すばかり。
『危険度の情報開示』を最小にして、出来る限り情報をコントロールしようと努力しているのが今の日本で、世界の普通の動きとは大きく違う反対の姿勢をとっている。
『よらしむべし知らしむべからず』との非民主的な前近代的態度では、『不安を煽らない』との目的とは正反対に、余計に一般市民の不安や不信感は募るばかりである。

『大本営発表に近い東電や政府』

徐々に最悪の局面に向かいつつあるのか、15日朝6時には1・3号機に続き2号機も大きな水素爆発を起こす。
格納容器内の圧力が低下しているので、とうとう心配されていた大事な格納容器に損傷が出て仕舞った模様です。
今までとは大きく違う、桁違いの異常に高い人体に影響が出る程のあり得ない数値が検知されています。
今までの原発から半径20キロが半径30キロの範囲に拡大された模様ですが、ところが今までの『退避勧告』ではなくて、今回は『家の外に出るな』なのですね。
退避勧告と屋内退避の違いですが、したくても避難住民が多すぎて『退避勧告』が出来ない可能性が考えられる。
この屋内退避は、何時までも続ける訳にはいかないのですよ。
『屋内退避』とは、基本的に数時間で収束する事例だけに限定された手法である。
今回のような『何時までに安全になるのか』が不明な原発事故ではまったく考えられない。
管直人(政府)よる無責任すぎる異常な指示(方針)である。
しかも、何と定期点検中で稼動していなかった福島第一原発の4号機までが火災を起こして水素爆発して仕舞った。
東京電力ですが、これはもうその内容が限りなく旧日本軍の大本営に近づきつつあり、『職員を退避させた』ではなくて、何と爆発後の数値の上昇で『職員を移動させた』と曖昧に言葉を誤魔化して発表しているのです。
そういえば東京電力の発表では、大震災二日めの一号機の最初の爆発も、爆発とは呼ばずに『上方に通常で無い方法で解放された』だったのですよ。
印象が悪い敗走を転進に、全滅を玉砕に言い換えた旧日本軍に近い、救い難い無責任な曖昧発言である。

『退避行動の空母ロナルド・レーガン』

昨日の時点で、ヘリや乗員が汚染されたとしてアメリカ海軍の原子力空母ロナルド・レーガンは仙台沖の福島第一原発から160キロの地点から、風下の安全な地点に退避(移動)しているのです。
在日米軍の発表では、神奈川県の横須賀で通常では考えられない数値を検出している。
現在は昨日以上に数値は急激に悪化しているのですから、福島原発の220キロ地点の首都東京も出来るだけ早く安全な場所まで移動(退避)させる必要があるでしょう。
以前の記事の、
制定憲法と国民国家と天皇制2011年02月27日 | 政治・外交と天皇制
に書いたように、皇居は東京ではなくて1000年の都である雅な京都か、世界平和を願って広島に遷す方が良いと論じていたが、まさか当時少しの可能性も考えていなかった事態ですが、俄かに現実性が出てきました。
少なくとも今のような東京一極集中ではなくて、安全の為には首都機能の分散は是非とも必要でしょう。
しかし自分の行った、できれば絶対に実現して欲しくない最悪の予想が、今次々と『現実』になっていく様は、これはもう恐ろしいとしが言葉がありません。

『メルトダウンと臨界事故の混同』

核燃料が高温で溶ける事がメルトダウンで、東京電力自身が、核燃料が溶ける炉心溶融(メルトダウン)も『否定できない』としている。
日本の今まで『原発は安全』と言い続けていた御用学者たちの定義は基本的に『間違い』です。
メルトダウンの定義は、狭すぎるし厳しすぎて『世界の常識』とは違い過ぎます。
テレビなどに出てくる高名な専門家(電力会社の御用学者)はスリーマイル原発事故と福島第一原発事故の違いを強調して、スリーマイルよりもレベルが低いと発言している。
メルトダウンとは、制御棒云々(臨界)は関係なく、原子炉の炉心が異常に高温となり『燃料棒』が溶解してしまう現象のことです。
臨界とは炉心溶融(メルトダウン)とは関係なく東海臨界事故のように一定量の核物質が集まれば自動的に起きる、『連続的な核分裂反応』のことで、通常の正常な原発の発電状態であるが、この臨界状態とメルトダウンの二つの違う事象を意識的に混同して多くの市民を欺いているのです。
スリーマイルでは臨界状態で冷却水が減り燃料棒が空焚き状態になりメルトダウンが起きた。
スリーマイル島原子力発電所事故では燃料棒が溶け出して炉心の底部にたまり、もう少しで底が抜ける寸前まで行ったが、このときには圧力容器は辛うじて持ちこたえたので流出は最小限に止まったのです。
ですから、その意味では『スリーマイル島原子力発電所事故』でも、御用学者の定義である『原子炉格納容器に被害は及んでおらず、原子炉自体は完全に外部から遮断が保たれている』ので『メルトダウン』とは呼べなくなって仕舞うのです。
日本の御用学者の定義だとチェルノブイリ事故のような最悪例しか、世界中でメルトダウンは無かったとの阿呆臭い現実離れしたことになる。
因みスリーマイルでのメルトダウン事故は2時間20分の短時間で全てが収束している。
失われ冷却水も500トンだけであり燃料棒の上部3分の2が水面から露出しただけで福島第一原発の様な全面露出には至っていない。
勿論、水素爆発で建物が吹き飛ぶなど、今回のようなことにはなっていない。

『遠隔の過疎地への原発設置は、間違いで事故原因』

スリーマイルでは最初から最後まで電源も水も供給されていたし、外部との連絡網も完全に保たれていた。
福島第一では、これ等が全てが失われているか、完全では無いのですよ。
しかも今までに例が無いウラン燃料ではなくて最悪のプルトニウムを混合したMOX燃料を使っている。
しかもスリーマイルもチェルノブイリも原発事故は一基だけだったが、今回の日本は制御不能な状態に陥ったのは4基同時ですよ。
確かに破壊の程度はチェルノブイリより未だマシだが、深刻さのレベルではスリーマイルよりも福島第一の方が遥かに高いでしょう。
電源さえあれば事故は起きなかった。
電力会社の宣伝が正しくて原発が『クリーンで安全』であるなら、今のようなな遠隔地の過疎地域に造らず、送電コストがゼロで済む東京大阪横浜名古屋など大都市の真ん中に建設して温排水は家庭用暖房に無料で配れば全ての人が喜ぶと以前から主張しているのですが、勿論危険性が高すぎて実現性は無い。
福島第一発電所で稼動していた3基と定期点検で休止していた1基が、今重大な危機に直面しているのですが、同じ様な地震と津波の洗礼を受けたのに福島第二や女川原発が対照的に無事なのは完璧な過疎地ではなくて外部からの電源や水の供給を受けている為らしいのですよ。
福島第一原発の事故原因は、(安全の為に)矢張り無理をして人里はなれた(離れすぎた)田舎に原発を押し付けた、安易な危険回避の手法の付けが回って来たのです。
事前に『もしもの時』の修復を考えるなら、今のような原発は遠隔の過疎地でなく安全上出来る限り交通の便利な場所にこそ設置するべきであるのです。

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女川原発のこと (りくにす)
2011-03-17 12:31:16
効率の悪い列車旅行に凝っていたころ、女川原発が見たいばかりに金華山行きの船に乗ったことがありました。女川の町から原発は直接見えないのです。
女川原発は福島第一以上に僻地にあって、孤立しています。入り組んだリアス式の半島の上にあって、大きな道路は曲がりくねった一本だけ。孤立している分非常時の備えが十分だったから無事、だと思いますが。
報道量が少なすぎるのですが、 (宗純)
2011-03-17 14:36:42
りくにすさん、貴重なコメント有難う御座います。

福島第一の南10キロの位置の福島第二原発でも同じように緊急用のディーゼル発電機が起動しなかったのですが、外部からの電源確保に成功して炉心を冷却したので事無きを得たと報道されています。
地震当時に休止していた第一原発4号機の作業員は沢山の落下物を確認しているのですが、津波による水没はなかったと言っている。(記事が短くて単に記述が無いだけかも知れないのですが)
水は被っていないと証言しているのです。
また原発は構造上格納容器の直ぐそばの地下1階の頑丈な構造物で津波の直撃を受ける場所ではなくて、絶対に大丈夫との証言もあります。
また映像の目視ですが、福島第一の構内はそれ程大きな津波の跡が確認できないのです。
ですから地震と津波で壊滅的被害を受けたから、今回の大騒動になった訳ではなくて、実は外部との電源の確保とか連絡の有無が最大の事故原因らしいのですよ。
元発とは女川原発だけではなくて日本最大の14基の原発がある原発銀座の若狭湾など日本国中の原発は一つの例外もなく過疎地の中の過疎地が選ばれているのですね。
今朝の朝刊に、驚くことに今頃になって福島第一に外部から電源を引き込む為に、高圧電線からの送電線の工事を検討していると報道していて、真底がっかりしました。
そんなことは地震の第一日目に、ディーゼル発電機の故障がわかった段階で、何ものにも優先して行うべき事柄ではないでしょうか。
本当に腹がたちますね。
彼等は多重防護といっているのですが、確かに一つの問題には幾つもの安全対策が立てられているのですが、基本的に単一安全対策の多重防護であるのですよ。
Aという問題点が起きた時には何種類もの防護対策が有るし、Bにも矢張り沢山の防護対策がある。
勿論CにもDにも色々と対策があるのですが、
ところが困ったことにABCが複合して同時に起きた時には今度のように、事前にそんなことは一度も考えたことがなく、全くお手上げだったのです。

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