逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

御用学者列伝番外編 大槻義彦名誉教授の勘違い

2012年02月13日 | 放射能と情報操作

『暴走原発は、典型的な人災事故』

原子核反応による発電が科学の偉大な成果であると勘違いして、福島第一原発で大失敗したからといって『今、手放すのは惜しい。』として、『自動車は危険だが必要だ。原発は危険だが必要だ。』と主張する能天気な大槻義彦早稲田大学名誉教授。
暴走自動車は直ぐに止まるが、暴走した原発は11ヶ月経っても止まる気配さえ見せない。
今の福島第一原発の現状は、何も知らない小学生程度の無責任で無能な人物が市街地の一般道を高性能スーパーカーに乗って暴走しているよりも、危険で始末におえない危機的な有様である。
幾らそれ自体に素晴らしい性能や可能性があるとしての、今のように制御する能力が無い者達は、絶対に扱ってはならない。
『暴走を止めれない』し、『そもそも止める技術も無い』なら、危険すぎて扱う資格自体が『現在は無い』との基本原則を忘れている。
これでは残念ながら『科学馬鹿』といわれて仕方ない大槻氏ですが、東電の事故対応に対しては科学的に冷静に観察している。

大槻義彦のページ
『原発事故は東電ぐるみの人災』
東電原発事故から10か月、ようやく事故の重大な側面が分かり始めています。
これまで私は東電の対応のまずさや設計の甘さを指摘しましたが、しかし、何が主要な原因であったかを断定的に判断することを避けてきました。
それは『事故調査委員会』の報告が出てから判断すべき、と思って慎重になっていたのです。
最近、事故調査委員会の中間報告が出たり、アメリカ側の見解などがマスコミに報道されて、私もそろそろその事故原因を判断すべき時が来たように思うのです。
巨大地震と巨大津波で福島原発は大打撃を受けました。またたくま間に、『全電源喪失』が起こりました。
もちろん非常用ディーゼルエンジンも自動的にスタートしました。
しかし、すぐ、津波でダウン。
しかし、これがダメでもバッテリー群がありました。
しかし、何と、これは地下に設置されており、津波は当然地下のバッテリー群を襲いました。
これもすぐダウン。つまり、全電源喪失です。
燃料棒はカラ焚きの状態でやがてメルトダウン。
もしこれでメルトダウンなら『原発は安全』などだれも言えなかったはずです。
自民党政権や電力会社は絶対安全だ、とは言えなかったはずです。
ところが原発には『全電源喪失でも安全に燃料棒を冷やせる』最後の安全装置がありました。
これは『非常用復水器=イソコン=ISO CONDENSER)というものです。
この冷却装置は電源なしで稼働するもので、その意味でも最後の決め手になるものです。
原発訴訟で、国や電力会社が『原発は安全』『全電源喪失でも事故は起こらない』『イソコンが不具合になる確率は100万分の1以下』と主張、反原発訴訟を勝訴にしてきたのです。
しかし、問題はこのイソコンです。
最後の安全装置、イソコンを福島原発の運転員は有効に作動させられなかったのです。
なんというおそまつさ!!
何と、運転員たちはこのイソコンのスイッチ(レバー)の入れ方をだれも知らなかったのです!(NHK特番2011年12月)
イソコンは全電源喪失では作動しなくなっており、レバーは『閉』となってしまう。
したがってこのイソコンを作動させるにはレバーを『開』にしなければならない。
これが彼らには分からなかったのです。
時間が経ち、イソコンが閉になっていることにきずいたのに、イソコンの上部から蒸気が出ていることを知った運転員は開にしたが、イソコンが壊れることを気づかい、ふたたび、三度と閉にしてしまったのです。
このようなぶざま運転の間にメルトダウン、メルトスルー。
そして水素爆発、放射能漏れ。
つまり、この事故の主な原因は人的原因であります。それも東電ぐるみの人的事故。
最後の安全装置の作動の仕方、マニュアルもなく、訓練も行われず、東電が会社ぐるみで犯した人的事故という結論です。
(2012年1月27日)
『東電ぐるみの人災!』
東電原発事故は人災だ、と言ってもこれは個人の運転員一人の人災だ、と言っているのではありません。
『東電ぐるみの人災』と言ったはずです。イソコンの運転の仕方を知らなかったのは、当時現場にいた10人規模の運転員全員でした。
また、運転をバックアップしていた指令室のだれも知らなかったし、知らないことに気づいてもいなかった。
運転員の訓練教育もなされていなかったのでしょう。
イソコンという最後のいのちずなの運転も訓練しなかった。
運転員のだれも正常な運転も出来なかった人災、運転員を教育、訓練もしなかった東電上層部の人災、東電原発の運営の戦略的、戦術的計画の指示、点検を怠った東電管理者の人災、もろもろの人災。
(2012年1月27日)
『国際NGOと東電』
国際NGOは世界の『無責任企業』を発表。原発事故の東京電力が堂々第2位に選ばれた。『情報公開が遅く、うそもあった。隠ぺい、改ざんの体質がる』との理由だった。
・・・東電の、悲劇的大事故の原因は国際NGOの言っている、情報公開の遅れ、などという企業によくある無責任体制などではない。
そうではなくて、東電が原子力発電というとてつもない巨大装置を正しく管理、運営できなかった企業体制の幼稚さにある。
サムスンは意図的に危険物を知らせなかったのだが、東電は意図的に運転員にイソコンの運用法を知らせなかったわけではない。
東電自体もイソコンの正しい運転の仕方を知らなかったのだ。
運転の仕方も知らずアメリカから巨大な装置を導入し、危険きわまる運転をしていた、『企業の無責任ぶり』こそ東電の不面目な第2位になった理由なのだ。
むしろ、第1位にならなかったことが不思議である。この点、国際NGOのアンケートは幾分ちぐはぐで頼りない。
東電が原子力発電というとてつもない巨大装置を正しく管理、運営できなかった企業体制の幼稚さにある。
・・・東電は意図的に運転員にイソコンの運用法を知らせなかったわけではない。
東電自体もイソコンの正しい運転の仕方を知らなかったのだ。
運転の仕方も知らずアメリカから巨大な装置を導入し、危険きわまる運転をしていた、『企業の無責任ぶり』東電の不面目な第2位になった理由なのだ。むしろ、第1位にならなかったことが不思議である。・・・
(2012年1月29日)

『アメリカのGM製マーク1原発の構造的な欠陥』

2011年12月のNHK特番が指摘するように最後の安全装置である非常用復水器(イソコンISO CONDENSER)が自動的に、『全電源喪失では作動しなくなっており、レバーは『閉』となってしまう。』のであれば、東電や原発作業員の責任云々以前に、そのような不思議すぎるマイナス構造のネガティブな安全装置を設置したGM製原発自体(メーカー責任)の問題点の方が大きい。
今回の事故原因は原発メーカーであるゼネラル・エレクトリック社の設計ミスなのか。?
全電源が喪失した後の最後の最後の『命綱』の安全装置なのですから普通に考えれば、今とは反対に自動的に『イソコンが作動(レバーは開)』にしなければならない筈である。
事実、福島第一原発の現場の10人の作業員も司令室も東電本社も全員が例外なく、『自動作動している』と事実とは正反対に勘違いしていたのですよ。
全電源喪失当初に、最後の安全装置の『イソコンが作動している』との、この東電の判断ミスが致命的だったが、何か特別な判断ミスではない。
その反対である。
東電の関係者全員が勘違いしていたのですから、単なる無知な素人なら必ず犯すだろう普通の最も一般的な『判断ミス』なのである。
『みんなが間違う』が事実であるなら、原発メーカ-のアメリカGE社の製造者責任は(直接の当時者である東電よりも)格段に大きいといわざるを得ない。
それ以外の大槻氏の東電関連の管理『責任』の指摘は『なるほど』と納得する内容である。
『大槻義彦のページ』ですが、此処まで原発の問題点を正しく理解していても、原発は最新科学の大事な成果なので『あくまで推進する』との立場なのですから、呆れはてて言葉も無い。
何とも勿体無い話である。
早いところ、この無責任で無能な連中から原発を取り上げないと二番目三番目の福島第一が日本中で起きるでしょう。
ただ、この大槻義彦説では地震での損傷が出てこないが、実は一番最初の地震の直撃で老朽化していた配管が破断して仕舞い、冷却水が大量漏洩していた可能性が高い。
復水器は沸騰して蒸発した冷却水の補助を行うもので、そもそも配管破断により失われる多量の冷却水を補う程の能力は無い。
今回の日本の福島第一原発の軽水炉の冷却水喪失での『空焚き』で発生した過酷事故は、非常用復水器(イソコン)を知らなかった原発作業員の不手際以前の話であり、これではメルトダウンは避けれなかったとの説が一番有力です。

『人災中の人災、福島第一原発』

100年に1度は必ず3・11の様な超巨大津波が予想される日本の原発は全部が例外なく何と一番危険な、津波が押し寄せるその沿岸部に設置している。
アメリカの原発ですが日本とは対象的に地震や津波が少ないにもかかわらず殆どは安全な内陸部である。
海岸にもあるのですが原子炉の冷却水は日本式の海水ではなくて人造湖をわざわざ造ってまで淡水を利用している。
日本では海水を使うために、福島第一の敷地を元の35メートルから10メートルにまで25メートルもわざわざ削って危険性を増していた。
これは海水を汲み上げる手間(経費)を惜しんだ為らしいのですから情けない。
もっと情けないのは全電源喪失時の非常用ディーゼル発電機が空冷ではなくて水冷で、この冷却も海水に依存していて、しかも冷却水汲み上げポンプの設置場所が岸壁の一番低い位置に何の防護設備なしに設置されていたので最初の津波の第一波で真っ先に破壊されている。
3・11から半年後の津波ビデオで公開された一番最初の破壊される燃料タンクとは、非常用発電機の燃料用だったのです。
もちろんこの非常用ディーゼル発電機の本体もタービン建屋地下に設置して最初から水没して使用不能に陥っているのですが、これでは非常用電源が三重四重に念入りに動かない仕組みだったのですから開いた口がふさがらない。
電力会社や政府が言っていた『多重防護』は真っ赤な嘘で、実際に福島第一で起きた事実は正反対である。
多重人災による多重破壊の連鎖反応だった。
福島第一の5~6号基の冷温停止ですが、安全・保安院に言われて直前に設置した予備発電機がたまたま経費の安い空冷式だったからで、他と同じ水冷式なら福島第一の6基全部が暴走していたことになります。
『過ちては改むるに憚ること勿かれ』
今からでも遅くないから1日も早く、信じられないほど無責任で無能で破廉恥な幼児並の連中から危険極まりないオモチャである『原発』を取り上げないと、これからも二番目三番目の福島第一が日本中で起きるでしょう。
山の遭難での死亡事故では一般に信じられているような『人は簡単には死ぬ』ことはなくて、偶然の単独のミスでは発生することは通常は無いのである。
大槻義彦氏は人災の連続といっているが、この判断は正しくて福島第一原発の過酷事故は、信じられないような御粗末な『連続する重大ミス』の必然的な結果なのです。
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11 コメント

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事故 (ましま)
2012-02-13 18:18:09
私も福島に「事故」という言葉を使ってきたがあれは「事故」ではありませんね。「事故」というから自動車事故や飛行機事故を一緒にする不埒な奴がでてくる。

飛行機事故で一地方がそっくり住めなくなったり、何の落ち度もない人が何万年たっても健康被害を心配しなければならないなどということはない。

「事故」ではない新たな言葉を誰かに作ってもらいたいものだ(怒)。
泊廃炉訴訟。 (黒い時計の旅)
2012-02-13 22:09:53
北海道電力が、公判中の泊原発廃炉訴訟・第1回口頭弁論で「原発に絶対的な安全性を求めるのは不可能」と表明した答弁書を提出したそうですね。

事業者としての良心からか、あるいは科学的な蓋然性のみを端的に提示したのか。
それとも「安全ではないが、危険性を考慮した上での廃炉のデメリットよりも稼動のメリットが大きい」という所謂ゼロサムリスク否定の路線で係争する目論見なのか。

報道の内容のみでは判断がつきかねますが、いずれにせよ北電サイドが、原発は危険な装置であり、当事者として安全に稼動させ続けることは出来ないと自ら認めたことだけは確かです。

事業者自らが認めたという事実は、大きいと思います。
事故ではなくて、『福島事変』ですね (宗純)
2012-02-14 11:53:40
ましまさん、コメント有難う御座います。仰られている様に福島県の今も続く大惨事が『事故』では可笑し過ぎます。

今回の大槻義彦氏も指摘しているように3・11大震災後に延々と続く、終わらない人災の連鎖なのです。
強制的に避難を余儀なくされた被災民だけでも数十万人であり、それ以外の福島周辺地域の直接の影響を受けている被害者は数百万人にも上る。
間接的な被害なら数千万人の凄まじさ。しかも終息する見込みが何も無い有様。
警察や消防だけでなく自衛隊まで出動しているのですから、これは事故ではない。
『事故』や『事件』よりも遥かに規模が大きいのですから、これはもう『事変』ですね。
今から81年前の1931年に始まった満州事変が終わらない日中15年戦争に発展し国家が滅ぶのですが、満州鉄道を自分から爆破して事変を始めた関東軍参謀の石原莞爾は、直ぐに終わると自分勝手に都合よく思っていたらしい。
今回の福島第一原発事変も、政府や東電の思惑の短期収束の冷温停止状態は欺瞞で、満州事変の15年どころか数十年でも決着はつかないでしょう。
『危険』を意識するのと、しないのと (宗純)
2012-02-14 15:08:33
黒い時計の旅さん、コメント有難う御座います。

今回の北海道電力のように『危ないことをしている』との意識があるのと、福島第一など東京電力など今までの『安全神話』で危険性の認識が無いのとでは、事故の発生頻度には違いが無い。
多分同じ確率で起こります。
ただし、面白いことに事故が発生したその後の展開は大分違ってくるのですよ。
北海道のトムラウシ山の大量遭難事故ですが、これは『安全神話』によるところが大きいでしょう。
『危険である』と、事故をある程度予測している場合と、『安全神話』で全く予測していない場合には、その後の展開が大いに違っている。
奥秩父4重遭難の残酷、千葉法相の無残
2010年08月06日 | 社会
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/dc220586f1431a5443c9ec86cd734f28
このツアー客や観光ガイド側に登山が『危険である』との認識があったら数人の死者で済んでいたと思われるのです。
大雪大量遭難とトリアージと脳死移植
2009年08月06日 | 臓器移植法
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/444b48a190b43b050492af15876f502a
片山右京のお粗末遭難事故でも同じで、何も2人も死ぬことは無い。
片山右京の遭難事故VSたけしの交通事故
2010年01月05日 | スポーツ・文化
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/36c9ece514aafe31a106473651e04f95

ただ、原発の場合ですが、これは今までの通りの『絶対に安全である』との主張で無いと日本人相手では原子力による発電は成立しないでしょう。
北海道電力ですが、これは無理筋ですね。
私にも声がかかった、と小躍りする大槻クン (只今)
2012-02-14 17:22:05
 2007年のブログで大槻クンはこう記しています。
 「私は日頃手厳しい言動をしているので、
原発も反対なのだろうと思われていたらしく、
原発事業者から遠ざけられていました。
 しかし、原発の魅力を語る講演をしてくれというので、
 福井の敦賀市に行くことになりました。

 クルマと言えば、吉本隆明もクルマ大好き!
浜の真砂は尽きるとも世にインチキの種は尽きまじ (宗純)
2012-02-15 17:09:15
只今さん、コメント有難うございます。

地獄を見ないと人間なかなか賢くはなれないし、地獄を見て少し賢くなっても時間が経てば元にもどるのです。
沖縄の普天間飛行場のある宜野湾市での市長選で防衛庁と選挙介入が大成功して900票差で自公候補が勝つ。
防衛省では当初予定していた沖縄局長の更迭を中止したそうですよ。
この話は原発利権と同じ構図で『無くなると困る』人が大勢地元にも居るのですね。
いよいよ海兵隊が沖縄から出て行くことが決まりかけて慌てているのですから恥ずかしいというか情けないというか醜いというか。

福島第一の2号機ですが、如何も臨界している疑惑が高い。
断続的に不規則に臨界しているのでしょう。
東電ですが半減期が短いキセノンが検出されていないので臨界していないと言っているが、実は去年の11月1日にキセノンを検出して『臨界だ』と大騒ぎになったことに懲りて、検出限界を10万倍に倍増しているのですよ。
可也東電や安全・保安院は悪質ですね。
当時キセノン133と135がそれぞれ1立方センチあたり10万分の1ベクレル程度検出されて、保安院は『核分裂反応が起き、キセノンが発生した可能性は高い』としたのですが、後で自発的核分裂であると訂正。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は会見で『(1日午後に採取した)同じ気体から2回検出されたので核分裂が起きた可能性は高い。』と当初は語っている。
ところが、東電は11/3に、『キュリウム242とキュリウム244の自発核分裂によるものであった』、と発表を変える。
(毎日新聞11/4)
2月12日に東電は、
キセノンはいずれも検出限界未満であり、再臨界判定基準のキセノン135については、1[Bq/cm3]を超えておらず、未臨界であると主張しているのですが、これは3ヶ月前の検査と10万倍。
犯罪的な姑息なやり口です。
そもそも1立方センチの発表の単位が可笑しいのです。
通常気体は1立方メートルで表示されて、センチとメートルでは100の3乗で100万倍の体積なのです。
1cm3単位の11月の検出値は10万分の1ベクレルですが、1m3 なら10ベクレルですね。
原発の温度計は熱伝対ですが構造がシンプルすぎて壊れることはまず考えられない。
それで東電は仕方なく断線を言っているのですが、・・・
断線なら0か振り切れるかの二つに一つで今回のような数値の変遷は有り得ない。
何れにしろ現在は修繕も出来ないし点検も出来ない。
何処かが完全に壊れていることだけは判るが、何処が悪いかが判らないのです。
操作を知らないイソコンって? (伴睦)
2012-02-16 15:57:16
私は、残念ながら、12月のNHK特番を見ていないのですが、言われる「非常用復水器(イソコンISO CONDENSER)」という装置を見たことも聞いたこともありません。

日本の商業炉の場合、ECCS(Emergency Core Cooling System 緊急炉心冷却装置)の一環として「リコンバイナー」という大型の特殊装置が、BWR、PWR を問わず、必ず設備されております。

冷却水循環において異常が生じた場合は、自動でECCSが稼動します。
これは、原子炉の停止も意味します。
自動的に制御棒が挿入して中性子の遮断が行われ、注水が始まります。
今回の福島原発事故は、全電源喪失のためこの注水が起動しなかったと聞いております。

ECCSのひとつである「リコンバイナー」は、冷却水の温度が上昇して大量の水素が発生した場合に水素を水に換えて炉内に戻す機能があります。
この装置は巨大な箱のような構造で化学的反応によって作動をするため電源を不用とするか、電源が必要であっても独立して内部構造で組み込まれているように作られております。

故に、この「リコンバイナー」は、「最後の砦」と呼ばれておりました。
そして、この「リコンバイナー」は川崎重工で製造されたもので、幾つかは欧州にも輸出されたようですが、仏国には「フラマトム(アレバに買収された)」という有名なメーカーがありました。

何故、この「リコンバイナー」が作動しなかったのか、が今でも解せませんし、報道もされないのが不思議です。
「リコンバイナー」の存在は原発職員なら周知しております。

従って、GEの「イソコン」なんて初めて聞きました。

イソコンは初期の旧式な安全装置 (宗純)
2012-02-17 15:22:48
伴睦さん、コメント有難うございます。

そうなんですよ。GEの「イソコン」ですが、これが3・11原発事故で1号機が早々と翌日には爆発したそもそもの原因なのです。
1号機とは名前の通りで一番最初に東京電力が導入した原発で、老朽化が激しい。
しかも安全装置が大問題なのです。
そもそもイソコンなるものは旧式で時代遅れの代物であり、作業員が間違いなく無事に稼動しても8時間が限度なのです。
だから12日に爆発した。
2号機以後の原発では非常用復水器(イソコン)の進化形であるが原子炉隔離時冷却系が設置されているので1日以上の余裕があるのですね。
だから14日に爆発した。
『冷却水循環において異常が生じた場合は、自動でECCSが稼動します』と言うのは誰が考えても当然な話ですよ。
ECCS(緊急炉心冷却装置)は基本的に非常用ディーゼル発電機や外部電力などの電気を動力としているのですが、動力無しでも最後の最後の砦、命綱として復水機や原子炉隔離時冷却系が稼動する仕組みです。
アクシデントの最後の最後の命綱なのですから、自動的に作動して当然なのです。
ところが旧式の1号機の非常用復水機では逆なのです。
正反対に『自動的にレバーは閉じられている』構造だったのですから、これでは作業員が間違えても当然だったのです。
大槻義彦氏の非難は当然としても、実は考え方の出発点に間違いがある。
イソコンのレバーの問題点は原発メーカーの責任が大きいのです。
ただ、運転には当事者である電力会社の全責任であり、東電としては原価償却が済んでいる老朽原発の稼動は経費抜きで動かせる金の卵を産む設備だったのです。
『安全』との発想が全ての間違いの根源です。
そもそも原発ですが、建設当時の考え方では寿命は30年だったのですよ。
30年を遥かに超えている旧式な安全装置しかない1号機を3・11当時に動かし続けていた東京電力の重大責任は免れようが無いでしょう。
危険だが必要 (ちくわ)
2012-04-10 01:41:57
車や航空機などがよく引き合いに出されるが
我々は今後身近で交通事故が起きても、墜落事故が起きても、必要だと思うだろう。

では原発で、また事故が起こったとしても
必要だと言えるのか。

危険だが必要という理論には
必ず今後何度も事故が起きるという前提が
なければ、まったく意味がない。
事故確率と損害保険料率 (宗純)
2012-04-11 14:56:53
ちくわさん、コメント有難う御座います。

自動車事故時に損害額を無制限で全額保障する損害保険会社はいくらでも存在するのですが、原発では自動車とは大違いで損害を全額補償する会社は世界中に何処にも無い。
一番賃金が高い職業はとび職なのですが、実は失敗して落ちたら死ぬ高所作業のとび職などは生命保険会社と契約できない。
この鳶職と同じ様に原発とは『安全神話』とは対極にある、保険金額が計算出来ない未熟な技術体系の未完成で危険すぎる代物だったのです。
ちなみに日本とは違い地震が無い安全なドイツである程度の原発事故の保険料率を設定したら4人家族で年間三十数万円負担する必要があるそうです。
危険度ですが日本とドイツでは200~300倍の違いがあるので単純計算で、負担する保険料も数百倍必要となるでしょう。
地震大国日本の無謀原子力発電
2011年10月26日 | 放射能と情報操作
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/3681095b2591ca88770d99ee9509c7c5
PWRとリコンバイナー (旅人)
2017-01-31 00:26:14
初めまして。

日本の商業炉の場合・・・「リコンバイナー」という
大型の特殊装置が、BWR、PWR を問わず、必ず
設備されております。

と2012/02/16に書かれていますが、PWRには元々
水素リコンバイナーは設置されていないと思います。

福島の事故後に安全基準が変わって、PWRでも
設置されるようになったのではないかな、と思います。

ちょっと気になったので書きました。

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