逝きし世の面影

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ベント成功は真っ赤な嘘「信用丸つぶれの東電」

2011年06月24日 | 放射能と情報操作

『福島第1原発:1号機のベント「失敗」 問われる説明責任』

東京電力福島第1原発1号機のベント(排気)は失敗していた。
これまで『成功』と言い続けてきた東電や、それを追認してきた国の説明責任が改めて問われる。
特に重大事故への対応策として整備されてきたベントの『失敗』は、国の安全対策に大きな疑問を投げかける。
東電は格納容器の圧力が低下した午後3時ごろ『成功』と発表していた。
だが、低下したとされる圧力は上限値(427キロパスカル)を上回ったままで、発表直後には逆に上昇、さらに、放射性物質の放出を示す兆候はなく、開放を示す『リミットスイッチ』にも変化はなかった。
それなら3ヵ月以上後の今ではなく、事故当日にベントが成功しなかったことは誰にでも判る。
それでも何故か東電や政府はベントの失敗を発表せず、正反対に『ベント成功』と発表している。
何故東電は、『ベント成功』と事実と正反対に日本や世界に発表したのか。
『成功』を見直す材料や機会はあったのに、国は3カ月近くもチェックしないまま6月7日に国際原子力機関(IAEA)へ『成功した』との内容の報告書を提出していた。
東電や日本政府に、事故を真摯に検証する姿勢はうかがえない。
ベントは安全対策(アクシデントマネジメント)の一環として92年から旧通産省(現経済産業省)が電力各社に整備を求めた。
福島第1原発も98~01年に耐圧性能を強化したベントの整備を完了。
だが、今回の1号機だけでなく、東電は2号機でも『ベントの成否は不明』としている。
事態は益々混迷の度を深めている。

東日本大震災:福島第1原発事故 1号機、ベント「失敗」 東電、弁開放は未確認
(毎日新聞 2011年6月24日)

ベントのためには弁を開けなければならないが、東電関係者は『十分に開かなかった』と証言、東電本店も『弁開放は確認できていない』と述べた。
『政府報告書は、成功』
東電によると、1号機では3月12日午前0時6分、格納容器内の圧力が上限値(427キロパスカル=約4・2気圧)を上回る600キロパスカルに達し、吉田昌郎所長がベントの準備を指示。政府も午前6時50分、原子炉等規制法に基づくベントを東電に指示し、午前9時ごろから作業が始まった。
東電は午前9時15分ごろ非常用のハンドルを手動で回しMO弁を25%程度開けることに成功。同9時半ごろ小弁の開放を目指したが、付近の放射線量が高く手動での作業を中止し、同10時17分、中央制御室から機械操作で小弁開放を試みた。
この直後の同10時半、建屋外の放射線量が一時的に急上昇し、放射性物質が放出されたとみられるが、30分後には元の数値に低下。
一方、格納容器の圧力は下がらず、ベントの効果を確認できなかった。
その後、格納容器の圧力は作業直前の755キロパスカルから530キロパスカルまで下がり、午後3時ごろに東電は『午後2時半にベント成功と判断』と発表。
経済産業省原子力安全・保安院も追認した。
しかし、東電関係者は『弁の開放は十分ではなかった』と証言した。
弁の開放を示す計器『リミットスイッチ』にも変化はなかった。また、格納容器の圧力は午後3時ごろ下げ止まり、同3時36分の水素爆発まで上昇に転じていた。
原子力安全・保安院は『ベント成功の判断をしたのは東電で、政府として言及していない』とするが、政府はIAEAへの報告書に『東京電力がベント成功』と提出している。
(無政府状態でも無いのに日本国政府の各機関が自分勝手に独自に動いている?なら中央政府の方針を無視して暴走した下克上の関東軍参謀的な話に成ってしまうのだが・・・)

『「嘘」と「間違い」とは全く別物、同じではない』

東電の今回の発表には呆れるしかないが、過失である『間違い』と、相手を騙す目的の意識的な『嘘』とは同じではない事ぐらいは誰でも知っている。
今回の『ベントは実は失敗していた』が、何かの『間違い』の類ではないことは知られている事実経過からはっきりしている。
東電の説明は、支離滅裂で無茶苦茶である。
『ベント成功』の東電発表とそれを無条件で追認した政府の態度は『意識的な嘘』(悪質なデマ)であったことは報道内容で明らかである。
報道が正しければ、最初からベントが成功していた兆候はゼロであり、発表の根拠が微塵も無かったのであるから『成功』との意識的誤報を流した政府や東電の無責任で恥知らずな体質は際立っている。
それにしても何故6月7日の国際原子力機関(IAEA)へ公式報告する前に『事実の訂正が出来なかったのか』の疑問は大きい。
はからずも日本の恥を世界に曝す結果になったが、遅すぎる6月24日に発表した意味とは何であろうか。
不思議過ぎるのである。
この摩訶不思議の原因ですが、京大原子炉実験所の小出裕章助教が指摘している2800度以上の高温で溶融した100トンの核燃料がじわじわコンクリートを溶かしつつ数メートルから10メートル程度沈み込んでいる福島第一原発の破滅的な現状の追認の為の、『予備行動の一つ』なのではないか、とも推測できる。
もしも、小出助教の指摘の追認であれば、これから東電や政府による更なる最悪の発表も、何とも悲劇的で恐ろしい話だが、我々日本人は覚悟せざるを得なくなるだろう。

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