庄司卓完全攻略ブログ

作家庄司卓のブログです。
スケジュールは毎月一日に掲載。アクセスカウンターは2010年1月1日より集計。

『サクラクエスト』第13話

2017年07月04日 22時18分21秒 | Anime・特撮
この作品、着地点というか目標地点が見えていないんですよね。確かに間野山の町おこしという目標は見えているのですが、どうすればそれが達成できるのか分からない。町おこしというのも漠然としてますからね。フィクションだとこういう場合、数値目標を設定してやるのが一番分かり易いのです。現にそういう作品もありますな。『サクラクエスト』の場合、集客数や町の観光収入など、分かり易い数値目標を設定していないという事は、ストーリーの目的が実のところ町おこしにあるのではなく、20歳代前半の社会に出たばかりの女の子たちが自分の生き方を探すまでに置かれているのでしょうね。そういう意味では『SHIROBAKO』のように、一話時点ですでに自分の生き方を決めていた作品とは方向性が違いますな。
普通は嫌だという漠然とした目標しかなかった由乃が自分を生かす道を見つけるまでの一年間。
ただそれだとなかなかカタルシスは得られにくく、また物語がどの程度まで進んでいるのかも見えにくい。その為「クエスト」という単語をタイトルに入れ、主人公由乃もチュパカブラ王国国王として、ファンタジーRPG風の味付けにしたのかも知れませんが、それがちゃんと機能しているのかというと、正直、ここまではいささか微妙な印象も受けます。

さてさて、イベントの結果は予想通り。バンドプトレマイオスに客を取られ、テレビ番組もそちら中心に編集。
観光会長や凜々子のお婆さんの反応から察するに、今までにもこういうイベントはやってきており、一時的に客は集まった物の、長続きしなかったんでしょうねえ。
まあそれは道理で、宿泊施設や交通インフラも整備されないままでは何も変わりませんねえ。しかしそうなるとどうしても由乃たちの権限ではどうにもならない所があります。
その範囲内でどうするのか、それとも抜本的なところから変革を試みるのか。
正直、10%割引のチラシをばらまいてどれほどの効果があると思っていたのか。割と本気で期待していたのは、見ていても逆に意外でした(;´Д`)。正直、地元特産品の出店を出していた商店会の方がよっぽど地道かつ現実的な対応をしていたように思えます。

意外といえばやっぱり意外だったのが、プトレマイオスのシーンをさらっと流した事でして。
ちょうどここが折り返し地点。前回も萌ちゃんたち、ここまでに登場したキャラクターが顔出しをしており、ここらで一つまとめておこうという構成意図が見て取れます。
構成的に前半クールで由乃たちが仕掛けたネタが、後半でじわじわ効いてくるという構成になると思うのですよね。
萌が出演したあの映画がカルト的なヒットをして聖地巡礼が起きるとか、婚活イベントで元サヤになったあのカップルが本気で駆け落ちしてくるとか。
その中でプトレマイオスに続いて、他のバンドも間野山でライブをやりたいと言い出す展開なのかなと思っていたのですよね。
もっとも作中ではプトレマイオスは間野山でのライブに特に感慨を持った様子もないのですよね。
日本で最初にF1を開催した時、サーキット周辺には西洋式のホテルがほとんど無く、日本式旅館に泊まるしかなかったのですよね。
日本式旅館に泊まったことのないチーム、運営関係者の為、旅館側は布団を何枚も重ねてベッドにしたりと、丁寧なおもてなしをしたそうです。結果、今でも日本GPはチーム、運営関係者の間でも人気が高いと言われております。
どうにもそれを考えると、由乃たちはプトレマイオスというバンドをどう認識していたのか。お客様なのか、それとも一緒にイベントを盛り上げる仲間なのか。それともただ単にテレビ局が連れてきた有名人程度の認識しかなかったのか。なんかその点、ちょっと近視眼的といいますが、目の前のことしか見えない印象は受けますね。
プトレマイオスが間野山でのライブに手応えを感じれば、今後も定期的に間野山でライブをやりたいという話もあるかも知れませんからねえ。
この辺、もうちょっとプトレマイオスの知名度を生かす発想が有っても良かったのですが、しょせんは国王以下素人ですからねえ(;´Д`)。

観光協会会長や商店会はそれなりにメリットもあったのでひとまず納得ですが、何も変わらない現状に由乃は荷物をまとめて間野山から出て行く事に。
さてこの由乃の反応は如何に。概ね納得してるのに、由乃一人が納得がいかず投げ出したとみるか。それとも何も変わらない責任を感じてしまってると見るのか。
サブタイトルからして次回は、周囲がそれをどうみるかになりそうですね。
そして大臣たちが由乃を生まれ故郷の海辺の町まで追いかけて、実にさりげなく且つ自然に水着回へ持っていくのか(^^;。

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (nisi)
2017-07-07 15:52:11
あれ、一度コメントしたと思ったのに。まあいいか。

>この作品、着地点というか目標地点が見えていないんですよね。

そうですよね、最新話でも、地元の役場の女子に突っ込まれていましたが、
・間野山に観光客が増えて良しとするのか。
・間野山が自ら気づいてなかった観光対象や名産品を見つけたり、新しく作れば良いのか。
・間野山の住民の行動を変えたり、住人を増やしたりすればよいのか。

町が外的な物を欲しているのか、内的な問題を変更したいのか、確かに着地点が見えませんよねえ。

それに、チュパカブラ王国というテーマパークは、ほっといてよいのでしょうか。

コメントを投稿