梅香のつれづれ日記

今井町から保存活動の情報をお知らせします
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奈良の地域づくり、ひとづくり にパネラーで出演

2012-02-20 09:36:18 | 地域支援機構
第5回地域づくりシンポジウム「地域のこれまで そしてこれから〜奈良の地域づくり、ひとづくり〜」
を下記プログラムで開催しますが、これには第1回目から今井町町並み保存会は団体会員で拝聴の立場で参加していました
今回はこれを主宰する「地域支援機構」のプランナー・コーデイネ―タ養成塾に入門、6ヶ月間たっぷりと講習を受ける機会に恵まれました
その集大成を発表する場に、厚かましくも今井町町並み保存会の会長の立場で登場する機会も頂きました
研修生の初々しい(笑い)私と、今井町町並み保存会会長の威厳?ある私を見比べにおいで下さい


シンポジウムのねらい
奈良県各地域は、都市住民をひきつけ得る優れた地域資源をもちながら、これを活かす方策をもちあわせず、地域活力を低下させている。各地域におけるEcological Development
①地域の資源、即ち、生物・生態系、伝統技術、生活文化資源、歴史文化資源等を生かし、
②地域の主体性と地域資本によって、
③現世代の満足を充たしつつ、生きとし生けるものすべての将来世代に引き継ぎ得る開発
が喫緊の重要課題となっている。
 しかしながら、各地域は、地域資源をいかに発掘・活用するのか、他地域からいかに人を呼ぶのか、もてなしサービスをいかに行うのかなどについて、ノウハウをもちあわせていないのも現実であり、地域プランナー・コーディネータの役割が高まっている。
 本シンポジウムは、このような背景を踏まえ、住む人と訪れる人の間に信頼関係が醸成され、各地域の自律発展につながる「地域のこれまで そしてこれから」をいかに進めていくかについて議論するとともに、奈良にこだわりをもち、積極的な活動を展開されている方々の交流の促進に資する。

  日   時  : 2012年3月3日(土)13時開会(受付12時30分から)
◆ 会   場  : 奈良県立大学 3号館2階 (〒630-8258奈良市舟橋町10番 ☎0742-22-4978) 
                            (当日連絡先:090 6672 2459(大塚))
◆ 参 加 費  : シンポジウム 1,000円(資料代含む)/交流会 3,000円
           (当日、受付にてお支払いください。)
◆ 定  員 : 200 名(申込順)
◆ 申込締切  : 2月26日(日)必着

氏 名  
所 属
連 絡 先
シンポジウム参加
交流会参加
をお知らせください
★★★第5回地域づくりシンポジウム参加申込★★★
 申込先;FAX:0742-24-2261またはE-mail:otsuka@naed.or.jp 地域づくり支援機構事務局 行


シリア共和国との研修会 パート2

2012-02-16 18:01:27 | シリア共和国
日本の各地を2012年1月10日~1月31日 (22日間)研修してきたシリア共和国の行政官一行は、行程の中間の20日、今井町では次の課題で研修を行なった

  研修日時 :2012年1月20日(金)13:00~16:00
  研修時間 :予定を大きく超過して17時を過ぎてお別れをした
    ※日本語でお話をし、通訳者がアラビア語へ逐次通訳をしていく
  研修場所 :今井まちづくりセンターを中心に今井町内全域で
  研修内容 :シリア国首都ダマスカスの歴史保全地区に指定されているカナワート南地区では、モデル事業として
   町づくりセンターの開設
   町づくりに関わる住民組織の設立に取り組んでおられる。空家となっている歴史的建築物をセンターとして改修し、住民組織による運営・維持管理を目論んでおられます。
 その視察を今井町町並み保存会に要望されたもので、あらましは1月29日のブログで掲載させてもらったが、今回、すごいお礼状が写真とともに届いたので感動している

1月20日 13時華甍到着 今井町町並み保存会は着物でお出迎え、皆さんびっくりされているご様子 でも、嬉しそう

寒い1日でしたが皆さん元気いっぱい こちらも熱くなり、活発な交流が始まる

事前にアラビア語に訳した資料を送っておいたのと、失われていく文化遺産、町並みを守るには、という課題を提げての来日なので質問も鋭い

お抹茶を差し上げたが、これも休憩ではなく、文化の使い方という研修テーマの一つに組み入れたが、大好評、日本人以上に真剣に取り組んでいただけた

研修を終え、歓談が始まると、皆さんから続々と感謝の会話が始まった





そして、全行程を終えた帰国直前、感謝の手紙をしたためて、送ってきて下さった

シリア研修者からの感謝の文面(日本語訳)

敬愛する若林様
素晴らしい一時をありがとうございました。
人は時として心からの伝えたい気持ちを的確に表現する言葉を見出すことが出来ません、特に偉大なる人を目の前にしたとき、そう今私があなたに伝えようとしているように。
私はあなたが国を愛し、愛する国の為に誠心誠意の活動をされていることを知りました。
私たちは忘れることのできない「教え」をあなたから学びました、愛は不可能を可能とする、そしてその愛が国に対するものであるならば、なお一層のこと
私も、シリアへの限りない愛を持っており、その愛の深さは言葉では言い尽くせません。
シリアと日本がどれほど離れていたとしても、心の奥深く私はあなたをとても身近に感じています、なぜならあなたはそれほど素晴らしい方ですから
さらに素敵で末長い人生を願っています。
ジャマル アル・ヨセフ (研修団 団長)


敬愛する若林様

あなたの日本に対する愛情は心に響き、私の祖国を想う気持ちを呼び覚ましました。
国というのはとても大切で尊いものですが、現在のシリアのように悲惨な状況になるとさらにその思いが強くなります。
私は、私の人生が、シリアという国を再建できる機会を与えてくれると信じています。
ナディア ヘルミ


今回の訪問について、自分の気持ちを表現する言葉が見つかりません。
若林さんがおっしゃったことが私の心に響き、講義中に涙が流れたのだと思います。
若林さんの日本に対する、純粋な心と、素敵なお考えと、純粋な愛というのが、私が表現したかったシリアに対する私の想いです。
マザ ベック


敬愛なる若林様
数千キロを超え、私はダマスカスから日本へ旅立ちました。幾つもの山、海、島、川を越え見慣れた風景から未知の世界への旅はゆっくりと流れて行きました。しかし、到着するや否や“その物語”はものすごいスピードで動き始めました。
私たちは東京について、見るもの全てが素晴らしく、偉大な文明とその活力に感銘を受けました。幾つもの近代的な都市を道路や橋梁を渡り視察しました、自分の目で見ること以外には記述出来ない、素晴らしい企画と壮大な計画力を知るに至りました。
この時、私たちは“この物語”の最終章に既にたどり着いたと感じました、しかし後にまだ始まっていないことに気付かされました。今井町を始めとする歴史的、文化的町を視察し、多くの人々と出会いました。今井町の訪問によって、住民の町や市、国に対する愛を学びました。そしてそこで見た文化や慣習が、私たちの心を大きく温かくし、寒ささえも忘れさせてくれました。何より、私たちは今、私たちの国に帰って大きな責任を背負い、愛情と敬意を持って自国の文化風習の復興とまちづくりをしていかなければならないと思っています。
熱い思いと愛を持って、大きな役割を果たされてきた若林さんに感謝と敬意を込めて
アッザム ハッワリ


敬愛なる若林様

今回の初めての日本への訪問にあたり、私は日本のすべてに期待を持っていました、しかし、あなたのような方にお会いできるということは期待すらしていませんでした。
あなたが日本に対する愛や偽りのない気持ちを話してくださる前から、どれだけあなたが国のために献身されてきたかを理解しました。
あなたはまるで息子を愛する父親の感情を、あなたの国に対してお持ちの方です。
あなたは、きっと、何も見返りを求めず全てを差し出す賢き助言者なのだと思います。
あなたは、勇気をもつ優しいお方なのだと感じました。
あなたは、国を愛し、国のために献身するということがどういうことなのかを改めて私たちに確認させてくれました。

私たちの涙が流れてから、あなたが涙を流されたのは、私たちの愛が伝わったからでしょう。
あなたがお話になってくれたことは私たちの心の奥に響きました。とても素敵なお話でした。
私たちはあなたの研修受け入れへのご尽力とあなたのホスピタリティーに感謝します。あなたがダマスカスへ来られる際は私たちも同じようにもてなしたいと思っています。

あなたとあなたの家族に、健康と繁栄を願います。なぜなら、あなたは、私たちに自信と愛を与えてくださったからです。
アリ ディアブ

敬愛する若林稔さま

この度は、今井町を訪問できて大変うれしく思います。また、今回現地視察で個人のご自宅を訪問させて頂く機会やお茶の体験をさせて頂くなど、貴重な経験することができてとても楽しかったです。
翌日折角お誘いを頂き、書道の体験をとお声掛け頂いたにも関わらず、今回の研修では時間がなく叶いませんでした、次回はまず最初に今井町を訪れたい(帰りたい)と願っています。
今回のお礼と若林さんがしてくださったおもてなしを、若林さんがシリアへいらっしゃったときに、古い歴史を持つダマスカス市をご案内することでお返ししたいと思います。是非おこしください。
ご健康とご繁栄をお祈りいたします。
ありがとうございました。
ラフィフ、サナ、アビール


シリアの研修メンバーが学び、帰国してシリアで実践をしようと考えていること

若林さんがお話しして下さいました下記二つの視点はシリアでの展開に実行されます
1.まちづくりは建物保全ではない、人の行い、生活の継承である
  残すのは見た目や形ではない 心や文化、風習である
  形(施設)に心を入れるのは難しい、心が先行、形はついて来る
2.伝統家屋の展示で、カマドに火気厳禁はおかしい 
  実際に使い体験しなければ 単なる見世物である
  心や文化は継承されない
  現在は小学生にカマドを利用する体験学習を行っている


シリアでの展開を検討している内容

1.まちづくりの視点、行政と住民との関係づくり
  研修では、まちづくりを実践してきた、行政機関、研究者、住民組織、民間企業、一住民から協働の重要性を繰り返し見聞きし、協働の目的は「同意形成」ではなく住民間及び行政との「信頼関係作り」であることを理解した。また信頼関係作りにはそのプロセスが重要であるため時間を要することを理解した。
  信頼関係作りでは、知識のある者(行政及び専門家)が知識のない者(市民)を導くのではなく、市民の声を聞き、意見を理解することが根本であることを体感した。
また、まちづくりは建物保全ではなく、人の行いや生活の継承であること、残すのは見た目や形ではなく、心や文化や風習であることを学んだ。
  シリアでは地域社会の行動を活性し、街づくりのすべての過程に市民が参加出来る為の法整備を行うことが求められる。また、まちづくりの決定には市民が主なる役割を担う。

2.残すべき文化、風習と施設の保全(まちづくりセンター建設に向け)
  今井町で伝統家屋を視察した折に、以前は展示されている台所(カマド)に火気厳禁との表記がありました、おかしいと思いませんかと説明を受けました。カマドに火を入れなければ使えない、単なる見世物になってしまっていた。現在は小学生や訪問する方々に実際にカマドでお米を炊く体験をして頂いている。残したいのは見た目や形ではなく、伝統や文化であると説明されました。
  振り返ってシリアで建設(伝統家屋の改修)を計画しているTown Management Centerには伝統的な施設としてKaa(応接間)とIwan(夏の居間)があります。現計画ではセンター機能の一部としてその部屋の活用を考えていましたが、伝統的な活用そのものを維持することが伝統家屋の改修や維持、次の世代への教育に最も貢献すると考えるに至り、保全と活用を検討します

とあった
普段から、ちょっと気張って、世界遺産にしたいと願っている今井町の町並みは世界に通用し、私が考えている町の保存の在り方(特に人づくり)が高い評価を頂けたことで
今井は宝の町、そしてそれにふさわしい人の営みがある町と再認識した