福祉マネジメント&デザイン ストラテジー

SocialWelfare Management&Design Strategy
〜福祉サービスに経営と創造の戦略を〜

中途採用者やパート職員(非常勤職員)の活用戦略の重要性

2017年07月16日 | 人財育成
仕事柄、特養における介護職員の賃金データを取り扱うケースがあります。

勤続年数別に年齢、性別、基本給、手当の構成(夜勤手当、残業手当、介護職員処遇改善加算)、一時金(賞与)などの賃金データです。

集計、分析するための前段階として、不備確認(誤回答の修正)をしていて気づいたのですが、勤続年数と年齢が極端に比例しなくなっているということです。
具体的にいうと、勤続年数別に1年の対象者が、専門学校・大卒者である20歳や22歳ではなく、40歳代や50歳代の方のデータが散見されるということです。

しかも、前者のいわゆる生え抜き職員の基本給と、後者の方との基本給がほぼ変わらない、または逆転現象もみられる状態です。
新卒採用で毎年昇給していればそれなりに基本給が上がりますが、中途採用、特に家計を支える子育て世代でもある40歳代、50歳代と20歳代の給与水準が同じということが、今の産業としての福祉分野の弱さと指摘せざるおえません。

福祉の担い手不足がますます深刻化する中、中途採用者やパート職員(非常勤職員)をいかに組織的に取り込んでいくかということが求められます。
中途採用者、特に他産業経験のある職員を採用することは、井の中の蛙状態の福祉の組織に新たな風を取り入れる絶好の機会となります。
組織やサービス内容の改革や業務の効率化など、生え抜き職員でも経験したことのない改革を進めるには即戦力となるケースが少なくありません。
そうした人材のこれまでの経験やノウハウをきちんと評価し、前歴換算で基本給や役職などに反映させていくことが、中途採用戦略の大きなポイントとなるでしょう。

また、職員構成の大半を占めるパート職員(非常勤職員)については、いかに主体的に有する能力を建設的に発揮してもらえるかが重要です。
パート職員(非常勤職員)は正規職員と比べて、能力が低いというわけではありません。
雇用期間が無期か有期か、常勤換算職員数で1人かそれ以下か(週40時間×4週=160時間職務に従事できるか否か)といった線引きでしかありません。
ある施設では、ユニットリーダーを子育て中の時短職員が担っており、他の職員がサポートしているケースもあります。
「正規職員=有能」という方程式だけではもう成立しない、多様な働き方を受け入れ、展開していく時代です。

皆さんもご承知の通り、ディズニーランドの職員の9割はバイト職員です。
そのバイト職員が経営理念をしっかり自分ごとととして捉え、主体的に来園者にサービスを提供し、楽しいひと時を提供しています。
福祉のパート職員(非常勤職員)をいかに組織の一員として、役割を担ってもらえるか(担わせるか)は働き方改革にも通ずる信念とも言えます(パート職員(非常勤職員)を生かせている組織が、正規職員ばりに経営成果や組織改変に成功している書籍もありますね)。

来年度から対象者が出てくる有期契約者の”無期転換ルール”。
労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。
”無期転換ルール”に関するご相談の多くは「人件費の増加」です。



しかし、そこだけに目を向けていては何も始まりません。
人手不足による企業倒産が増加する中、”無期転換ルール”を逆手にとった中途採用者やパート職員(非常勤職員)の活用戦略をきちんと描くことが必要です。

個人面談などを通して、権利を認める代わりに、組織の中の義務をきちんと果たす必要があることを伝え、帰属意識を高めていき、組織の永続発展の基礎固めを進めましょう。

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