sweet キャンディキャンディ

伝説のマンガ・アニメ「キャンディキャンディ」についてブログ主が満足するまで語りつくすためのブログ。海外二次小説の翻訳も。

小説キャンディキャンディFinal Story あのひと考察17 ラストシーン

2011年07月05日 | FSあのひと考察
 

小説キャンディキャンディFinal Story上・下巻 名木田恵子 (著) 祥伝社 (2010/11/1) の考察です
注:物語に関するネタバレがあります


小説キャンディキャンディFinalStoryのあのひと考察は、とりあえず今回がラストです。

最後の考察ではラストシーンを取り上げます。小説のラストシーンということで、その文章をここにそのまま引用することは控えたいと思います。

マンガ・アニメのラストシーンになぞらえられているこの小説のラストシーンは、あのひとがアルバートさんであってほしいと願うファンにとっては大きな希望になるものです。

マンガ・アニメで見たこのラストシーンの原型こそが、長年の夢の土台でもあったわけですから。

しかし、ブログ主はあえて言わせていただきます。これはそういった長年のファンに対する、作者からのサービスなのではないか、と。

作者は、このキャンディの最後の物語を書くにあたり、心残りがないように全面的に書き直したと、あとがきで述べています。あとがきからは、過去のマンガや小説とは独立した、完全な一つの作品として、このFinalStoryを発表したかった思いが伝わってきます。

もちろんこのファイナルストーリーの主な読者は、キャンディキャンディの昔からのファンであることに間違いはないでしょうが、作者は新しい読者も想定していたはずです。

新しい読者がこの小説を読み通したとき、ラストシーンにいるのは、当然テリィだと思うでしょう。

ファイナルストーリーでは、キャンディとアルバートさんの物語はすっぽり抜けて語られることはありませんでした。シカゴでの同居生活のエピソードも、マンガのラストシーンの感動的なイメージも、新しい読者の意識の中には存在しないのです。

小説中にちりばめられたあのひととテリィのリンクも、第3章最後にテリィから手紙が届き、エピローグのアンソニーへの手紙を経てこのラストシーンに至る小説の構成も、読者をテリィへと導いています。

このラストシーンを読んで、そこにアルバートさんを思うのは、マンガやアニメからの古いファンだけなのです。

よってこのラストシーンの描写は、アルバートさんとキャンディの愛という夢を紡いできた古いファンに対する、作者からのサービスなのだと、ブログ主は考察しました。

----さて、あのひと考察は以上で終わりです。

考察に値する新たな要素を思いついた時には、また新しい考察記事を書くことがあるかもしれませんが、今はこれで個人的には満足しております

小説のテーマ、作者がこの小説をあえて書き下ろした動機、物語の中にちりばめられたセリフや小道具から導かれる人物像を検証してみれば、テリィが作者にとってのあのひとであると断言していいと思います。

ブログ主からしてみれば、偏った視点や個人的希望を抜きにこの小説を読んだ時に、それでもテリィ以外の人物があのひとだと思える理由がよくわかりません。

マンガの連載が終了してから30年以上という時が流れ、その長い時間の経過の中でファンが独自の夢を形成してきたことで、原作者をしても、あのひとの名前を明確に書くことがかなわない状況が出来上がってしまったのは、驚くべきことです。

ブログ主がここで個人的な意見を言わせてもらえば、作者は、あのひとが誰かを、はっきりさせた方がよかったのではないか。あのひとを考察していく過程で、ブログ主は、このファイナルストーリーに作者が込めた思いは、そうすることでより純粋に、読者に伝えることができたのではないかと思うようになりました。

しかし、作者はファンの夢を守ることを選択しましたので、ファンは自由に勝手に自分の物語を想像する権利を手にしたわけです。

マンガに始まり、テレビアニメ、小説版、ファイナルストーリーと、キャンディキャンディの世界そのものが、ファン全員にとっての夢なのだと思えば、今の状況はそれはそれで、楽しいものかもしれないなとも思えるのです。

このブログでは継続して、海外のファンが書いたファイナルストーリーのファンフィクションを紹介する予定です。

たいへんな力作ですので、どうぞお楽しみに






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10 コメント

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final story を読み終って (kids)
2012-03-04 22:15:31
はじめまして。
自分は最近FINAL STORYを読みまして、その後こちらのブログにたどり着きまして沢山なるほどと思う事もあり、楽しく読ませていただきました。

自分も子供の頃から、キャンディ大好きで、
今でもレイクウッドという単語を聞くだけで
涙が出てしまうタイプなんです・・。

そこでFINAL STORYを読んでびっくりしたのが、レイクウッドのお屋敷はもう今では人手に渡っている云々の下りです。

アーチーの婚約式の時には使っていたので
その後いったいアードレー家に何があったのでしょう?
あそこにはアードレー家のメモリアル館もあるのだし、アルバートさんだって今までのことを考えると簡単に手放さないと思うのですが・・。
レイクウッドはキャンディがいつでも訪れる場所であってほしいと思ってたのですが。
kids様 (ブログ主)
2012-03-09 10:44:10
コメントありがとうございます。
ブログ主もkids様と同じようにレイクウッドのお屋敷が人手に渡ってしまったのは寂しかったです
何故人手に渡ってしまったのだろう…という部分の推測ですが、史実と絡んだ事情としては、アーチーの結婚式の後にアメリカでは大恐慌がありました(小説の中でも少し触れられていましたね)。その辺の事情が関係していると考えられるのではないでしょうか。多分多くの読者さんもそう推測していると思います。
物語として、レイクウッドが人手に渡ったことに何かの意味が込められているのだとしたら、キャンディやアルバートさんの過去からの解放・巣立ちを象徴しているようにブログ主は思います。それはキャンディがアードレー家から巣立ったこと、アルバートさんがローズマリーやアンソニーの死から解放されて己の人生を前に進めたことの象徴として描かれている可能性がありますね。
レイクウッドを訪れても過去の美しく懐かしい日々の思い出はもうそこにはなく、それぞれの記憶の中でしか訪れることができなくなってしまった。登場人物たちもそのように成長して人生を歩んでいることを作者は伝えたかったのではないでしょうか。
はまってしまいました・・・ (ほし)
2013-05-04 23:27:26
はじめまして。突然失礼いたします。

実は『FINAL STORY』はまだ読んでいません。
存在は知っていたのですが、漫画とかぶった内容だとか、結局キャンディの最終的な相手もわからない等のレビューを見て、どうせアルバートさんでしょと興味もわかず・・・。

ですが、最近どうやらそれがテリィではないかという情報を見つけてビックリ!
あの絶望的な別れにショックを受け(初見時は幼稚園児だったので、どこまで理解していたのかは謎ですが・・・)
母にキャンディはアルバートさんと結婚するんだ(この意見には当時も今も違和感ありです。)と言われた私にはそんな可能性はまったくなかったので・・・

こちらにたどりつき、ブログ主さんの考察を拝見して私もすっかりその気です!
図書館でさっそく予約し、今は自分でもはっきりとテリィだと確信する日が待ち遠しいです。

今年初めに実家からコミックを借りてきていたので、こちらの考察を拝見させていただくのと同時に読み直しました。
久しぶりに読んでもテリィがかわいそうすぎる・・・という気持ちでいっぱいなので、その後キャンディと幸せになれたのなら私も幸せです。

長文すみません。素晴らしい考察ありがとうございました。
ほし様 (ブログ主)
2013-05-06 12:15:45
コメントありがとうございます。
幼稚園の時にキャンディキャンディを見ていたとは!なんか凄いですね。幼稚園児の意識があの物語の世界をどう受け止めるのか、興味あります~。
「Final Story」読了後は、また感想なども聞かせてくださいね。
納得しました (ルーシェ)
2015-07-04 21:04:31
はじめまして。
最近お友達に教えてもらい、今日はじめてFINAL STORYを読みました。
一気に読み終わった直後の感想は、「あの人ってアルバートさんだったの?!」でした。
アルバートさんとの手紙のやり取りが多くでていて、印象が強かったからです。
でもそれだったら、テリィのあの手紙は何?ともやもやするばかり。

そしてこちらのブログにたどり着き、考察を読ませていただいてすっきりしました!
すばらしい考察です、納得しました。
やっと幸せな気持ちになれました(笑)
アルバートさんでは不服だったわけではないのですが
あの二人に恋愛感情が芽生えるとは、どうしても想像できなくて・・。
幸せな気持ちで、もう一度読み返してみようと思います。
ありがとうございました。
ルーシェ様 (ブログ主)
2015-07-05 13:24:06
コメントありがとうございます。このブログの考察で、すっきり&幸せな気持ちになっていただけてよかったです
Unknown (みんみん)
2016-03-10 16:24:55
テリィとキャンディの別れは、当時どうしても納得いかず、最終回をみてもキャンディを「無理やり幸せにしてる」感が否めませんでした。

あれから35年以上たち、再び漫画を読み返してみたのですがどうしても納得いかず。

でもこちらの素晴らしい考察を読み、今までのモヤモヤが晴れたような気がします。
やはりキャンディの相手は絶対テリィでなくてはならないですよね。キャンディとテリィが別れた時は2人はまだ10代。感情に押し流さてしまってもしかたなかったと思います。

願わくば2人が結ばれるまでのストーリーを、漫画でも読みたい!それが叶わぬ今、しっかりと考察をなさりキャンディの「あの人」はテリィと確証して下さったブログ主様に感謝いたします。
ありがとうございます (はなはな)
2016-08-18 10:23:08
詳しい考察をありがとうございます。

最近、小説キャンディ・キャンディFINAL STORYの存在を知り、幸せな気分で読み終え、こちらを知りました。

ブログ主さまの考察に前面賛成です。ネタばれになるため、書かれていないのか、小説に出てくる日記という小道具も重要だと考えています。

子供のころからの夢が実は叶っていたことに気がついたというような幸せな気分の余韻が続いており、当面冷めそうにありません。
Unknown (プッペ)
2017-04-05 16:39:49
不覚にもここで初めてfinalstoryの存在を知りました。(後でAmazonでポチらねば!)

キャンディのその後はずっと気になっていました。
好きな彼はアルバートonlyだったマニアな(笑)私でも、キャンディとアルバートのロマンスは、(実はキャンディの母親はアンソニー母のローズマリーだという説が頭をちらつき)想像出来なかったですね。

スザナが亡くなっていたなら、テリィとの復縁も納得だし、もしスザナが生きていたとしても彼女は身を引いたのではないか?
そう思っています。

気になるキャラはたくさんいます。
パティはどうなったの?
ニールにイライザにはあれから恋人は出来たのかしら?(私はけっこう好きですよ、イライザ)

キャンディの手紙、読むのが楽しみです。
マニアな(笑)プッペさんへ (ブログ主)
2017-04-06 00:55:27
コメントありがとうございます。
FINAL STORYの世界へようこそ〜
小説を読まれる前に、こんなネタバレブログへいらしていただいて、大丈夫でしょうか?
30代のキャンディ、気になるキャラのその後、楽しみですね

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