sweet キャンディキャンディ

伝説のマンガ・アニメ「キャンディキャンディ」についてブログ主が満足するまで語りつくすためのブログ。海外二次小説の翻訳も。

小説キャンディキャンディFinal Story あのひと考察9 エイボン川

2011年06月23日 | FSあのひと考察
 

小説キャンディキャンディFinal Story上・下巻 名木田恵子 (著) 祥伝社 (2010/11/1) の考察です
注:物語に関するネタバレがあります

「小説キャンディ・キャンディ Final Story」の中で、作者はあのひとへとつながる設定や小道具をところどころに配置しています。小説を読んだ方はおわかりだと思いますが、、「これは釣りなのか?」と疑いたくなってしまうほどに、テリィをダイレクトに連想させる設定や小道具が書き込まれています。

しかし、さすがに読者を釣ってまであのひとをあいまいにしようとはしないでしょうから、正面から考察していくことにします。

以前の記事で述べましたが、ブログ主は、作者はあのひとの名前をあえて明らかにはしなかったけれど、心の中でテリィを想定し、それを前提に小説を書いたと考えています。

あとがきの中で作者は、小説では語りきれなかった物語があるとも言及してるのですが、設定や小道具を通して、その語りきれなかったキャンディとテリィの物語を表現しようと試みているように思うのです。


エイボン川

キャンディとあのひとはどこに暮らしているのか?

小説では、エイボン川沿いの家に暮らしているという情報だけが与えられていて、国名や地名などは明らかにされていません。

エイボン川は、英語表記ではAvon RiverもしくはRiver Avonです。

インターネットでこの川を検索すると、同じ名前の川が、イギリス、スコットランド、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアにもあることがわかります。

たくさんあるエイボン川の中で、ブログ主が注目したのは、River Avon (Warwickshire)

シェークスピアの誕生の地、ストラトフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)を流れているエイボン川です。

シェークスピアはキャンディキャンディの物語の中でも重要なキーワードの一つです。

キャンディの物語は、テリィの登場とともに、足ながおじさんや王子様のいる名作劇場・童話的な物語世界からシェークスピア劇のようなドラマチックな物語世界へと移行していきます。まるでキャンディの主題歌の転調のように、がらりと世界が変わります。単純な善悪や幸不幸でわりきれない、人間の苦悩の世界へとテリィを通してキャンディは入っていき、そこから童話の世界へはno way return(戻ることはできない)なのです。

シェークスピアの誕生の地、ストラトフォード・アポン・エイボン。

ストラトフォードといえば、テリィがニューヨークで所属していたシェークスピア劇団の名前でもあり、その名はこの地名から来ていることがわかります。

そしてこのイギリスのエイボン川が流れるストラトフォード・アポン・エイボンには、ロイヤル・シェークスピア劇場があり、シェークスピア劇団の総本山ともいえるロイヤル・シェークスピア・カンパニーの拠点でもあります。


エイボン川沿いに建つロイヤル・シェークスピア劇場

テリィがニューヨークで所属しているストラトフォード・カンパニーは架空の劇団ですが、こちらのロイヤル・シェークスピア・カンパニーは1875年の設立以来、ローレンス・オリビエ、ピーター・オトゥール、ヴィヴィアン・リー、ベン・キングスレー、ジェレミー・アイアンズ、ケネス・ブラナーなど、イギリスを代表するアクターが在籍してきました。現在はチャールズ皇太子が理事長を務める由緒ある劇団です。

キャンディキャンディFinalStoryに話を戻しますと、テリィはハムレットの大成功でイギリスに招待されたことがキャンディの手紙からわかっています。作者がこのロイヤル・シェークスピア・カンパニーを念頭に置いていただろうことはほぼ明白でしょう。

英語にはShakespearean actor(シェークスピア劇俳優)という表現があります。シェークスピア劇を演じる役者という意味ですが、テリィもそのShakespearean actorの一人というかスターですね。


© 水木杏子/いがらしゆみこ


Shakespearean actorにとって、ニューヨークの劇団からシェークスピア劇の本拠地イギリスのロイヤル・シェークスピア・カンパニーに移籍したとすれば、それは凱旋であったと言えますし、名を捨てたとは言え、アメリカで大スターとなったイギリス貴族の息子がロイヤル・シェークスピア・カンパニーで主役ともなれば、イギリスでもそれはセンセーショナルなことになるだろうと想像できますね。

さらに、あのひと考察5あの人はどんな人1で取り上げたこの記述をもう一度思い出してみましょう。

もっとポニー先生たちの役に立ちたいのだが、今は---なによりいつもわたしが近くにいることを望んでいるあのひとのそばをわたしも離れたくない。


この記述からは、あのひとはその場所から移動できない状況であることが伺えます。

アルバートさんは資産家のビジネスマンです。一か所に居続けなければいけない理由はなく、どちらかというと常に移動している仕事だと小説からもわかります。

しかしテリィの場合、役者であれば劇場のあるその場所にいることが前提になり、長期に渡って移動の自由はほとんどありませんので、これもテリィに合致するのです。

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