石川与太読書紀行

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1976年のアントニオ猪木

2010-06-16 14:51:55 | ルポ本(国内)
「1976年のアントニオ猪木」柳澤健・著 2007年


<世紀の大凡戦>と言われた猪木vsモハメド・アリの<異種格闘技戦>を今の目から見直し、<総合格闘技>の嚆矢として捉え直そうとするルポ本。

猪木がこの年行った四つの<真剣勝負>は、敵対する全日本とのビジネス戦争として、話題集めるための一面持っていることも明かされる。外人レスラー招聘の苦労話は初耳だった。

中心軸になってる「猪木vsモハメド・アリ戦」裏側は、新しい事実無くて新味無し。交渉裏側に踏み込んでもらいたかった。試合受けた理由は「アリがプロレス好きだから」っての、ジャーナリストとは思えない極論っぷり。
最も著者はそんな裏側を描き込む気は無かったようで、凡戦になった理由にこそ踏み込む。つまり「猪木にはタックルする技術が無かった。寝技に引き込む技術が無かったのが理由」と結論付ける。その答えに、思わず膝を叩いた!その通りだと思う。目から鱗、ってこのこと?

出色は「vsウイリエム・ルスカ」。リハーサルされたプロレスだったことも明かされるけど、それよりルスカの流転ぶり。当時のオランダ柔道界の確執、オリンピック出場が邪魔され、娼婦と結婚、得られなかった社会的地位・・・。プロレス転向するまでのドラマが関係者のインタビュー等で浮き彫りにする。その儚さが印象的。

「vsパク・ソンナン」「vsアクラム・ベールワン」裏側も面白いけど、後半いきなり「その
後のプロレス界」へと転調して、ペースがた落ち。あくまで<1976年>にだけ焦点絞ってほしかった。
それでも文章は簡潔でスラスラ読める。

不思議なディテールはクリス・ドールマンにリングス時代の八百長をカミングアウトさせてること。何の狙いあるんだろ?著者の次のターゲットは前田日明か?

★★★
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アントニオ猪木 (づくんわーるど@プラス)
家族全員に闘魂ビンタだぁ