《『校本宮澤賢治全集第十四巻』(筑摩書房)》
この度、〝第74回岩手芸術祭〟に応募したものの、今年は見事に落選した。
したがって、応募作品は『県民文芸作品集第52集』に載ることはないので、皆さんの目に触れてもらいたいと思って、拙ブログ上で紹介させてもらう。
『宮澤賢治全集第十四巻』は、どうしてこんなとんでもないことをしてしまったのだろうか?
********************論文『賢 . . . 本文を読む
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《鈴木 守著作新刊案内》
この度、お知らせしておりました『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』が出来いたしました。
◇『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』(定価 500円、税込み)
本書の購入をご希望なさる方がおられましたならば、葉書か電話にて下記にその旨をご連絡していただければま . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
鈴木 守 以前“如何なものか(無断借用)”というタイトルの投稿で、私がブログに投稿した際の私が撮影した写真が、あるブログにおいて無断で借用されていることに気付き、
そこに何も断り書きをしていないのでこれは無断借用であると私は言わざるを得ない。正直あまり気持ちのいいことではないし、このような行為は物書きとしてのマナーに欠けていると責められることはないのだろうか。と . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された〈高瀬露悪女伝説〉―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守〈補足〉
先に私は、
このようなアンフェアな実態はもはや看過できない重大事だと思っているので、近々機会があれば意を決して当事者に直接このことを問うてみたい…。と述べたことがあるのだが、「念ずれば通ず」という諺がピッタリで、何とそのような機会にめぐりあえ . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された〈高瀬露悪女伝説〉―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守〈補足〉
さて先に私は拙論「聖女の如き高瀬露」を上田哲との共著『宮澤賢治と高瀬露』において公にしたのだが、ある賢治研究家から過日、
露はどうして〈悪女〉にされたのでしょうかね。
と問われた。
私がいままで検証してみた限りでは、露が〈悪女〉にされ . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 捏造された〈露悪女伝説〉
その一方で、このとは相容れない
:一九二七年の秋の日森は下根子桜を訪れ、その際に露とすれ違った。…④についてであるが、こちらの反例としては先にも掲げた、森本人の
一九二八年の秋の日、私は村の住居を訪ねた事があつた。途中、林の . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 思考実験〈「下根子桜訪問」を一九二八年とした訳〉
ところで昭和24年発行の『宮澤賢治と三人の女性』の中に、森が、
露=「このましくない女性」
と決めつけている記述がある(同書174p)。しかも先に引用したように、それよりも遙か以前の昭和9年発行『宮澤賢 . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 森は当時重篤だったことの意味するところ
では、なぜ森は通説となっている「一九二七年の秋の日」と書くわけにはいかなかったのだろうか。考えられる有力な一つの理由は、森は当時重篤であったということだ。ちなみに、道又力氏の「文學の國いわて」(平成26年2月16日付『岩手日報』掲 . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 「一九二七年の秋」と書くわけにはいかなかった
さらに大問題となるのが、「昭和六年七月七日の日記」の中の、
一九二八年の秋の日、私は下根子を訪ねたのであつた。國道から田圃路に入つて行くと稻田のつきるところから、やがて左手に藪、右手に杉と雜木の混有林に入る。靜かな . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守その他の噂と政次郎の厳しい叱責
次は、今まで考察してきたこと以外に慶吾たちは露に関して何を証言しているのかを前掲資料等からそれぞれ拾い上げてみる。まず「賢治先生」によれば、
先生はこの人の事で非常に苦しまれ、或る時は顏に灰を塗つて面會した事もあり、十日位も「本 . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 森の伝える「ライスカレー事件」における虚構
さて、ではこれまでのことを踏まえて森自身が伝える「ライスカレー事件」を眺めてみよう。森は同書に次のように綴っている。
花巻の近郊の村のひとたちが、数人で下根子に訪ねてきたことがあつた。彼はそのひとたちと一緒に、二階に . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された〈高瀬露悪女伝説〉―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 目次
・賢治と高瀬露はとてもよい関係にあった
・上田哲の再検証
・「家もかりてあり、世帶道具もととのえ」
・「遠いところから一日に二回も三回も」
・「ライスカレー事件」で露をにはできない
・森の伝える「ライスカレー事件」における虚構
・その他の噂と . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守 「ライスカレー事件」で露をにはできない
では、あの有名な「ライスカレー事件」についてはどうであろうか。ただし、そこには虚構が述べられている虞があり、その信憑性が危ぶまれることがわかってしまった森の「昭和六年七月七日の日記」では不安なので、ここは高橋慶吾の「賢治先生」の方 . . . 本文を読む
「賢治伝記」の虚構―捏造された―
(『宮澤賢治と高瀬露』所収の「聖女の如き高瀬露」のダイジェスト版)
鈴木 守「遠いところから一日に二回も三回も」
さてこうなると同様に不安になってくるのが次の記述だ。森は、
彼女の思慕と恋情とは焰のように燃えつのつて、そのため彼女はつい朝早く賢治がまだ起床しない時間に訪ねてきたり、一日に二回も三回も遠いところをやつてきたり . . . 本文を読む