鈴木良さんの教師修業の道

高校・国語教師の鈴木良治のブログです。日々、分析批評と討論の授業を探究しています。

2015年5月の読書メーター

2015-06-26 06:01:11 | Weblog
2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1849ページ
ナイス数:21ナイス

超訳 日本国憲法 (新潮新書)超訳 日本国憲法 (新潮新書)感想
戦後70年、平和憲法を守ろうという意識をもう一度確認するべきだと思い、手にした。何度も噛みしめながら読み味わいたい。
【心に残った言葉】一般の法律の多くが、国民が守るべき内容を定めているのに対して、憲法は、「その国の権力者が守るべきもの」なのです。世界の長い民主主義の歴史の中で、憲法は、国家権力を制限し、国民の自由と権利を保障するものとして成長、発展してきました。(24頁)
読了日:5月29日 著者:池上彰
新訳 ヒトラーとは何か新訳 ヒトラーとは何か感想
歴史はある程度年数が経たないと客観的評価はできないなどと言うが、セバスチャン・ハフナーの場合、それは当てはまらない。同時代の空気を吸ったからこそ歴史は的確な分析ができると言った方がいい。ヒトラー論の決定版である。
【心に残った言葉】国民を、できることならゆりかごから墓場まで集団で統率して、集団主義・社会主義の指導原理を徹底し、人間を「しっかりと規律のなかに組みこんで」しまおうとやっきになっている。…社会主義にとっても結局のところ、生産手段の固有化よりも、人間の固有化のほうが重要なのである。(79頁)
読了日:5月25日 著者:セバスチャンハフナー
23分間の奇跡 (集英社文庫)23分間の奇跡 (集英社文庫)感想
一読して「最後の授業」の場面と似ているなと思った。教育・宗教・国家・戦争などさまざまな問題を子どもはどんなふうに受け止めるかを語っている。あっという間に読めるが、読後、じっと立ち止まり、深く考えさせられる本である。
【心に残った言葉】みんなで旗ざおをはこんで、窓からうんどうじょうめがけてほうり出した。旗ざおは、地面にぶつかるとはねかえって、そのまま動かなくなってしまった。それを見て、子どもたちはワッとかんせいをあげた。みんな、この新しい先生のことを好きになってしまった。(45頁)
読了日:5月23日 著者:ジェームズ・クラベル
不毛な会議・打ち合わせをなくす技術 (PHPビジネス新書)不毛な会議・打ち合わせをなくす技術 (PHPビジネス新書)感想
PTAの仕事に携わるにあたって、インスパイアされるような会合の在り方はないかと考えていてこの本に出会った。読んでみると13年前にも「会議革命」という名で出会っていた本だった。第Ⅲ部「会議をさらにグレードアップする3つの方法」が書き加えられてさらに現代の状況にマッチしたものになった。
【心に残った言葉】いい会議ができる職場は、ストレスも少ないし、いい結果も残しやすい。ならば、会議のあり方を変えることで、働き方そのものを見直してみよう(16頁)
読了日:5月20日 著者:齋藤孝
加藤周一と丸山眞男: 日本近代の〈知〉と〈個人〉加藤周一と丸山眞男: 日本近代の〈知〉と〈個人〉感想
加藤は「日本文化の雑種性」、丸山は「であることとすること」などで高校教科書の定番評論だが、近現代の憲法問題を考えるにはあらためて読み直したい存在だ。朝日新聞の書評にも取り上げられて注目の本。
【心に残った言葉】戦後政治のキーワードは何といっても「民主主義」だった。しかし、「立憲主義」は「民意」の表われの「票」を基礎にしている権力を含めて、およそ権力は制限されなければならぬ、ということである。(174頁)
読了日:5月13日 著者:樋口陽一
やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)やりなおし高校国語:教科書で論理力・読解力を鍛える (ちくま新書)感想
高校の国語教科書を読ませる。ターゲットを「大人」に設定して、身につけるべき教養として再読を薦めたところが面白い。
【心に残った言葉】国語ほど役立つ科目はない。日本語の力を鍛え、読解力や記述力、会話力を身につけ、思考力や感性を磨き上げるのに、これほど適した教材はないのである。(8頁)
読了日:5月11日 著者:出口汪
やまと言葉で〈日本〉を思想するやまと言葉で〈日本〉を思想する感想
和辻哲郎の「最も日常的な、最も平俗な」「活きた言葉をもって」哲学せよという提言を承け、哲学的思索を試みた書。
【心に残った言葉】複合・雑種としての“日本語”において、ものごとを抽象的・客観的に捉えるあり方、つまり「理論的方面における発展の可能性」とはどう考えられるべきか、という問いは、グローバル化という国際化のはげしい今日、あらためて、われわれ自身の大きな問題として突きつけられている(190頁)
読了日:5月8日 著者:竹内整一
日本人のこころの言葉 芭蕉日本人のこころの言葉 芭蕉感想
芭蕉が書き残したものや、門人・親族に宛てた手紙のことばを読み解くことで、行間に溢れる芭蕉の、他者への励ましや思いやりを読み取る。俳諧=風雅に対する思いも一貫している。
【心に残った言葉】『みなし栗』なども、さたのかぎりなる句ども多く見え申し候。ただ李・杜・定家・西行の御作など御手本と御意得なさるべく候。(60頁)
読了日:5月6日 著者:田中善信

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