ディディエの車でbordeauxボルドーへ向かう。
車中、私は歌を口ずさんでいる。
ディディエは偶然知り合ったボルドー在住の元教師で、この度バーバラさんの虜になったので
次のフェスまでの間お世話をしてくれることになった。
歳は私の父と同じ年なのに、バーバラさんとマチルダさんと私におじいちゃん扱いされている。
せっかくペリグーにいるのだから名産を食べようという事になって
50キロくらい離れた町LES EYSIES DE TAYACという所のレストランに行った。
クロマニヨン人の発掘遺跡がある町らしい。
驚いたのはそこではフォアグラが1500円くらいで食べられる。お土産で買った
缶詰よりも遥かに安い。産地はすごいね~
食前酒はくるみのワイン。
そしてバーバラさんはフォアグラのテリーヌ、マチルダさんは生のフォアグラ、私はセップ茸の
オムレツ、そしてディディエはカスレ(白いんげんと牛肉の煮込み)をそれぞれ頼んだ。
フォアグラはちょっとでよかった。私はこのセップ茸なるきのこ(牛肉の味のするきのこ)のオムレツが
どうしても食べたかった。
さて、言語の話だけれど、ディディエはフランス人なのに英語が堪能で、バーバラさんマチルダさんも
英語を話すので会話は必然と英語になる。
私は高校と大学受験で頭で覚えた英語はすでに足の裏から綺麗に抜け落ちていて一つも残っていない。
仕方なく思い出すように頭を回転させる日々が続いている。
言っていることは難しい単語の部分以外はなんとか分かる。でもその難しい単語の部分が重要だったり
するので、一番大事な部分を分からずうなづいていることになる。ま、しょうがあるまい。
お店に貼ってあったポスターが気に入った。
サラミのお土産物屋さん
サラミってタワシみたいに吊るしてあって、すっごく臭い><
しばらく行くとフォアグラが大量にいたw
待て待て-!とフォアグラを追っかけてカメラを向けたけど、怖がって全員で逃げて行った。
ほんとの名前は鴨だったり、ガチョウだったりするらしいけど。
嵐が来そうな空が広がる中、西へ向かう。
途中、アーティストハウス?というか、創造者の家による。
ここは平たく言うと支援施設。
かわいい女の子と男の子、ママと犬3匹が迎えてくれた。
幸せは足元に現れる。
さて、西へ西へ
食べるための鳩を飼っていた鳩舎が見える。
そんな訳でボルドーについた。
夜、ディディエとみんなでご飯を食べているとき、話はどんどん資本主義の批判になっていく。
心のなかではめんどくさいなあと思いながらも、ディスカッションが好きなフランス人という
国民を理解しようとおとなしく聞いていた。
フランスはびっくりするほどお昼休みが長い。スーパーなども12時から15時くらいまで閉めている。
ディディエの友人は6か月働いて6か月休暇を満喫しているらしかった。
仕事をしても6割税金としてひかれる代わりに、仕事をしていない時の保証がしっかりしているらしい。
そんな折、私の仕事の話になった。ディディエは私が仕事が好きだという事と
タイムイズマネーという冗談を死に物狂いで批判し始めた。
たくさんのお金を持って、いい車に乗って、いい家に住んでそれが何になる。一部の搾取する側の人間の
コマにすぎないんだ!とヒートアップ。
私の心の中では コロボックルの音楽隊が フランス人めんどくさーい 教師めんどくさーい
と太鼓を叩いてラッパを鳴らし行列ができた。
それでもおとなしく聞いていたけれど、なぜかその時は妙にシナプスがつながってしまい
英語の意味が分かってしまうと コロボックルは私の体内からこぼれ始めて言葉になって出て行ってしまった。
アイム サッド。ユーアーバッド。 すんげー超大した言葉ではない。自分でも情けない。
という具合に、その話題は私がバッサリと終わらしたのだけれど、マチルダさんは言った。
「フランス人的にはこのディスカッションは終わらした方が負けなんだよ」そんな国民性の違い。
ごめんよ~さやか ごめにょ~と謝ってくる声が聞こえたけれど、私の心の中では
コロボックルが長蛇の列を作って ニホンへカエリターイ ウミヲワタリターイ と
小太鼓叩いて行進真っ盛りだった。
まあ、そんなボルドーも明日の朝でおしまい。特に観光せず、日本から送られてきたお仕事してます。
次の町はLIBOURNEリボーヌ。
フランス取材は、なんとか折り返しを迎えたのだった。