90 イギリス海岸(その２)

　”イギリス海岸(その１)”の続きである。

《1 イギリス海岸》(平成20年9月19日撮影)

《2 瀬川との合流地点を望む》(平成20年10月21日撮影)

川面に横に白い境目が見えるが、そこが瀬川との合流地点である。
　そこへ向かおうと思ったのだが
《3 イギリス海岸の泥岩層》(平成20年10月21日撮影)

が少し見えるので観察してみよう。
《4 泥岩層に埋まっている木片？》(平成20年10月21日撮影)

のようだ。
　以前から、『銀河鉄道の夜』を読んでいて「プリオシン海岸」のモデルはイギリス海岸であることは容易に推測できたが、この”プリオシン”とは何だろうと訝しんでいた。
　ところが、『宮澤賢治―四次元論の展開』(斎藤文一著、国文社)を読んで「プリオシン海岸」の”プリシオン”の意味を知って嬉しくなった。
　斎藤氏は同著で
　ところで、文中にはまた「プリオシン海岸」という語が出てくるが、これまた素晴らしい名である。彼は北上川のことを「イギリス海岸」と呼んで親しんでいたのだが、プリオシンというは、地質時代の名前のひとつで、鮮新世をさしている。この時代には、世界の海岸が後退し、また哺乳動物が分化し、大型化し、非常に栄えたといわれる。この時代、いまの北上平野は、それまでの海がしりぞき、海岸であったことが考えられている。そしてこの時代に、とりわけ人間が生誕しているのである。銀河の中の、もっとも美しい場所に、賢治は、あえて地質時代の、まさにとっておきの名称”プリオシン”を当てることで、彼の宇宙観を、科学的＝詩的にあらわしたのである。
と説明している。
　宮澤賢治の博覧強記ぶりにただただ呆れるとともに、私はもやもやもしていた気持ちがこれですっきりした。
《5 泥岩層で憩うセキレイ》(平成20年10月21日撮影)

　イギリス海岸沿いには
《6 遊歩道》(平成20年9月19日撮影)

があり、ここを遡る。
《7 瀬川との合流地点》(平成20年10月21日撮影)

に到着。
《8 これが瀬川》(平成20年10月21日撮影)

であり、瀬川では
《9 鮭の遡上》(平成20年10月21日撮影)

が見られるようになった。
　かつて北上川はある鉱山の鉱毒で黄色く濁っていてまさしく死の川だった。その鉱山も既に廃鉱となり、その後の県の鉱毒対策により清流を取り戻してしばらくになる。
　そのおかげで、北上川の上流、盛岡の市内を流れる中津川には鮭が遡上しているという嬉しいニュースが毎年報道されるようになったが、イギリス海岸でもそれが見られるようになった。
《10 イギリス海岸付近のマップ》(『イギリス海岸 案内図』より)

　イギリス海岸は瀬川で切断されているから、一度一般市道に出て小舟渡橋を渡る。
《11 小舟渡橋から見た瀬川との合流点》(平成20年12月10日撮影)

　この橋を渡ってそのまま市道を進むと間もなく
《12 イギリス海岸入り口》(平成20年12月10日撮影)

がある。
《13 イギリス海岸標識》(平成20年12月10日撮影)

《14 イギリス海岸》(平成20年12月10日撮影)

《15 〃 》(平成20年12月10日撮影)

《16 ガガイモの綿毛》(平成20年12月10日撮影)

《17 瀬川の岸まで戻る》(平成20年12月10日撮影)

《18 この先はかつては展望台》(平成20年12月10日撮影)

今は立ち入り禁止となっている。
《19 川上を望む》(平成20年12月10日撮影)

《20 ここにもガガイモの綿毛》(平成20年12月10日撮影)

《21 猿ヶ石川との合流点を望む》(平成20年12月10日撮影)

　猿ヶ石川との合流点をもっと近くで見てみようと思い、再度先程の市道に戻ってて道を上って行くと
《22 色とりどりの風車》(平成20年12月10日撮影)

《23 〃 》(平成20年12月10日撮影)

あり。
　この風車のあるところから土手ま下りていって眺めた
《24 猿ヶ石川との合流点》(平成20年12月10日撮影)

右が猿ヶ石川、左が北上川である。
　また、そこからの
《25 下流のイギリス海岸方向の眺め》(平成20年12月10日撮影)


　では、次は対岸に行ってみたいのだがそれは続きへ。

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