道端鈴成

エッセイと書評など

Pigeon Watching:脱官僚・依存の友愛外交

2009年12月01日 | Pigeon Watching
児玉博の「見えざる構図」

サウジ国王が出席を見合わせた理由
 UAEが当面4基の原子力発電所の導入を決定し、今まさに最終コンペを迎えている。同国の最高権力者である国王、アブドゥラー・ビン・アブドゥルアズィーズの出席も予定されていた完工式は、日本が国として日本の原発メーカーを売り込む絶好の機会であった。だからこそ、サウジアラビア国王に見合った政府特使の派遣が重要だったのである。結果から言えば、政府特使として国際的には全く無名の岩國がやってくることを知り、サウジアラビア側は国王の出席を見合わせてしまった。

当初、経産省が推したのは元首相の福田康夫だった
  当初、経済産業省が官邸に推したのは元首相、福田康夫。「自民党の“戦犯”の1人とはいえ、中東へのパイプは太い。現地でも名前を知られた数少ない政治家であり、やはり首相経験者という肩書きは重い」(経済産業省幹部)けれども、首相の鳩山由紀夫が選んだのは岩國だった。なぜ岩國だったのだろうか? 首相周辺から聞こえて来たのはこんなものだった。「鳩山さんとは古い付き合いで…。それに岩國さんから『海外を相手にしたコンサルタントの仕事をしたいからよろしく』と言われていたから、鳩山さんはその辺を考慮したらしい」。とても国策などとは呼べるようなものではなく、ただ単に鳩山の友人だからというのが、その理由のようだ。これぞ“友愛”ということなのか?普天間基地移設問題で米国の信頼を決定的に失っている鳩山内閣は中東でも個人的な理由だけで信頼を損なってしまった。

日経ビジネスOnline 11月30日

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