朱雀庵 のほほん京日記

源氏物語探訪改題。

日常の出来事など、気楽に発信していきます。

『すぐ死ぬんだから』

2019-03-01 09:10:23 | 本・映画

2月28日(木)小雨。内館牧子『すぐ死ぬんだから』(講談社)を読んだ。前作『終わった人』を読みそびれたので、本書は、すぐ手にした。最初に、思ったことは、、「遺言書を書こうと思ったことだ。巷には、書き方本が溢れているから、参考になるだろう。2年ごとに書きなおすのもよい。女性著者らしく、服装や髪形に関する記述多し。(小生には意味がわからなかった)

 


2015年 秋の古本まつり

2015-11-20 00:24:57 | 本・映画

2015.11.4(水)

『生命売ります』三島由紀夫 ちくま文庫読む。店頭ワゴンに積んであったので手にした。三島由紀夫43歳の作。亡くなる2年前。

自殺に失敗した男が、「死にたい」と考えた結果、「生命売ります」と新聞広告を出す。広告をみて『お客さん』が来る。契約成立し、生命を売り契約金を得るが、寸前で生命は失っていない。「死にたい、死にたい」と思っていると死ははじかれてしまう。覚悟するといおうか、腹がすわるといおうか、死は遠のいてしまう。

『金閣寺』『仮面の告白』のイメージと違い読みやすかった。『プレイボーイ』週刊誌に連載という性格かもしれない。jps機能についての記述は、作家三島由紀夫がこの時期予見していたのかもしれない。

10月25日 丸太町通りから北を望む

11月3日 百万遍 知恩寺 最終日に行くと当初の半額になっているのがある。従って、初日の一番に行って目当ての本を探す。次に、最終日に行って衝動買いなどしてみる、なんて妄想するのである。 

※ウインドウズ10にバージョンアップしたところ、ブログ更新に支障が出た。悶々とした日々を送った。ようやくマイクロソフト社と連絡出来、解決した。何のことはない、対応機種外だったのだ。元のバージョンにして解決した。「書く」ことのうれしさを実感した。


台風15号一過 天寧寺

2015-08-26 23:58:30 | 本・映画

2015.8.25(火)くもり。台風15号、九州北部を通過し日本海へ抜けた。二条駅の液晶モニターには、関西地方の鉄道、遅延。運転見合わせのお知らせが出ていた。

 

25日 寺町通鞍馬口 曹洞宗天寧寺。台風の影響か比叡山の頂上には雲がかかっていた。境内にはしだれ桜、もみじ、カヤの木と四季折々の風情が楽しめます。この風景、額縁にいれたようなので「額縁門」と云われています。

●大岡昇平『野火』新潮文庫読む。戦争下での飢餓の恐ろしさ。草、ヒル、ヘビ、カエルを食す。人肉、それも死んでいるそれではなく生きている人を殺して食す、こと。(食料は現地調達であった。)歩哨として、地形を判断する場面があるが、イメージとしてうかべることができなかった。

●映画『日本のいちばん長い日』観る。原田眞人監督 出演:役所広司 本木雅弘 松坂桃李 136分 大覚寺村雨の廊下、京都府庁、京都御苑が出ていて親しみが湧いた。阿南陸軍大臣(役所広司)の息子は戦死している。が最期の様子は不明。ある時、戦友がその最期を知らせに来る。夫人は夫大臣に知らせようとするが、中々出来ない。夜通し歩いて大臣官舎に着くが・・・。大臣は自決したあとだった。夫人は枕元で大臣に最期を伝える。この映画は家族の事が強調されていたように感じた。天皇陛下(本木雅弘)もアップでだされていた。以前の三船敏郎の映画では、天皇陛下は後ろ姿であったように思う。前の映画では、畑中少佐(黒沢年男)が、肩からケサ掛けしたベルトあたりを、汗だくにしながら自転車を漕いでいたシーンが印象に残っている。

 

 

 


2015 下鴨神社糺の森 古本まつり

2015-08-13 07:44:36 | 本・映画

2015.8.12(水)はれ。36℃、37℃の暑い日が続いていた。今日からようやく“落ち着いて“きた。13日は雨らしい。

下鴨神社 糺の森 古本まつり 早朝のため人出少なし。

瀬見の小川 カッーとした天気でなく曇り空なので散歩日和であった。土埃で靴が真っ白に。二玄社の法帖を買った。焼けてはいたが書き込みがなく新品のようだった。

下鴨神社から嵐山まで自転車で移動。嵐山はいつ来ても人が多い。ボウトも沢山でていた。

落柿舎あたりはのどかである。青柿は実をつけている。百日紅の紅がまぶしい。●『HERO』観る。ドレスアップした女の顔のアップ、おびえた表情、小走りする足元、明るい部分と暗い部分の対比、これらのシーンを観ていると、女は何者かに追われていると想像する。映画の冒頭である。映画はこんな方法で作れるからいい。北川景子は、初めての役でぎこちなさ、初々しさがでていた。松たか子は石垣島へ異動という。次作への布石だろうか。●『野火』観る。塚本晋也監督・主演。観るに堪えない、出来れば避けて通りたい、とおもった。頭が割れ脳みそが散っている、手や足が爆風でちぎれている、腹が裂けて内臓露出。このシーンは『戦艦武蔵』手塚正巳の機銃掃射の記事を想起する。ホッとするのは、緑の山々、移ろう雲、夕焼けのシーンだった。「火」を使う場面が多いと感じた。

 

 


神泉苑 満満と水をたくわえる

2014-07-06 07:03:41 | 本・映画

2014.7.5(土)

曇り。今にもふりだしそうな気配。7月も早、上旬となった。早いものである。月末は夏期休暇にはいるので、実質は来週かrの10日間が大事となる。充実した夏休みを過ごすため、今から計画実行していきたい。

 満満と水をたくわえた神泉苑。(7月1日)

神泉苑。平安時代に造営され、天皇が狩りなどをする庭であったという。二条城築城時に、削られて約10分に1の今の広さになったとのこと。

平安のむかし、西へ約200メートル行くと朱雀大路、さらに北へ約200メートルには朱雀門となる。(平安京図会)

このあたり、弘文院址、大学寮址、勧学院址の石碑があります。教育施設が並んでいたのですね。今は、立命大、佛教大、医師会館がならんでいます。神泉苑南には元教業小学校があります。この「教業」という字面も教育施設と関係あるかもしれません。

神泉苑といえば、12月31日大晦日に恵方祭事が行われます。唯一の歳徳神です。般若心経読経ののち、お寺の人2,3人で直径1メートルぐらいの小さな祠をゴシゴシとまわします。石臼を回すように。また、神泉苑は祇園祭発祥の地でもあります。

『戦艦武蔵』吉村昭 読む。「武蔵」建造過程がくわしく書かれている。巨大な戦艦建造を極秘にすすめる海軍。

 


六月 水無月 無病息災願う

2014-06-29 06:27:19 | 本・映画

2014.6.28(土)

くもり。折りたたみ傘をリュック入れておく程度。風あり。

小走りに軒先探す夕立(ゆだち)かな (su)  近頃は夕立というより、ゲリラ豪雨だ。

戦争はイヤだし、絶対にあってはならない。太平洋戦争で、日本軍南太平洋へどんどん進出、占領していった。ミッドウエー海戦を境に米軍が攻勢する。人間とは何か?虐殺、拷問は際限がない。本能や欲望として行動する。反面、「話会う」知恵を持っているのも人間だ。

『軍艦武蔵』(下)手塚正巳 読む。傾いて沈む武蔵。船腹をポロポロ滑り落ちる兵士。船腹にはカキがこびりついている。兵士は「大根おろし」のように手や足を削がれる。身の毛のよだつとはこのことだ。

一条通り烏丸 虎屋さんにて 緑さすこの風景は落ち着きます。時折、奥の桐の葉が揺れていました。

京の人が食すと云われる「水無月」、我も食すなり。甘さ控え、重量感ありいと美味なり。

 


六月 水無月 無病息災願う

2014-06-29 06:27:19 | 本・映画

2014.6.28(土)

くもり。折りたたみ傘をリュック入れておく程度。風あり。

小走りに軒先探す夕立(ゆだち)かな (su)  近頃は夕立というより、ゲリラ豪雨だ。

戦争はイヤだし、絶対にあってはならない。太平洋戦争で、日本軍南太平洋へどんどん進出、占領していった。ミッドウエー海戦を境に米軍が攻勢する。人間とは何か?虐殺、拷問は際限がない。本能や欲望として行動する。反面、「話会う」知恵を持っているのも人間だ。

『軍艦武蔵』(下)手塚正巳 読む。傾いて沈む武蔵。船腹をポロポロ滑り落ちる兵士。船腹にはカキがこびりついている。兵士は「大根おろし」のように手や足を削がれる。身の毛のよだつとはこのことだ。

一条通り烏丸 虎屋さんにて 緑さすこの風景は落ち着きます。時折、奥の桐の葉が揺れていました。

京の人が食すと云われる「水無月」、我も食すなり。甘さ控え、重量感ありいと美味なり。

 


『軍艦武蔵』(上) 手塚正巳

2014-05-28 05:57:59 | 本・映画

2014.5.28(水)

晴れ。外気高かれど薫風あり。過ごし易きなり。

『軍艦武蔵』(上)手塚正巳 新潮文庫読む

・昭和12年建造内命。昭和13年3月9日起工式、昭和17年8月5日竣工式。乗員2300名。7万トン級。

・乗員、「高さ10メートルの艦首より飛び込み競争する」「周囲600メートルを泳ぐ」

・三菱長崎造船所にて建造。極秘裡にすすめれれる。大艦巨砲主義者の方針による。「大和」が第一号艦、「武蔵」は第二号艦。勿論、航空機増備など主張する人たちもいた。

・昭和18年9月 「お荷物となりつつある。莫大な燃料を消費する」

著者が約10年かかって聞き取り取材したもの。ノンフイクション。海軍の生活。指揮官の生き様がなまなましく、下巻への展開がきになる。

『イングリッド・バーグマン』5月24日 京都府立植物園にて


『軍艦武蔵』(上) 手塚正巳

2014-05-28 05:23:55 | 本・映画

2014.5.28(水)

晴れ。外気高かれど薫風あり。過ごし易きなり。

『軍艦武蔵』(上)手塚正巳 新潮文庫読む

・昭和12年建造内命。昭和13年3月9日起工式、昭和17年8月5日竣工式。乗員2300名。7万トン級。

・乗員、「高さ10メートルの艦首より飛び込み競争する」「周囲600メートルを泳ぐ」

・三菱長崎造船所にて建造。極秘裡にすすめれれる。大艦巨砲主義者の方針による。「大和」が第一号艦、「武蔵」は第二号艦。勿論、航空機増備など主張する人たちもいた。

・昭和18年9月 「お荷物となりつつある。莫大な燃料を消費する」

著者が約10年かかって聞き取り取材したもの。ノンフイクション。海軍の生活。指揮官の生き様がなまなましく、下巻への展開がきになる。

『イングリッド・バーグマン』5月24日 京都府立植物園にて


司馬遼太郎 『播磨灘物語』(一)(二) 講談社文庫

2013-06-10 00:04:37 | 本・映画

2013.6.9(日)

はれ。梅雨に入ったとはいえ、カラッとした真夏のような気候だ。

司馬遼太郎の歴史小説には、「タクシー運転手」がでてくる。遠い戦国時代から急に現代に返って、(今)を感じる。「この時代」「要するに」もたびたびでてくる。時代を客観的に冷静に見つめている所以だろうか。ある人物を語るとき、三代さきから考察するのは、氏の方法論かもしれない。

トラック一台分の資料があったという。一巻に出てくる資料を記す。『寛永諸家系図伝』『寛政重修諸家譜』「益軒全集」『黒田家譜』『閑吟集』『一遍聖絵』『江源武鑑』『陰徳太平記』『人国記』『黒田家旧記』『紋章学』『別所長治記』『三河物語』 これらの資料を読み解き、背景を探るのだから、すごいとしか言いようが無い。

神泉苑にて。6月8日。紫陽花が急に咲いてきた。


『宮本 武蔵』(七) 吉川英治 講談社

2013-03-17 23:32:26 | 本・映画

2013.3.17(日)

晴れ。穏やかな一日。桜の開花が待ち遠しい。

戛々と  かつかつ 堅いもののふれあう音

楚々と  そそ    清らかで美しい

悄々   すごすご

漠々   ばくばく  広大な ぼんやりして

蜿々と  うねうね  えんえんと

亭々たる ていてい  木々、高くまっすぐそびえている

恟々たる   きょうきょう  びくびく どきどき

蕭々と  しょうしよう  ものさびしい

片々と  へんぺん    きれぎれなるさま

なだめ賺す  すか

蒲柳な体つき  ほりゅう    体質の弱い

一掬の情   いっきく

妖冶な花   ようや  美しくてなまめかしい

せんかんと水音を立て  水が流れるさま

わらわら帰ってしまった   ばらばら

一朶の白雲  だ    ひとかたまり

怒った魚のように、棘を立てて

皀莢坂   さいかち

膠もない  にべ   愛敬、思いやりもない にかわ

撥は二つ、音はひとつ   二刀流開眼。武蔵は神楽を凝視して気がついた

月ヶ瀬  伊賀上野城から近い?

一丈    一丈は約3m

山巒  さんらん  山岳んこと

可惜   あたら  惜しくも、惜しむべき

卒爾  そつじ   にわか、突然

窘める   たしな  苦しめる  悩ます

征矢   そや    戦闘用の矢

耳袋を養って   みみぶくろ

ブログを読み歩いていたら、小生の見た風景に出くわすことがある。よくよくみてみると、同じイベントであったりする。ニアミスもいいところ。京都は狭いと実感する。

『宮本武蔵』(7)では、このニアミスの妙味があった。以前の弟子の城太郎と今の弟子の伊織が出会う。城太郎の父とのニアミス。お通と伊織の関係。ドキドキする展開であった。

   3月17日、仁和寺東門にて。つぼみふくらむ、といったところか。今年は早いらしい。

 

 

 


『宮本武蔵』(五) 吉川英治 講談社

2013-03-13 00:13:52 | 本・映画

2013.3.12(火)

晴れ。日中穏やかな日和。風薫る初夏の雰囲気となる。

颯々 さつさつ  

霏々と砕けて ひひ 雪や雨が降りしきるさま

緩々たる  かんかん  ゆっくりとしているさま

滌々と雨の音 じょうじょう

恟々と   おどおど

淙々と咽び  そうそう むせ  水が音をたてて流れる

諄々と   くどくど

勃々と   ぼつぼつ

爛々と光る   らんらん

渺々として   びょうびょう  果てしなく広い

満々と      なみなみ

昏々       こんこん    意識の無い  よく眠っている

われ事において、後悔せず

婀娜な姿の女   あだ   色っぽい なまめかしい

からんとして空は青い

一敗地にまみれて   大敗する?

猿みたいに   ましら  ましらの語源多数あり 他の動物より知恵がマサッているから?

鳥目をおいて  ちょうもく  銭の異称 中央の穴が鳥の目に似ていることから

瞋恚の炎  しんいのほむら  炎のような激しい怒り、憎しみ

和田峠 小仏峠   中仙道最高峰峠 眺望よし 行ってみたいところである

寔に   まことに   ほんに いかにも

大根のような白い足    同様に ゴボウのような細い足、はどうだろう

おぞけをふるった   怖気  恐れる心

ぐの音も出ない  なんとも弁解の出来ないさま 「ぐ ぐう」苦しいときに発する声

求道の武蔵  弟子の城太郎と伊織 小次郎のねちっこい性格、細川忠利の文武両道、人事観 お通の泣き虫 お杉婆の矍鑠たる老人魂 又八の倦怠感 朱実の薄倖 これらの人物が江戸でニアミス、すれ違いとなる。小次郎との決闘の準備段階とも云える。

 

 

 

 


『宮本武蔵』(四) 吉川英治 講談社

2013-03-03 23:51:58 | 本・映画

2013.3.3(日)

晴れ。終日部屋に籠もりて書道稽古する。集字聖教序を臨書する。納得のいかぬことばかりなり。されど至福の時間でもあった。

恟々した  おどおど           自信がなくて。優柔不断。      

急々と   せかせか           落ち着かない そわそわした

猛々しく  たけだけ           荒々しい ものすごい

滴々    てきてき           しずくが滴り落ちるさま  

種々    さまざま いろいろ

蹌々    くらくら            よろめき歩くさま   

薫々    くんくん

嘈々    そうそう           声や物音が騒々しい

丁々    ちょうちょう

沁々    しみじみ

忌々しい いまいま

暢々    のびのび

耽々    たんたん

悄々    しおしお          元気の無いさま

怖々    こわごわ

漠々    ばくばく           むやみに広いさま

颯々    さつさつ

啾々    しゅうしゅう        すすり泣く うれい泣く

処々    しょしょ

酣の景色    たけなわのけしき     一番盛り上がっている 要酣の字の由来調査

笑靨        えくぼ

烏滸しい     おこがましい    烏と関係ありか

縹緻が踏める  きりようが踏める   器量よしのことか

伽羅の香り  きやらのかおり 最高級の香木のこと 武蔵は吉野太夫から、伽羅の香りの                       する文を届けられた。

木から落ちた猿も同様   身動きがとれない 類 陸へ上がった河童

逃げそびれた子猫     どのような状態? 要 調査

大廈の覆る          たいかのくつがえる   大廈とは、建物、大きな立派な建物。

『宮本武蔵』(四)に出てくる語句を書き出してみました。知らない字句が多くありました。来年度、未体験の部署になりそうです。不安で一杯です。武蔵は姫路城で3年間幽閉生活をしました。万巻の書を読みました。「暗黒窟」を「光明窟」にしました。あえて、この時期、『宮本武蔵』を手にして正解でした。元気が湧いてきます。(^。^)               


『幻影の盾』 夏目漱石 新潮文庫

2012-11-23 21:07:01 | 本・映画

2012.11.23(金)

過日知り合いの告別式に行った。76歳だった。心臓を患っておられたらしく、突然の死だった。隣の参列者が話す。「僕は心臓が悪くて、常にニトロを持っています。あちこちに分散して持っています。緊張していると自分でも解るのです」と言って、人差し指と親指をつけたり、離したりしてみせた。ニトロを飲むと瞬時に血管が拡がるのだそうだ。会場には、越路吹雪の『サントワマミー』が流れていた。歌詞を反芻しながら聞いた。彼女は、惣菜屋さんの女将だった。いろんな惣菜を食べ比べるのが楽しかった。家族で行った折、息子に誕生日祝いだといって、アイスクリームをサービスしてくれた。

死顔。僕の死顔はどんなのか、思う。人に見て貰いたくないと思う。母の骨拾いのとき、「ニワトリが餌箱をつっつく」ようだったこと、最後に火葬場の人が骨壷に詰め込んでくれるのをみて、私もあんなフウになるのかしらんと黙した記憶がある。

さて、『幻影の盾』(まぼろしのたて)。『虞美人草』を読んだら次はコレ、と思っていた。明治38年4月に「ホトトギス」で発表。明治38年1月には「ホトトギス」で『我輩は猫である』を発表している。

英国の旧家に伝わる「盾」。模様と刀キズのことはわかった。これを読んで解ったのは、難解な漢字が多いこと。漢検1級ものだと思う。

上 (じょうろう) 身分や地位の高いこと。 下

漣漪 (れんい)  細かく立つ波、さざ波。

俊鶻 (しゅんこつ)

縺れる (もつ)

獰悪 (どうあく) 性質などが荒々しく悪づよい。

羈絆 (きずな)

眼と髪は石炭の様に黒い

毫釐 (ごうり) きわめて少ない分量

つづきは次回とします。

 

 


『平 清盛の闘い』 元木泰雄 角川ソフイア文庫

2012-09-10 23:32:24 | 本・映画

2012.9.10(月)

1180年清盛は福原遷都を強行した。なぜ福原か。軍事的には、興福寺、園城寺、延暦寺に包囲された平安京は危険な都。福原周辺には平家の勢力に固められていた。背後に山、前は海という地形であったこと。政治的には、安徳の即位による高倉・安徳の王権の成立を目指した新王朝の新規造営であった。と元木氏は述べる。

ところが、僅か数ヶ月後、還都を余儀なくされる。その理由として、病状の高倉院の切望、延暦寺の要請、宗盛との激論、が考えられる。最もおおきな要因は、頼朝挙兵、富士川合戦の敗北にみられる東国反乱の追討と遷都の両立は困難と判断し、還都を決断したものと考えられる。と述べられている。

日記などの文献資料を読み解き、「平清盛」の人となり、時代背景を考察され、興味深く読んだ。難解な字句が多く、難しく感じた。難しいと思った字句を書き出しておく。諫死、対蹠的(たいせきてき)、ばんきょ、頤使(いし)、しょく銅、使嗾(しそう)、除目、大疵、(たいし)、諂諛(てんゆ)、さつだつ、践祚(せんそ)、こじゅう、正鵠を得る、劈頭を飾る、衆寡敵せず、嚆矢となる、しそきせん、目睫、凌れき、などです。