Sein und Zeit

失われていく何かを留めるための何か。きっと、それだけ。でも僕には、それで充分。

引越

2006-09-22 00:15:55 | 雑記:脳の中を外へ
Sein und Zeit、引越しいたしました。

 Sein und Zeit

時間に余裕がでてきましたので、定期的に更新していきます。
今後とも宜しくお願い致します。

エドワード・ゴーリー

2006-06-26 00:08:55 | 雑記:脳の中を外へ
あぁ、そうだ。
僕に現実(real)を教えてくれるのは、
いつだって超現実(surreal)だ。

2006-06-19 23:10:18 | 雑記:脳の中を外へ
2人の旅立つ者へ

振り返れ。
振り返ることは弱さじゃない。
振り返ることは罪悪じゃない。
仮に振り返ることに罪悪があるとするなら、
それは、振り返ることを罪悪であるかのように思わせることだ。
「もうあの頃には戻れない」なんて、
まったく当たり前の話だ。
あの頃に戻るために振り返るんじゃない。
あの頃の信念を、誇りを、
再び肉体に取り戻すために振り返るんだ。
振り返らずに進むことはない。
進まずに振り返ることはない。
進みながら振り返ればいい。
振り返りながら進めばいい。
肉体に信念と誇りを保ちながら、進んでいけばいい。
あの時と同じ信念と誇りである必要なんかない。
あの時の僕らの肉体に、
確かに信念と誇りが満ちていた感触を思い出せばいい。
だから、振り返れ。

願わくば、その肉体が信念と誇りで満ち溢れんことを。
願わくば、「あの時」が未来への糧とならんことを。

10年後ミトン(手袋?)

2006-06-10 16:47:13 | 雑記:脳の中を外へ
Q1.10年前、あなたはどんな人になりたかったですか?

 「どんな人になりたいか」ではなく、
 「どんな人になったら誰がどんな風に喜ぶのか」
 を考えていたような気がする。
 たぶん、これは今の僕にも少し通じていると思う。
 末っ子。

Q2.現在、10年前になりたかった自分になれてると思いますか?

 その意味では、なれてると思う。

Q3.10年前と比べてあなたは何を得ましたか?

 根拠を述べる技術/言い訳上手
 判断する技術/わがまま
 美徳/マニアあるいは趣味偏向
 自己を誇示する技術/僕が、僕こそが

Q4.10年前と比べてあなたは何を失いましたか?

 失ったものは、失っているから、わからないし、
 失っていたとしても、それは現在の礎だと思う。

Q5.10年後、あなたはどんな人になりたいですか?

 51%の満足を得ている人。

Q6.でも現実を踏まえると10年後の自分はどうなってると思いますか?

 86%の満足を得ている人。

Q7.10年後、なりたい自分になるために必要なものって何だと思いますか?

 退屈な日。

Q8.10年後、なりたい自分になるために
  捨てなきゃいけないものって何だと思いますか?

 35%の満足。

Q9.10年後の自分に一言お願いします。

 10年後の君を、今と変わらず、愛しているよ。

Q10.このバトンを回す人の10年後を予想して、3人お願いします。

 そして、バトンは途絶えた。

残された香り

2006-02-27 00:41:00 | 雑記:脳の中を外へ
京の2月は穏やかで、
新幹線の乗車前と乗車後の気温の差で
季節を3つくらい戻ったような気がする。
JR線に乗り換えて、
僕の友人が昔に住んでいた駅で降車する。
小さな駅だったし、加えてバス移動が多かった僕は、
あまりこの駅を利用したことはない。
目の前にある大きな電気屋は、
知らない内に赤い看板が緑になっている。
僕がまだこの電気屋を利用していた頃から、
この電気屋は経営が文字通り赤だったらしく、
最終的に緑になったのは看板だけだったようだ。
当時は鬱陶しいだけだったテーマソングを思い出して、
その無茶苦茶な歌詞を少しだけ懐かしむ。
ここからならタクシーでも初乗料金で済むだろうと思い、
愛着のあるMKタクシーを選んで乗車する。
目的地が少しずつ近づく。
6年間見続けてきた景色が広がる。
僕は少し歩きたかったので、
目的地より徒歩10分ほどの場所で降車する。
ほんの少し歩くと、
最高の珈琲でもてなす最高の喫茶店見える。
何度も寄ろうか寄るまいか悩んだが、
ここへは妻と来ないと意味がないような気がしたので、
マスターが元気でやってることだけ横目で確認する。
陽気にグラスを拭いている横顔がある。

細い路地を抜けた先にある「東門」に、
「おかえり、304851の卒業生の内の1人」と言われたような気がした。

まったく当然のことなので、
あまり大きな声では言えないが、
僕の目的地はやはり存在した。
僕が6年を過ごしたこの場所は、
僕がいようがいまいがお構いなしに、
この場所にあり続けていた。
例えば視覚で言うならば、
そこにあるものが反射する光を、
僕の水晶体の奥に構える視神経が受け取り、
そこにあるものを「そこにある」と僕に思わせる。
ところが、僕が観測せずとも、
この場所はこの場所にあり続けた。
そのことに、馬鹿げているが、驚いた。

だが、僕がこの場所を観察していない間、
この場所の時が止まっていたならば、
あるいはこの場所が存在していなかったなら、
僕はそれに満足したのだろうか。

ある友人と再会した。
元来の面倒臭がりの僕が、
自分から連絡を取った人の1人だ。
懐かしの学舎の前で話しながら煙草に火をつける。
彼もそうしようとして取り出した煙草は、僕と同じ銘柄だった。
今となってはあまりにも有名になってしまった煙草、BlackStone。
彼は「影響を受けまして」と言っていた。
僕がいなくなったこの場所で、
僕の代わりにBlackStoneの香りを、
彼はこの場所に留めておいてくれていた。
それが無性に嬉しかった。頼もしかった。心強かった。
一方で、僕の残したものが確かにここにあったことが、
僕のくだらない自尊心を満足させると同時に、
それがくだらないことにも気付かせた。

彼は今年で卒業になる。
もう僕の知る限りでは、BlackStoneの香りを残す者はいない。
だが、そんなことはもう、どうでもいい。

 追記:
  突然の帰郷にもかかわらず、
  多くの皆さんに出迎えて頂き、
  本当にありがとうございました。
  また、会う日まで。