目指せ!ツール・ド・モンブラン。

フランス・イタリア・スイスを巡る旅「ウルトラトレイル・ド・モンブラン」UTMB他大会やハワイトレイル、国内のラン旅など。

CCC体験記~Rさん02~ ウルトラトレイル・ド・モンブラン2009

2009-11-15 | →UTMB & CCC体験記
2009年度大会では30名を越える日本人がツールドモンブランを走りました。
美しくも厳しいモンブランの旅。そんな旅のドラマを紹介します。

今回は機会あって知り合った方々にお願いして完走記・体験記を寄稿いただきました!
その中からCCC98Kに出場したランブラー(R)さんの完走記をご紹介します。

レースを終えて、今回の大会を振り返っていただきました。
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ランブラーさんのCCC完走記 ダイジェスト版





以下は、大会を振り返ってのまとめです。

CCCに参加した時点ではウルトラ級の大会を走った経験はOSJおんたけ100kのみ。
海外初レース、そして累積標高の厳しいコースで完走ができた事は
嬉しいというよりはホッとしたという感想の方が大きかったです。
というのは、4月中旬から5月いっぱいは仕事の都合で、
休日が一日も無い状態でジョギングすら出来ず、普段のトレーニングを
再開できたのは6月中旬からでした。

まわりのトレイルラン仲間の間では、一緒にCCCに参加する仲間の中で
一番心配されていたのは自分だったと思います。

先にも書きましたが、youtubeの映像を観て、この綺麗な自然の中を
走ったらさぞや気持ちよいだろうという衝動に駆られ、実力を省みず
勢いで参加しました。(時には勢いは必要と思いますが)
もちろん、そういった想像以上に絶景な所はたくさんあります。

しかし、日本の大会にはない累積標高を持ち、平均高度も高く、
今までに感じた事がない程苦しめられました。終わった後は全身が炎症に
なったように熱を持って、二日間寝ても何度も目が覚める状態でした。
景色の綺麗なコースを走りたいという思いも、「それなりの力」がないと
楽しめない事を痛感しました。

             □ ■ □ ■ □ 

この大会は、走るよりは山を登っている時間の方が圧倒的に長いです。

ULTRA "ENDURANCE" TRAIL DU MONTBLANCが正しいタイトルだと思いました。
走る部分より登山する部分が多いということは、「登山力」が問われる大会です。
今年挑戦した屈強の日の丸ウルトラランナー達の半分が無念のリタイヤに追い込まれたのは
走力ではなく、登山力が上手く機能したかどうか?だったと思います。

自分がトレイルラン経験やウルトラ経験や調整が不足ながら完走できたのは、
先に登山から入った事が有利に働いたと思っています。



登山力というのは、山を登る能力、長く歩く能力、昼夜を通して行動し続ける能力、
強い胃袋、高地への適応力、めまぐるしく変わる天候の変化、寒暖差への適応能力、
…そういった山で起こる全てを想定し、肯定し、好きになる。
そういう力だと思います。

             □ ■ □ ■ □ 

Kさんのレポートでは、
”フルマラソンを4時間半未満で走れて、山歩きの好きな人なら完走できる”
と書いていますが、”山歩きの好きな人”がサラっと書かれていますが、
これが先に書いた「登山力」を指す部分だと私から(おせっかいにも)補足しておきます。

Kさんは長い登山歴からそれがあって当たり前の人なのでサラッと書いているだけです。

もしフルマラソンを4時間半未満で走れる能力でOKであれば、今回はみんな
完走できていたはずです。

CCCをゴールしての感動は一瞬でした。
その後、脚を引きずってホテルに帰った時、
自分には「登山力」がまだまだ足りないことを真っ先に思いました。
これが次(UTMB)への課題となりました。

             □ ■ □ ■ □ 

今回CCCに参加して、いくつものモンブランの山々を巡りました。
それにより「山の美しさ、山の魅力」を再確認し、
ここ1年トレーニングとしてのトレイルランばかりをしてきたので、
純粋に「山を巡る旅」が無性に恋しく思いました。

トレイルラン大会でありながら、
最初に山歩きを始めた時の原点の気持ちにもう一度帰れた旅でした。

また、日本の山の持つ魅力(繊細さ、奥深さ)を再確認しました。
モンブランはモンブラン、日本は日本。それぞれの山の素晴らしさがあります。

そして、この大会は景色が良いのは当然ながら、
人の優しさ、人間の強さ、仲間との友情(特にPTLチームのゴール)、家族の愛
の素晴らしさを随所で感じることができる大会です。

それらはこの大会に参加しているランナー、スタッフ、応援者、街の人々が
一体となっているからこそ感じられるものです。

まさにトレイルラン大会の究極の形がそこにあります。



NHKワンダー×ワンダー「激走モンブラン!」で紹介された
70歳ランナーの最後のゴールをその場で見ていました。
真の「魂の走り」とはどういうものか?を見せ付けられ、衝撃を受け、
震えるほど感動しました。
彼のように人生を賭けてもその価値がある程の大会だと思います。

             □ ■ □ ■ □ 

最後に、この素晴らしい大会に参加し、この旅が出来たのも、
CCC参加に向けて共にトレーニングをしてきた仲間達と、
一般人UTMBランナー経験者としての様々な情報やノウハウを惜しみなく
公開し、モンブランに導いてくれたKさんの協力があってこそです。
この場を借りて改めて御礼をしたいと思います。
ありがとうございました。

そんな仲間達と過ごせたシャモニーでの1週間は本当に幸せな日々でした。


次回はランブラーさんとの一問一答集。そしてGOODS解説!


ランブラーさんのCCC完走記 ダイジェスト版


ランブラーさんのブログ「夜明けのランブラー」UTMB(CCC)レポート①~③
UTMB(CCC)レポート① START~Arnuva(26km)
UTMB(CCC)レポート② Arnuva~Chanpex-Lac(55km)
UTMB(CCC)レポート③ Chanpex-Lac~Chamonix(GOAL)(98km)



Kさんの完走記(UTMB)
Hさんの体験記(UTMB)


※ルートMAPはウルトラトレイル・ド・モンブラン公式サイトからのものです
※レース中の画像はランブラーさんにご提供いただきました。ありがとうございます

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