元ザ・フォーク・クルセイダーズのメンバー
はしだのりひこさんが亡くなった。
最近はすっかり姿を見かけることがなくなっていたが
やはり闘病中だったと言う。
関西フォークを代表する
まさに「伝説のグループ」だったと言っていい。
京都府立医大の北山修、龍谷大学の加藤和彦、そして同志社出身のはしだ。
三人三様の個性が溶け合いぶつかり合い
１９６０年代後半～７０年代のフォークブームを牽引した。
私も学生時代は京都だったので
デパートの屋上で歌う三人の姿を何度か見かけたことがある。
まだアングラぽい雰囲気を漂わせていたが
ノッポの加藤、チビのはしだ、哲学者風の北山のコンビは
ビジュアル的にもインパクトがあって
当時からその音楽性は高く評価されていたように思う。
空前の大ヒットとなった「帰って来たヨッパライ」はもちろん
二枚目のシングル「悲しくてやりきれない」も
そして、発売自粛となった「イムジン河」も印象に残る曲だった。
中でもはしだのりひこの
ちょっと鼻にかかったような独特のやさしい声は
愛称の「フォークル」にピツタリだった。
朝鮮民謡が原作の「イムジン河」は南北分断の悲哀を歌った曲だが
その後、井筒和幸監督の映画「パッチギ！」の主題歌となり
あらためて聴いても胸にジーンと来る名曲だった。
はしださんはフォークル解散後も
はしだのりひことシューベルツ、はじのりひこと「クライマックス」と
新たなグループの結成と解散を繰り返しながら
「風」や「花嫁」など数々のヒット曲を飛ばして存在感を示した。
見るからに童顔のとっぼいニーチャンだったが
あの歌声は古き良きフォークソング時代を象徴するような
私にとっては懐かしさにあふれている。
享年７２歳。
いい曲をありがとう！
心からそんなねぎらいの言葉を贈りたい。
