空蝉ノ詩

蝉は鳴く。地上に生きる時間は儚く短い。それでも蝉は生きていると。力の限り鳴き叫ぶ。私も今日、力の限り生きてみようか。

82編 「帰る家」がある

2017-07-18 08:15:05 | ひとりごと
「帰る家」がある

昔人間の棲む(住む)家は、
居間の真中には炉(いろり)があり、
それを囲むように家族が座わり団欒や食事を摂っていた。
昔も現代も人間にとって
「家」は家族の“ぬくもり”を意味する。
鳥類は自由に大空を飛んだあと「巣」に帰る。
人間も鳥類と同じく巣を求め「家路」を急ぐ。
高見順の詩集『死の淵より』のなかに
「帰る旅」
という詩があり、
その詩の書き出しを紹介しよう。


「帰る旅」 

帰れるから
旅は楽しいのであり
旅の寂しさを楽しめるのも
わが家にいつかは戻れるからである
だから駅前のしょっからいラーメンがうまかったり
どこにもあるコケシの店をのぞいて
おみやげを探したりする 


帰れる家があるから、旅は楽しいのである
人間たまには贅沢をし、
素敵なホテルに七日間も滞在したら、
食事も部屋の装飾にも飽きがきてしまい、
家が恋しくなってしまう。
沖縄や九州など遠い旅に行き、
帰り路上野駅に着き、
「この始発電車に乗れば南陸奥駅に着く」という気持ちになる。
南陸奥駅に着き、いつも見ている駅前の風景なのに、
何故かしら風景が懐かしく感じる。
いよいよ自宅に着く、玄関の鍵を開ける。
薄汚れた居間の壁や天井の染みであっても、
豪華なホテルにはない「心の安らぎ」を感じ、
ホットした気持ちになり、
「我が家がいちばんいい」のである。
「帰る家」がある、
「帰る家」には

私を待ってくれる家族がいる 

駅前の風景を懐かしく感じたり
帰る家に 心の安らぎを感じるのは
いずれも 私の心や体の一部になっているもの・・・
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