止まらず一歩

何かをさがして
舞台を増やしたり変えたりしながら
それを残していこうと思います

数学者が変える?=青野由利

2017-07-01 08:13:13 | Weblog
(毎日新聞2017年7月1日)

   もちろん、科学と政治は無縁ではない。米国のトランプ政権に
  科学者が大反発しているのは、ご存じの通りだ。
   温暖化を「でっちあげ」といい、パリ協定離脱を宣言。気候変
  動のデータや情報が消去されるのでは?という心配は、米環境
  保護局のウェブサイトで現実のものとなったようだ。 来年度の
  予算教書では、気候変動がらみだけでなく、医学研究、地球科
  学などの予算削減を発表した。科学者との対立はおさまりそう
  にない。
 
   それに引き換えフランスのマクロン新政権は科学者とは相性
  がよさそうだ。
   科学研究予算の増額や、大学自治の強化を打ち出し、女性
  科学者2人を閣僚に指名している。海外から研究者を呼び寄せ
  るプロジェクトも提案。 英科学誌ネイチャーは「大統領選の結
  果に科学者は胸をなで下ろした」という記事を載せていた。
  さらなる話題はパリ在住の数学者、43歳のセドリック・ビラニさ
  んが、マクロン氏率いる新党「共和国前進」から国民議会選挙
  に出馬し、悠々と当選したことだろう。
  数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞を7年前に受賞。
  「シルクの大きなちょう結びネクタイにクモのブローチ」という奇
  抜なファッションで一般の人に数学の魅力を語り、人気を集めて
  きたスター科学者らしい。
  6月に米科学誌サイエンスが載せた「トップ数学者がマクロン革
  命に参加」の記事では、研究資金の効率的配分や大学改革な
  どいろいろ語っていたが、個人的に注目したのはこれ。 「私の
  目標は科学だけではない。科学の専門性を生かし社会に貢献
  すること。今の政界はそうした素養がほぼゼロだ」という発言だ。
  言い換えれば
  『既存の政治に科学的思考がまったく欠けている』という指摘だ
  ろう。

   振り返ってみれば、日本の政治はまさにそれ。
  加計学園問題から「共謀罪」法、稲田朋美防衛相の問題発言
  まで、論理も根拠も事実も、当事者はどこ吹く風だ。
   そういえば米国でも、大統領の反科学に危機感を抱き政界入
  りをめざす科学者やエンジニア向けの講座が盛況、という話を
  特派員が紹介していた。
  企画したNGOの創設者が「政界で科学者が一定の勢力を持つ
  ようになれば、事実に基づく政策決定ができるようになる」と語っ
  ていたが、同感だ。
  もちろん、今いる政治家が科学思考にめざめてくれるなら、それ
  に越したことはないけれど。(専門編集委員)
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