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消費税収19兆のうち6兆が大企業に還付

2017-07-13 09:11:53 | Weblog
<消費税も法人税も払わない! 大企業、優遇の実態>
(07/12 神樹兵輔=マネーコンサルタント)

■大企業とマスメディアはなぜ「消費税率アップ」に反対しない?
  2014年4月に消費税率は5%から8%に引き上げられました。
  15年10月にはさらに10%へ引き上げ予定でしたが、17年4月へ
 と延期し、さらに昨年には19年10月まで2年半延期すると安倍晋
 三首相は表明しました。
  世界経済の不透明感が増していることなどが理由でしたが、
 いまだにデフレから脱却できないアベノミクスの大失敗が、景気
 の腰折れで決定的になることを避けたかったからにほかならない
 でしょう。 なにしろ消費税率アップは、小売業をはじめ一般消費
 者への影響は甚大だからです。
  政府・財務省は、将来の社会保障の財源を確保するうえで、所
 得税や法人税の増税は適切ではなく、負担の公平性からも消費
 税率を引き上げることこそがベストと強調してきました。そして、
 財界や大手マスコミも消費税増税はやむなしのポーズを決め込
 んできました。
  輸出業中心の財界にとっては、消費増税は大きなメリットがあ
 るから当然でしょう。 つまり、非常に不公平なカラクリによって、
 莫大な権益を享受しているのが輸出大企業だからです。
  また、大手マスコミも消費増税でうかつに政府に楯突くことはで
 きません。これまで政府から戦後に国有地を格安で払い下げて
 もらい、テレビ局放送免許を独占的に付与され、激安の電波料で
 儲けさせてもらっているからです。さらに経費で飲み食いしても
 「取材上の交際費は非課税」と処理しているので、下手に消費増
 税に反対して業界の談合体質を突つかれたり、財務省から経費
 水増しの常習ぶりを税務調査で暴かれると大変だからです。
 過去にもマスコミの申告漏れや所得隠しの脱税は多数あったの
 で、再び追及されることは避けたいところでしょう。
  財界と大手マスコミは、もともと広告宣伝関係でがっちりつなが
 っています。特権階級同士は、「阿吽の呼吸」で政府と一枚岩に
 るゆえんなのです。

■輸出が主力の大企業は消費税を払っていない?
  これまで日本では、「欧米と比べ消費税率が低いから上げる」と
 いう論理が支配的でした。
  しかし、欧米では食料品など生活必需品が非課税になるなど、
 所得の低い人には負担のしわ寄せがいかないような工夫があり
 ます。 日本では、何から何まで一網打尽に消費税を徴収します
 から、現行の8%でも生活者の実質的負担は欧米以上に高いの
 です。逆進性が高く、所得再分配機能も働かない租税立法上の
 「応能負担原則」にも反します。所得が低く貧しい人ほど、日常生
 活は苦しくなるわけです。
  しかも、輸出で稼ぐ大企業には輸出還付金制度という特典があ
 ります。これは、海外販売分では消費税が発生しないことを理由
 に、仕入れの際に支払った消費税分を「輸出戻し税」というかたち
 で還付される制度です。これにより、部品材の仕入れの際に子会
 社や下請けに「買い叩き」をしても、国から還付金を得ることがで
 きます。
  消費税が5%だった時にも、例年3兆円強が大企業に還付され
 たため、消費税収の毎年10兆円が国庫に入る時には、7兆円弱
 になっていました。 
  一方、下請けの中小企業は大企業向けでは納品価格に消費
 税分を載せられずカットされるため、納品価格の内税分の消費
 税を払うことになります。消費税は赤字でも払わなければならな
 いため、中小企業は青息吐息です。
  消費税率5%だった2010年度の大企業の推定還付金は以下の
 通りです。
  ・トヨタ自動車 : 2200億円強
  ・ソニー    : 1100億強
  ・日産     : 1000億円弱
  ・東芝、キャノン、ホンダ:700億円台
  ・パナソニック、マツダ :600億円台
  ・三菱自動車工業:  500億円台
  ・新日鉄    :  300億円台
 そして消費税率が8%の15年度には、トヨタが3633億円、日産
 が1546億円などで、消費税収19兆円のうち還付金額は6兆円に
 膨らんでいます。 消費税収19兆円でも、国庫の実収はたったの
 13兆円なのです。 消費税率がアップするほど、輸出大企業は払
 ってもいない消費税の還付で儲かります。まるで輸出奨励金なの
 で、そのうち米国トランプ政権も目をつけてくるでしょう。
  そして大企業にとって税金でトクをする状況は、消費税だけに
 限った話ではありません。法人税もろくに払っていないのが実態
 なのです。

■大企業の法人税実効税率は高くない
  大企業もマスコミも「日本の法人税実効税率は高い」と唱え、安
 倍首相も16年度に30%を切る29.97%にして、2018年度には
 29.74%にするとしていますが、大企業の多くはこの実効税率をま
 ともに払っていません。なぜなら、企業にはさまざまな減税措置が
 あるからです。
  国税庁が公表した13年度の「資本金階級別の法人税(国税)の
 状況」によれば、実質的な法人税率は以下のようになっています。
  ・全企業平均 = 15.66%
  ・資本金1000万円以下の単体法人 = 13.6%
  ・資本金1000万円超1億円以下の単体法人 = 17.6%
  ・資本金1億円超10億円以下の単体法人 = 22.3%
  ・資本金10億円超の単体法人及び連結法人 = 14.6%
    (うち資本金100億円超の単体及び連結法人 = 13.6%)
 資本金100億円超の大企業と資本金1000万円以下の零細企業
 が、たったの13.6%という同じ税率なのです。これに地方税7.38%
 を加えても、法人税実効税率は20.98%にしかなりません。
 これは13年度の実績として国税庁が公表したものですが、実際
 には16年度から法人税の実効税率は表向き29.97%と、13年度
 (34.62%)と比べ4.6%も下がっていますから、16年度なら資本金
 10億円以上の大企業は、実質的な法人税負担率は10%さえも
 切っている可能性があります。

■世界の中で日本の法人税実効税率は低水準
  世界の法人税実効税率は、表向きは以下のような順番になっ
 ていますが、少なくとも日本の場合は、実際の税負担はさらに
 10%前後は低いと言えるのです。
   米国38.91%、フランス34.43%、ベルギー33.99%、
   ドイツ30.18%、オーストラリア30%、メキシコ30%、
   日本29.97%、ポルトガル29.5%、イタリア27.81%、
   オランダ25%、韓国24.2%、アイスランド20%、トルコ20%、
   イギリス19%、チェコ19%、ポーランド19%、ラトビア15%、
   アイルランド12・5%
 日本の29.97%から10%前後を差し引くと、実質的な負担率は
 法人税が低いといわれるイギリス、チェコ、ポーランド並みとなり
 ます。

  消費税引き上げ分の負担を家計に押し付け、大企業には消費
 税に加えて法人税も大まけして、与党は大企業から政治献金の
 見返りをもらうという構図なのです。
  こうした大企業に与えられている法人税の軽減特典は、ざっと
 挙げれば「連結納税制度による所得金額の減少措置」「受け取り
 配当金の所得不算入」「外国子会社配当金の所得不算入」「所得
 税額控除」「外国税額控除」「試験研究費税額控除」などがあり
 ます。大企業ほど特典が多数あります。そして大企業は正社員
 を減らして非正規雇用を激増させ、人件費を削って内部留保(利
 益剰余金)も膨らむ一方です。
 「日本の法人税の実効税率は高い」という嘘を垂れ流してきた
 マスコミや大企業、政府与党の罪は重いのです。
 法人税率は、これ以上下げる必要はありません。そして、大企業
 経営者などの金持ち優遇策で引き下げてきた累進所得税率を上
 げ、とっとと消費税は廃止すべきです。
           (文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)
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