コルネット・ヴァイオリンは電気的な録音方法のない時代の旧式吹き込みに盛んに使用されたラッパ付のヴァイオリンで、日本の古い文献には明治四十年に岩井貞麿によって発明されたとありますが、その真偽のほどはわかっていません。
音響的な改良を試みたと思われるヴァイオリンも数多く残されています。ドイツ、フュッセンにいたヨハン・アントン・ゲドラー(1720-1790)は外形が波状になったヴァイオリンを製作しています。おそらく彼は、楽器胴体内の共鳴音をより乱反射させるために考え出したのではないかと思われます。
19世紀に入って物理学・音響楽が発達してくると、その分析に基づいたヴァイオリンがフランスの海軍将校フランソワ・シャノー、あるいは物理学者立ったフェリックス・サヴァールによって考案されました。