セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

口下手

2016年10月17日 02時38分02秒 | クエスト163以降
久々にお話書いてみたらかなりこっぱずかしくなってしまったようなのではぐれメタルのように逃亡したいです〜な短めイザ女主話。心の中の思いを伝えるって、スキスキとかだけじゃなく感謝とか苦しみとかを相手に自分が思っている量そっくりそのまま的確に伝えるって、とっても難しいことですよね〜。心の中は、数値や形に今現在のところしにくいですから。どちらかと言えば全く伝わらなかったりすれ違ったりするし。伝わらないのは結局ボキャブラリーや気持ちの量の問題というより、伝えようとする意志と相手側の受け入れ姿勢が重要なのかな、書きながらそう思ったりしました。最初部分は女主モノローグ風ですが特に深い意味は無いです。

「おまえが、愛しい・・・」
 こう囁いてもらったときに心に溢れる私の愛しさを、幸福を、思っているそのまま伝えられたらいいのに。だけれど、実際に返せる言葉は、小さな声で「私も・・・」これくらいになってしまうことが多くて。想いは、目に見える大きさにも触れられる重さにもできないから、どれほど好きで愛しくても、言葉にしてしまえば「大好き」「愛してる」同じ言葉になってしまう。
 愛しさが星のオーラのように目に見えるものなら、愛しすぎて伝えきれないという悩みは、無くなるのだろう。・・・きっと他の悩みが増えてしまうのだろうけれど。

「・・・私、もっと上手に、イザヤール様のことが好きで愛しくて堪らない、って伝えられればいいのに、そう思うことがあるの・・・」
 その愛しいひと本人のぬくもりに包まれながら、ミミは呟いた。
「自惚れかもしれないが・・・伝わっているつもりだぞ」イザヤールは彼女のほんのり染まった耳朶に唇を寄せて、囁く。
「自惚れなんかじゃないよ、イザヤール様・・・でもね、心の中のキラキラとかあたたかさとか、狂おしい熱とか、その他たくさんの幸せな想いを全部伝えようとしても、言葉にしてしまうと、とっても大好き、とか、すごくすごく愛している、とか、そんなふうにしか言えなくて・・・。詩とかみたいにするのも、なんか違う気がするの・・・」
 それがもどかしくて、ちょっと悲しい・・・。そう瞳を潤ませたミミの頬を、大きなあたたかな手が優しく包んだ。
「ああ、そう思ってしまう気持ちはわかるような気がする、私とて決して雄弁な方ではないからな。・・・だがな、声に出す言葉だけが、伝える手段ではないぞ。・・・おまえはちゃんと、伝えてくれている・・・」
 イザヤールは、顔を彼女の顔の正面に戻して、陰影を更に深くして煌めく濃い紫の瞳をひたと見据えた。そう、そんな限りなく優しく、熱を湛えた綺麗な瞳で見つめてくれているから。
「よかった・・・。私、お喋りがあまり上手じゃないけれど、目は、ほんの少しはお話上手?」
 それを聞いて彼は思わず笑ってから、真顔になって頷いた。
「ああ、目だけじゃないがな」
 溶け合うぬくもりも、すっかり委ねてくれているやわらかな身体も、同じ速さを刻む鼓動も、何もかも。
 もう一度、よかった、と呟いて、ミミは花が開くような笑顔を浮かべる。そう、その幸福な微笑みも。そんな笑顔を向けられる幸運の喜びを言葉にする代わりに、イザヤールはその微笑みの主をきゅうと抱きしめた。

 お互い口下手でも、大丈夫。だがそれでも、天使だった長い歳月に伝えられなかった分、これからも声にも出して思わず言ってしまうのだろう。あなたが、おまえが、愛しい、と。〈了〉
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