セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

命懸け天気占い

2016年11月05日 18時46分25秒 | クエスト184以降
また更新たいそう遅くなりましてごめんなさいでございます〜の追加クエストもどき。書いてる途中でうっかりかなり消してしまったのも遅れの一因でごんす・・・。攻略本のおしゃれカタログをぱらぱら見て思いついたどあほなネタでお送りします。そんなんで天気当たるんかーい!それでいいのか?!とツッコミが入りそうな占いに巻き込まれるお話です。相変わらずの超ご都合主義!イザヤール様の出番無しと思いきや、最後の方に登場しておいしいとこを持っていきしかもムダにイチャイチャしております。

 秋の天気は変わりやすいと言われている。農業や日常生活にはもちろん、悪路や危険地帯を歩くことが多い冒険者たちにとっても、天気の急変を読めることは必要不可欠な能力だが、そんな彼ら泣かせの時期でもある。
 ここにも一人、急な秋雨に戸惑う冒険者が居た。セントシュタインとベクセリアの国境の関所に届け物を頼まれたミミである。いきなり降る秋雨ってけっこう冷たくて、雪より厳しい場合もあるんだよなあ・・・と、彼女は深くかぶったフードの下から空を見上げながら思った。熟練冒険者として雨くらいではもはや動じない彼女だが、今は水分に弱い届け物を運び中なので、念のための防水梱包はばっちりとはいえ少々心配だったのである。
 その後届け物は無事先方に渡して、濡れたマントは重いが心は軽くミミは帰路に就こうとした。帰りはルーラを唱えて城下町入り口までひとっ飛び、後はリッカの宿屋まで走って、温かいバスタブに飛び込むだけだ。
 だが、ルーラを唱えようと外に出たそのとき、雨音に混じって、遠くからかすかだが怪しい音が聞こえてきた。ズシン、ズシンと、地響きのように聞こえる。ゴーレムかギガンテスかうごくせきぞうが不規則に足踏みをしている、そんな感じの音だ。不審に思ったミミは、関所の中に引き返して、兵士たちに尋ねてみた。
「あの・・・変な地響きのような音が聞こえているんですけれど、何かご存知ですか?」
「地響き?さあ?」
 兵士たちは首を傾げて、ミミについて外に出てきた。だが、彼らが外に出ると、音は止んでいた。
「あれ?確かにさっきは・・・」
 ミミが慌てると、兵士たちは慰めるように言った。
「大丈夫、ミミ殿が嘘をついてるなんて思いませんよ。後で、周辺を調べてみますよ」
 ミミは兵士たちにお礼を言って関所を出たが、ぽかぽかお風呂はもう少しおあずけにすることにして、先に調べてみることにした。

 雨は小降りになっていたので、ミミはフードをかぶり直して関所から音の聞こえたとおぼしき方向に歩き始めた。すると、しばらくして再び先ほどの怪しい地響きのような音が聞こえてきた。先ほどは巨大モンスターの足踏み音だと思っていたが、近付いてきた状態で聞いてみると、何か重い物が地面に落下している音のようだ。
 やがて、雨の平原に、何人かの人影が見えてきた。あ、誰か居る、とミミが思うのとほぼ同時に、誰かが叫んだ。
「危ない!」
 ミミは頭上から何かが降ってきたことに気付いて、素早く身をかわした!降ってきたそれは、重い音を立てて地面にめり込んだ。それを見てみると、どうやら「てつゲタ」らしい。
「す、すみません、大丈夫でした?」
 そう言って駆け寄ってきたのは、占い師風の格好をした女性だった。他の人々も、男女入り混じっているが、全員占い師風の服装だ。
「はい、大丈夫ですけれど・・・何をされているんですか?」
 ミミが尋ねると、女性は胸を張って意気揚々と答えた。
「天気を占っています!」
「え?!」
 思いがけない答えにミミが戸惑うと、女性はミミに他の者たちがしていることを見せて説明した。
「あたしたち、天気専門の旅の占い師なんですけど、ほら、ああやっててつゲタを放り投げて、表を上に落ちたら晴れ、裏だったら雨、横だったら曇り、ってゲタの向きで天候を占うんです・・・って、あーっ!『そんなのでホントに当たるのかな』って絶対思ってるでしょ!こう見えてもけっこう当たるんですからね!」
「そ・・・そうなんですか・・・でもなんでてつゲタなんですか?危ないでしょうに。靴じゃダメなんですか?」
「いえいえ、てつゲタのこの重量こそが大切なんです。着地した後、横に落ちてもぐらぐらしないでしっかり安定しますから。普通の靴じゃ、曇りがなかなか出ないんですよ」
 そういうものなのかなあ・・・とミミは首を傾げていると、他の占い師たちも寄ってきて口々に言った。
「危険なんで、こうして平原で占っているんですよ」
「それにしても、あなたの先ほどのてつゲタからの身のかわし方の鮮やかさ、ただ者ではありませんね!」
「てつゲタ占いの才能有りと見た。どうかな?あなたもちょっと、占いに加わってみないか?」
「え・・・私、占い師じゃないのに、いいんですか?」
「もちろん!さあさあ、ぜひやってみたまえ!」
 ミミはクエスト「命懸け天気占い」を引き受けた!

 ミミはさっそく、てつゲタを履き、軸足をしっかり踏ん張ってもう片方の足をダンスのように優雅に振り上げ、重い重いてつゲタの片方を軽々と放り投げた。てつゲタは、地面に地響きを立てて転がった。
「うん、明日は晴れね!あたしたちの占った結果と同じだわ!」
 ミミが最初に声をかけた女性が満足そうに頷く。
「一時間後とかも占えます?」
 ミミが尋ねると女性はまた頷いた。
「もちろんよ!一時間後が知りたいって願って放り投げてみて」
 そこでミミは、今度は先ほどより高く足からてつゲタを放り投げてみた。すると・・・。
「え・・・と、これって・・・」
 ミミは困惑して呟いた。落ちてきたゲタは、ゲタの爪先の左角を地面に突き刺して直立してしまったのだ。てつゲタでなければ起こり得ない珍妙な状態である。
「ああ、それは、季節外れの吹雪ね」
「本当ですか?!」
 とかなんとかやっているところへ、占い師の一人が、叫び声を上げた。みんなが慌てて駆け寄ると、彼は足を押さえて地面にうずくまっていた。放り投げて落ちてきたてつゲタを避け損ねて、足に当たってしまったらしい。だいたいこうなっちゃうよね・・・とミミは思いつつ、急いで回復魔法をかけてやったので、事なきを得た。
「やっぱり危ないですよ、てつゲタ」
 ミミが言うと、占い師たちは面目なさそうにうなだれて言った。
「うん、わかっているんだけど・・・やっぱり、他の靴じゃダメだし・・・」
「ではせめて兜を装備してみてはどうですか?」
 ミミが提案してみると、リーダー格の占い師の男は、一転得意そうに胸を張って答えた。
「実は!『メタスラヘルム』という素晴らしい兜を、人数分用意してある!・・・ただなあ、どうせなら、もっと丈夫な『はぐれメタルヘルム』に錬金した方がより安全なのではないかと思って、腕のいい錬金術師を探していたところだったのだ」
「それなら、占う前にセントシュタインに寄ってくれればよかったのに」ミミが言った。「私、こう見えて錬金もするんです。はぐれメタルヘルム、お作りします」

 こうしてようやくセントシュタインはリッカの宿屋に帰ってきたミミを、若き女主人リッカはいつものように明るい笑顔で出迎え、ミミの濡れたマントを受け取ってタオルを差し出してくれた。
「おかえりなさい、ミミ!お風呂ね、『たいようの石』を沈めてあるから、いつでも入れるわよ」
「ありがとうリッカ、でもお風呂入れるのはもう少し後かな・・・」
 いい宿屋ねと占い師たちははしゃいで、宿泊することに決めたので、「ミミは呼び込みまでしてくれたのね」と、リッカは大喜びだった。
 ちいさなメダルをせっせと集めるおかげで、幸いオリハルコンは山ほどあったので、ミミはさっそくメタスラヘルムをはぐれメタルヘルムにする錬金を始めた。他の材料のスライムゼリーは、ぎりぎり足りるかな、といったところだ。
 一時間ほどかけてはぐれメタルヘルムの作製を続け、スライムゼリーはロクサーヌの店からも分けてもらったが、残念ながらあと一つ足りなかった。
 スライムゼリーを手に入れてくるから待っていてくれるようにミミは占い師たちに頼んで、出かけようとすると、なんと外は雪がちらついていた!
「すごい・・・ホントに当たったの・・・」
 と、ミミは呆然と空を見上げ、それなら更に暖かい装備にしようかと思っているうちに、雪は間もなく止んだ。あら、と思っているところへ、今日はウォルロ村に出かけていたイザヤールも、帰ってきた。
「ただいま、ミミ。おや?おまえも帰ってきたばかりなのか?」
「おかえりなさい、イザヤール様♪はい、一時間ほど前に帰ってきたけど、ちょっとスライムゼリーを取りに行く用事ができたから、また出かけるの。どうぞ先にお風呂に入ってください」
「スライムゼリー?一つでいいか?」
 そう言ってイザヤールはスライムゼリーを道具袋から取り出し差し出したので、ミミは嬉しいのと驚きとで目を丸くした。
「イザヤール様、どうして?!もしかしてまたすごいスキルを身に付けたの?予言スキルとか」
「そんなたいそうなことではない。実は、町に入る直前に『ふゆしょうぐん』に出くわしてな。まだ来るのは早すぎるだろうと説得したのだが、聞かないので、剣で勝負を着けて速やかにエルマニオン平原に帰ってもらった。そうしたら、近くに居て寒がっていたスライムベスが、お礼にとスライムゼリーをくれた」
 そうか、ふゆしょうぐんが来ようとしていたせいで雪が一瞬降ったんだ、とミミは納得して、イザヤールをうっとりとした瞳で見上げた。
「イザヤール様・・・。ステキすぎます・・・!」
「何だ?!そんなにたいしたことをしてないぞ?」
 きょとんとしている彼に訳を話しながら、ミミは最後の一つのはぐれメタルヘルムを作って、占い師たちに渡した!
「ありがとう!これで安心しててつゲタ占いをいっそう極められる!本当にありがとう!」
 占い師たちは、水晶玉の材料に持っていた「ときのすいしょう」をお礼にくれた!

 こうして無事頼まれごとも全部終えて、ミミはイザヤールと共にようやくリッカの宿屋の自室に戻ってきた。
「イザヤール様、お風呂お先にどうぞ」
「おまえが入れ。可哀想に、雨でこんなに冷えて・・・」
 そう囁いて彼は、あたたかな体でミミをきゅっと抱きしめる。
「イザヤール様だって、季節外れのふゆしょうぐんと戦って寒かったんだもの、先に入って」
 このままこうして抱きしめられていたいのをやせ我慢して、ミミは体を捩って儚い抵抗をする。
「私は大丈夫だ、わかるだろう?さあ、風邪をひくといけない、入っておいで」
 そう言われてもぐずぐずしているミミに、イザヤールは「困った子だ」と囁いて、いきなり抱き上げて、強引に浴室まで連れていった。じたばたする彼女に、彼はいたずらっぽい眼差しで呟いた。
「・・・それとも、一緒に入るか?」
 ミミは真っ赤になり、身動ぎするのをやめて、濃い紫の瞳を潤ませて、困ったように彼を見上げた。少し苛めすぎたかと、イザヤールは苦笑して、彼女をそっと床に下ろして言った。
「冗談だ。私は共同浴場に行ってくるから、安心してゆっくり入ってくれ」
 ミミの頭を軽くなでて、出ていこうとするイザヤールの手を、ミミは思わずつかんだ。そして、うつむいて赤くなりながら、呟いた。
「イザヤール様・・・あのね、私・・・」
 それから結局、その晩イザヤールが共同浴場で見かけられることはなかった。冷たい秋雨はいつの間にか止んでいて、洗われて澄んだような夜空には、星が瞬いている。占い通り、明日は晴れそうだ。〈了〉
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