セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

撃退!求婚者たち

2013年06月28日 23時58分31秒 | クエスト184以降
今週もギリギリ捏造クエストシリーズこと追加クエストもどき。6月最後の週ということで、イザ女主のではないけどブライダルなネタ再びです。ベースは何故か日本古典竹取物語のかぐや姫が求婚者たちに出した難題。津久井もうろ覚えですが、気になる方は国語古典の教科書引っ張り出してご覧くださいませ~。文中のアルマトラの魔力の結晶云々は捏造ですあしからず。最後の方は実は、ドラクエ4の二章、アリーナ姫にモニカ姫が言ったセリフパロですよ~(笑)

 ビタリ海岸高台の、商人のアジトには、ワケありの商人も出入りしたりすることがあるらしい。ミミとイザヤールが「ときのすいしょう」を買いに今回たまたま訪れた時も、何やらヒミツの匂いのする取引が行われていた。
「はい、こちらご注文の品でございます。職人が腕を振るわせて頂きました」
 商人の一人がそう言って、客の金持ちそうな男に、美しく細工された一本の木の枝のような物を差し出した。
「おお素晴らしい!これなら文句なしに私の勝ちだ!」
 客の男は小躍りせんばかりに喜び、近くに居たミミたちに、手に入れた品物を見せびらかした。
「どうですお嬢さん、素晴らしい品でしょう?世界樹をイメージして作らせましてね。枝は純金、実はルビーやピンクパール、葉っぱはホンモノの世界樹の葉を集めて作らせた、逸品なのですよ!まさに結納に相応しい品ですな!」
 確かに豪華だが、本当の世界樹はもっと厳かで美しいのにと、ミミとイザヤールは思った。
「結納ということは、どなたかご結婚されるのですか?」
 ミミがなんとなく尋ねると、男はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに、にんまりと笑った。
「実は僕、とある旧家の令嬢に求婚しましてね。求婚者は彼女の父親から、それぞれ課題を与えられまして、僕には『世界樹の枝』を手に入れてこいというのが当たりました。でも世界樹の枝なんて誰も見たことはないですからね。それでここにお願いして作らせたという訳です。いや~素晴らしい出来だ。これなら彼女のお父上も納得してくださるでしょう」
 それでいいのかとミミとイザヤールは顔を見合わせたが、男は上機嫌で行ってしまった。
「世界樹の枝か・・・。父親が娘の求婚者たちに無理難題を言う時は、大概その求婚者たちが気にくわないことが多いものだが・・・」
 呟いてイザヤールは眉をひそめた。
「・・・もしくは、娘さん本人が気に入らないのかも・・・」
 ミミも心配そうに顔を曇らせる。気にはなったが、とりあえず二人は買い物を済ませて、セントシュタインに帰った。

 ミミとイザヤールがセントシュタインに帰って、リッカの宿屋の敷居をまたぐやいなや、リッカとルイーダがカウンターから乗り出す勢いで手招きした。
「ミミ、イザヤールさん、おかえりー。早く早く、酒場のカウンターに行って」
「先ほどから、ちょっと急ぎのお客さんがお待ちよ」
 そう言われて二人が急いでルイーダの酒場のカウンターを見ると、一見簡素だが実は高価らしい流行最先端のドレスに身を包んだ、美しい娘が座っていて、ミミとイザヤールに向かって頭を下げた。
「あの娘さん、超一流の冒険者にしかできないことをお願いしたいんだそうよ。だからあなたたちを薦めたの」
 ルイーダは言って、ミミたちも座らせて飲み物を出した。さっそく二人は、娘から話を聞くことにした。彼女は近くで見てもやはり綺麗だったが、憂いがその華やかな美貌に陰りを落としていた。
「お願いしたいことは、たいへん難しくて、しかも一つではないのです。聞いて頂けますか」
 ミミとイザヤールが頷くと、彼女は改めて話し始めた。
「私は、とある旧家の娘なのですが、最近三人の方に結婚のお申し込みを受けました。ですが、私は気が進まず・・・何度もお断りしましたが諦めてくださいませんでした。それで困っている私を見かねた父は、到底できそうもない無理難題を条件にしまして、お断りしようとしてくれたのです。父は、一人娘の私にたいへん甘いものですから。
一人の方には、伝説の魔獣『アルマトラ』の巣の中から魔力を秘めた宝石を持ってくること、もう一人の方には、『じごくのヌエ』が隠し持っているという竜玉を、そして三人目の方には、『世界樹の枝』を持ってくるようにという課題を出しました。到底並の方にはできることではありません。
でも、もしかしたら・・・富の力にものを言わせて、凄い冒険者を雇って、手に入れてしまうかもしれないと、私も父も、日が経つにつれて心配になって参りました。それで、申し訳ないけれど、素晴らしい腕の冒険者の方に先回りして手に入れて頂こうと考えたのです。もし求婚者の皆様が、ニセモノを持っていらしたら、本物を出してたしなめることもできますし。引き受けてくださいますか?」
「あの、私たち、先ほどビタリ海岸で、世界樹の枝を作らせたという方に会いました。もしかしたらあなたの求婚者さんの一人かも・・・」
 ミミが言うと、娘はにっこり笑った。
「まあ!その偶然はきっと、神様の思し召しですわ!これで少なくとも一人の方はニセモノを持っていらっしゃるから、お断りできますわ。お願いします、後の二人もお断りできるようお助けくださいませ」
 求婚者たちが一途な恋心で頑張っているとしたら、その妨害をすることには少々気が咎めたが、しかし好きじゃない人と結婚したくない気持ちもよくわかる。ミミはクエスト「撃退!求婚者たち」を引き受けた!

 アルマトラは知り合いなので、まずはアルマトラのところに行くことにした。
「イザヤール様、私は引き受けちゃったけれど、ご一緒してもらってもいい・・・?」
 一人でも大丈夫だけど、一緒に冒険できたらもっと楽しくて嬉しい、濃い紫の瞳は、潤んでそう訴えている。いいに決まっているのに、いつもちゃんと聞いてくれるミミが愛しい。イザヤールは微笑んで、彼女の頭をなでた。
 アルマトラの居るアルマの塔を訪れると、いつか天の箱舟に乗ってつり革につかまりたいという野望を持つだいまじんが、天の箱舟を乗り回しているミミたちに今日もいつも通り腹を立てて襲いかかってきたが、今日もいつも通り返り討ちに遭ってしまった。
 それから難なく最上階の、更にその上のアルマトラの巣に着くと、二人はアルマトラとその友人のスライムに温かく迎えられた。アルマトラの巣は、まるで巨大な鳥の巣で、干し草のようないい香りがして、座る部分はふんわりと優しい。ミミは用件を話し、ほんとに巣の中にそんな魔力のある宝石なんてあるの?と尋ねた。
 アルマトラは首を傾げ、スライムもゆらゆらぷるぷるしながら言った。
「えー?アルマトラの涙はミミが拾ってきてくれてアルマトラの体にちゃんと返ったから、もう無いし。あ、でも、アルマトラが元気で楽しい気分の時、魔力の小さな塊が結晶になって落ちるかも。巣を探してみたら?」
 そこでミミとイザヤールが巣の中を探してみると、小さいが竜のなみだのように美しい結晶が光っているのを見つけた。
「用事が済んだら必ず返すようお願いするから、このかけらを借りてもいい?」「元々余った魔力だから、好きに使うといい。おまえが助けてくれたおかげでこうして目覚めて友と過ごせるのだからな」
 そうアルマトラは言って、厳つい見た目に似合わず猫のようにぬくぬくと体を丸めて目を細めた。

 それから二人は、今度は地獄のヌエが居る洞窟に入った。地獄のヌエは、モンスターの中でも最強クラスの強敵である。苦戦しつつ戦い続け、ようやく一匹の地獄のヌエが美しい宝玉を落とした。どうやらこれが隠し持っていた竜玉らしい。
「綺麗・・・」
 ミミは疲れも忘れてうっとりと竜玉を見つめた。
「地獄のヌエは、様々な生き物を地獄の住人が適当に組み合わせて生まれた、呪われた生き物だと言われているからな。この竜玉も、その一部なのかもしれない」
 イザヤールの言葉に、ミミのうっとりした表情は、憂いでたちまち曇った。
「用が済んだら、浄めて天に返してあげたいな・・・。そうしたら、竜の部分だけでも、解放される、かな?」
「ああ、きっとそうだろう。ようやく解放されるのかもしれないな、地獄から」
 二人はしんみりとしつつ、洞窟から出て、とりあえず天の箱舟に乗った。

 しかし、最後に残ったのは、ある意味最大の難問だった。何せミミとイザヤールこそが人間の中で唯一、世界樹はもうこの世にないことをよく知っている二人だったから。星のオーラが満ちて実った女神の果実が世界樹に返った時、封印は解けて世界樹は女神セレシアに戻ったのだ。つまり、もう世界樹の木そのものは地上だろうと天使界だろうと、現在どこにも存在していない。
「世界樹の葉っぱだけは雨の島で拾えるけれど・・・困ったなあ・・・」
 ミミが眉をひそめて悩んでいると、梅雨時の湿気ですぐダレる髪のセットと戦っていたサンディが、頬を膨らませて言った。
「ちょっとー!そんなときこそこのサンディちゃんを頼りなさいよー!」
「え、サンディ、何か考えがあるの?助けてくれる?」
「いーワヨ。その代わり、こないだアンタがゲットした超キュートなキャミ、ちょーだい☆」
「うんうん、シュシュも付けるから、お願い、助けて~」
「ほらほら、アタシ前に『せかいじゅのわかば』頼んだことあるデショ?あれを取ってきてくれたら、アタシが美少女妖精マジックで苗木くらいにはしたげる~」
「ほんと?!ありがとう、サンディ☆」
 美少女妖精マジックという謎の言葉に気付かず素直に喜ぶミミと、あえてスルーして苦笑するイザヤールだった。

 こうして無事三つの品物を手に入れて、依頼人に報告すると、彼女は喜びと憂いの入り交じった顔で受け取った。
「どうしました?何かあったんですか?」
 ミミが尋ねると、依頼人はちょっと泣きそうな顔で答えた。
「実は、アルマトラの宝石を持ってくるお方が、塔の入り口で転んで捻挫されてしまって、地獄のヌエのお方は、一階で熱中症になってしまわれて・・・。諦めてくださったのはよかったですけど、なんだか申し訳なくて・・・」
 とはいえ彼らの症状は軽く、三人目の世界樹の枝の者も本物があることで撃退できそうなので、めでたしなようだった。
 後日、無事に求婚者たちをお断りできたと依頼人がお礼に来て、三つの品も返してくれた。依頼人はお礼に「プリンセスローブ」をくれた!それから依頼人は、ちょっと赤くなりながら言った。
「お父様が、本当に集めてきた強者を婿に迎えればいいのではないか、なんて言っておりますの」
 それを聞いてミミは、心配そうな顔になって思わずきゅっとイザヤールの腕につかまった。
「でも、集めてくれたのが女性だとお伝えしたら、がっかりしておりましたわ」
 それを聞いて、イザヤール様も手伝ってくれたのにと思いつつほっとするミミ。だが、その後の言葉を聞いて呆然とした。
「でも、もしミミ様が殿方だったら・・・ぽっ・・・あら、私ったら何を言ってるのかしら・・・」
 逆に今度はイザヤールが慌てだす。そして慌てなくていいから、と、宿屋メンバーに冷静にツッコミを入れられたのだった。〈了〉
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