セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

長距離お迎え嬉しいな?!

2017年06月10日 15時42分43秒 | クエスト184以降
また更新土曜日の午後になってしまいました〜すみません〜の追加クエストもどき。風邪ひいてる間に溜め込んだ雑事を一時しのぎ的に消化し続けるとこうなります(笑)さて、各地で梅雨入りということで雨のネタにしてみましたが、ここのところ晴れていたりします津久井の居住地周辺。そのせいか、今回の話の内容もあまり雨が降らず・・・?今回も平和なネタですが、こういうあちこち飛び回る話ってドラクエっぽいなあと勝手に思っております。

 冒険者は雨も雪もものともせず進むタフさが必要である。とはいえ、ミミは雨の日に傘をさして歩くのも好きだった。オベロンのくつを履いて軽やかに歩けば、真っ白なサマードレスでも、泥はねの心配もしなくていい。そんな可憐な彼女の姿に対して、使っている傘は少々大きすぎて実用一点張りなデザインだったが、今日はこれでよかった。相合傘にはちょうどいい大きさだったから。
 無事にイザヤールと合流し、二人は雨のセントシュタイン城下町をリッカの宿屋に向かってゆっくりと歩いていった。今度はイザヤールが傘を持ち、ミミが少しでも雨にうたれないようにさしかけてくれるので、彼の幅のある肩の先は僅かに傘からはみ出る。彼を濡らしたくないとミミはぴったり寄り添い、それではみ出ていた彼の肩先も無事に傘の中に入った。
「いい大きさの傘だ」ご満悦の表情でイザヤールは呟き、微笑んですぐ近くになったミミの顔を見下ろす。
「うん・・・」ミミは嬉しくなってこくりと頷く。「ちょっとだけ、遠回りしても・・・いい?」
「ああ、もちろん」
 こうして二人はリッカの宿屋に帰るのに少し遠回りをしたのだが、これがものすごく遠回りになってしまうとはそのときゆめにも思わなかったのだった。

 二人で教会の裏手辺りを歩いていると、若い男と行き合った。彼は、サマードレス姿のミミと、今日はシンプルに白いシャツに天使時代から愛用の黒いズボン姿のイザヤールを見て、羨ましそうに呟いた。
「いいですねえ〜、冒険者でなければ、こんな風に相合傘できるのかあ・・・」
「今日は軽装だけれど、私たち、一応冒険者なんです」
 ミミは思わず笑って言った。
「あ〜、なるほど、彼氏さんが冒険者さんなんですね。確かにこの筋肉とたたずまい、ただ者ではないオーラ出まくりですね〜」
 若者は納得したように頷き、ミミは苦笑して自分も冒険者であるアピールは諦めた。若者は、頷きながら続けて言った。
「ボクんとことは逆だなあ。ボクの彼女、バリバリのバトルマスターなんです。ボクは戦いが全く不得手な道具屋見習いなんですけども。・・・でも〜」
「でも?」
 ミミとイザヤールが首を傾げると、若者は地団駄を踏みかねない勢いで言った。
「ボクだって、フツーのカップルみたいにイチャイチャ相合傘したいですよー!」
「別にしてもいいんじゃないですか?」ミミはきょとんとして言った。
「彼女、雨なんか斧を十回も振り回せばすぐ乾くから、傘なんて不要ってタイプなんですー!町中の買い物なんか、傘無しで行っちゃいますよ」
「それは頼もしいですね」
 自分も旅の途中はそんな感じ(フィールドでは傘をさしている場合ではないのだ)に近くて、防水装備やファイアフォースなどで水分を飛ばしたりすることもあるミミは感心して言った。
「冒険者の鑑だな。君だって、そういうところにも惚れたのだろう?」イザヤールも頷く。
「そーかもしれませんけども!でもたまにはしたいですよ相合傘!」
「では傘を持ってお出迎えに行ってもいいんじゃないですか?傘は不要と思っていたとしても、そうやって迎えに来てもらえると、やっぱり嬉しいものですし」
 迎えに行くのも嬉しいし、とミミは頬を染め、イザヤールもうむ、と頷く。
「できれば苦労しないですよ〜。彼女、世界中を旅しまくったり、ダンジョンにもぐりまくったりしているんです。ボクが迎えに行ったら死んじゃいますよ」
「町の入り口までお出迎えとかでもいいんじゃないですか?」
「ムリなんです。彼女、直接ボクん家までキメラのつばさで飛んできますから。うわぁーん!ボクなんか、一生相合傘できないんだあー!」
 いきなり若者が泣き出してミミは戸惑い、イザヤールは泣くほどのことか?と呆れた。その呟きを聞き咎めて、若者は彼をきっ、と睨み付けた。
「あなたはいいですよねー!可愛い彼女さんと相合傘し放題で!」
「八つ当たりか?!」更に呆れるイザヤール。
「それなら・・・」ミミはあたふたしながら提案した。「今から、あなたの彼女さんを、迎えに行きません?護衛しますよ」
「そうだな、まあ仕方ないか」イザヤールも笑って頷く。
「ホントですか?!でも、お嬢さん、あなたもボクと同じでダンジョンとかに行ったら即死なんじゃ・・・」
「だから、私も一応冒険者なんですけれど・・・」
 それはともかく、ミミとイザヤールはクエスト「長距離お迎え嬉しいな?!」を引き受けた!

 それで、とミミは若者に尋ねた。
「あなたの彼女さん、今日はどちらにお出かけなんですか?」
「え〜と、確かグビアナ城だったかな〜」
 傘要らないのでは?!と、ミミとイザヤールは心の中でシンクロツッコミを放った。日傘なら要るかもしれないが。
 早くも詰みになってしまう状況だったが、それを口に出すと若者がまた号泣しそうなので、一同はとりあえずグビアナに行ってみることにした。
 キメラのつばさを放り投げ、あっという間にグビアナ城に到着すると、案の定砂漠のギラギラ太陽である。
「雨降ってないじゃないですかー!」
「私たちに言われても・・・」
 とにかく、彼女さんを探しましょうと、グビアナ城下町を捜索したが、見つからなかった。それなら城内の乙女の水浴場か、金色トカゲのアノンを見に行ったのかな、と思ってミミはまずユリシス女王に聞いてみると、今日の謁見者の中にバトルマスターの女の子は居なかったとのことだった。
 それなら乙女の水浴場かなとミミが行こうとすると、若者も「しょうがないな〜捜索捜索」と言いながら、でれでれ顔でついてこようとしていたので、イザヤールに襟首をつかまれて引き留められた。
「こら、何をどさくさ紛れに入ろうとしている。水浴場は男子禁制だぞ」
「え〜だって、彼女を探さないと・・・」
「ミミに任せておけばいいだろう」
 若者がじたばたしている間にミミはさっさと水浴場に入って、一通り探してここには居ないことを確認し、情報を集めてみた。すると、探し人と特徴が一致するアマゾネスタイプの大柄美人が、午前中には確かにここの水浴場に来ていたとの複数の目撃証言を得た。
「この後サンマロウに行くって言ってたわよ。めざめの花を買いに行くからって」
 そこでミミは水浴場から出て、まだ襟首をつかまれてじたばたしていた若者に、サンマロウに向かうことを告げた。

 サンマロウ地方は、生憎というか、案の定というか、まるで夏空のような晴天だった。
「うわーん!やっぱり晴れじゃないですかー!相合傘ー!」
「ここで会えたら、セントシュタインに帰って町の入り口から相合傘しておうちに帰ればいいんじゃないですか?」
「なるほど、それもそうですね〜」
「・・・真剣に何をやっているんだろうな、我々は・・・」
「ごめんなさい、イザヤール様、クエストにお付き合い頂いてしまって」
「いいや、ミミ、おまえは悪くない」
「ええっ、じゃあボクが悪いんですかー?!」
 町に入って、花売りワゴンの店員にバトルマスター風な美人が来たか尋ねると、確かに来て買い物をしていったと店員は答えた。
「どこへ向かうとか言ってました?」
「ダーマ神殿に行くとか言ってたような・・・」
「ありがとうございます!」
 それならもしかしたらダーマ神殿で追いつけるかもと、一同は急いでダーマ神殿に向かうべくキメラのつばさを放り投げた。
 ダーマ神殿のふもとに着くと、若者は長い階段を見上げてげっそりした顔で言った。
「ええ〜、この階段上るんですかあ〜?」
「不服を言うな、ダーマ神に叱られるぞ。いっそ君も、何かの職に就いてみたらどうだ?」
「そんなことより、ここも雨降ってませんよ〜!」
「でも、アユルダーマ島は常夏の島だから、もしかしたら急にスコールとか降るかも・・・」
 しかし雨は降ることなく階段を上りきり(若者は途中でギブアップしてイザヤールに担がれた)、神殿建物内に入った。ミミは知り合いにもそうでない人にも探し人の人相を言って尋ねてみると、知り合いの魔法戦士スカリオがどうやら話をしたらしいとわかった。
「魔法戦士も戦士の一種かって聞くから、その通り、そしてフォース愛に溢れる職業だよと教えたら、興味なさそうな感じで行ってしまったんだよ。残念だなあ。え、彼女は次にどこに向かったかだって?んー、確か船着き場の側にある水タイプの宝の地図の洞窟に行くとか言ってたなあ」
 スカリオに会った時間を尋ねると、つい先ほどだったので、本当に入れ違いだったらしい。だが、ダンジョンなら今度こそ追いつけそうと、ミミはにっこり笑った。
「しかしミミ、もし高レベルの洞窟だとしたら、さすがにこの装備ではきついぞ。それに、我々の持っている地図が同じ物とは限らないし」
 イザヤールが言うと、若者はポケットから地図を取り出した。
「あー、ボク、地図の写し持ってます。彼女が帰って来ない時の救難頼む用に」
 それはよかったと地図を広げて名前を見てみると、レベルがさほど高くなさそうではあったが、バトルマスター一人でもぐるのはやはりすごい度胸と思われた。念のためイザヤールはバトマス装備に、ミミは水の洞窟でも裾が安心なさとりのワンピースに着替えて、一同は船着き場に移動した。

 地図を広げてさっそく洞窟に入ってみると、出てくるモンスターはガマキャノンやオクトスパイカーなどで、ミミたちにとってはさほど手強くはなかった。しかし下のフロアに行けば行くほど敵は手強くなるので、一人で行った依頼人の恋人のことはやはり心配だった。それに、彼女が必ずしも最下層までもぐるとは限らない。途中で退却しておもいでのすずでも使われてしまえば、また入れ違いになってしまう可能性もある。とりあえず、フロア中をざっと見て、下に移動を繰り返すことにした。
 数フロア移動した頃、一匹のヘルダイバーと一人のバトルマスターの女性が戦っているのに出くわした。探し人を見つけた!彼女は少々苦戦していたようだったので、ミミとイザヤールもさっそく加勢した。もうすぐとどめという頃になって、ヘルダイバーは苦し紛れに尾で水面を叩き、水しぶきが派手に飛び散った。すると、それまで隠れていた依頼人の若者は飛び出して、傘を広げて彼女にさしかけた!水しぶきを防いだ!
「やったー!ついに相合傘できたあー!ミミさん、イザヤールさん、やりましたよー♪」
「え・・・と、よ、よかったですね・・・」
「そんなのんきなことを言っている場合か?!」
 傘をさしかけられた当の本人の彼女はと言えば、通りすがりの援軍だけでなく、いきなり彼氏まで現れたことに驚いたが、なんと喜んでいた。
「やだ〜、そんなにアタイと相合傘したかったのかい?それならそうと言ってくれればいいのに〜♪その為に、こんな危ないところにまで一人で来てくれたワケ?」
「うん、キミの為なら火の中水の中だよ☆」
 一人じゃないんだけど・・・という野暮なツッコミはせずミミとイザヤールはヘルダイバーにとどめをさした。依頼人とその恋人は、イチャイチャ相合傘に入ったままおもいでのすずを使い、去り際に依頼人はミミとイザヤールにウインクして、「あまつゆのいと」を三つ、二人の方に投げていった。
「やれやれ、人騒がせな。なかなかの遠回りだったな」
 イザヤールはあまつゆのいとを落ちる前に全て受け止め、ミミに差し出して楽しげに笑った。
 このまま帰ろうか、それとももう少し寄り道していこうか?どうせ遠回りなのだからと、二人は顔を見合わせて笑った。〈了〉
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