セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

ブラッドナイトの赤ワイン

2016年11月20日 02時09分27秒 | クエスト184以降
更新遅刻記録歴代三位以内に入りそうな遅れで本当にすみません〜な追加クエストもどき。ボジョレーなんちゃらが解禁されたシーズンだそうなんでワインネタにしてみましたが、ワインのことが全くわからずなので自爆。葡萄ジュース飲まされても気付くか怪しいくらいです。ブラッドナイトがワインを落とすだのなんだのはもちろん捏造ですが、ダンジョンに誰も来ないとき本当に優雅にグラス傾けていたりしたらと想像すると笑えます。ちなみに文中の戦闘は実際にちょいと試してみました。レベル99ですと、魔法使いだらけパーティでも余裕過ぎで楽勝です。マヒャデドス強し。

 収穫も終わり、樽や瓶にたくさんのワインをはじめとする貯蔵酒がたくわえられた。収穫祭等も伴って、ルイーダの酒場も大忙しだ。
 そんなある日、ルイーダの酒場を手伝っていたミミとイザヤールは、客の一人が酒場の女主人ルイーダに訴えていることを小耳に挟んだ。
「あ〜、一度でいいから、宝の地図の洞窟のボス、ブラッドナイトが持っている赤ワインを飲んでみたいもんですなあ〜」
 一見裕福な商人風の男性である。ワインの熱烈なコレクターなのかもしれない。
「ブラッドナイトってあのブラッドナイトのこと?私も何度も戦ったけど、あれがワインを持っているなんて見たことも聞いたこともないわ」
 ルイーダが疑わしげに言うと、客は溜息をついて言った。
「私もウワサで聞いただけなんですがね。だからこそそのレア感がそそるんですよ〜。宝の地図の洞窟のボスが飲むワインはどんな美酒なのかな〜ってね。気になるな〜。直接交渉行っちゃおうかな〜」
「やめなさいよ、相手は冷酷無慈悲な魔物よ、無事に済むわけがないでしょ」
「そこはそれ、ルイーダさん、凄腕の冒険者紹介してくださいよ〜。ブラッドナイトに負けない冒険者連れて行けば安心ですもんね」
「調子いいこと言って・・・まったく」
 ミミとイザヤールは顔を見合わせた。ブラッドナイトとは今までずいぶんたくさん戦ってきたが、赤ワインを落とすなどやはり聞いたことが無い。
「気になる?イザヤール様」ミミは尋ねた。
「気になるな。おまえはどうだ、ミミ?」
「やっぱり気になるの」
 そこへ、ロクサーヌも滑るように近付いてきて、笑顔で言った。
「今まで取り扱ったことのないアイテム、しかも時期真っ只中なワイン・・・私も、気になってしまいますわ。・・・それこそ、ルイーダ様は如何?」
 にこにことロクサーヌに見つめられ、ルイーダは悔しそうに苦笑して答えた。
「聞く間でも無いでしょ、気にはなるわよ。まったく、この忙しいのに〜」
「それじゃあ皆さんご一緒してくれますんで?」客は嬉しそうに手を叩いて言った。「なら大船に乗った気分ですし、決まりですね!よろしくお願いしますよ!」
 リッカもそのやり取りをにこにこして聞いていて、ミミの肩を安心させるようにぽんと叩いた。
「私はお酒飲めないから、今回お留守番してるね。人手は足りそうだから安心して♪」
「ありがとう、リッカ。忙しいのにごめんね」
「大丈夫大丈夫☆」
 こうしてミミたちはクエスト「ブラッドナイトの赤ワイン」を引き受けた!

 依頼人を連れて、ミミたちはさっそくブラッドナイトがボスの宝の地図の洞窟に向かった。
「でも、どうしたら赤ワインなんか落としてくれるんでしょう?何かご存知ないですか?」
 ミミは依頼人に尋ねてみた。
「私もまた聞きなんですけどね〜、ブラッドナイトの弱点の逆の、氷系呪文と武器を使うと落とすかもしれないらしいですよ。弱点の炎系を使ってしまうと、ワインの味が落ちちゃうから絶対に使っちゃダメみたいです」
「そうなんですか・・・」
 これまでブラッドナイトには、弱点である炎系の攻撃や呪文で一気に決着を着けていたので、効果があまり期待できない氷系呪文や攻撃「だけ」を使って戦うというのは確かに未経験だった。それならこれまでワインを落とすのを見たことが無いのもまあ納得はいく。でも、本当に持っているのかの信憑性はあまり高くなさそうだ。やはりダメ元のつもりで臨む方がいいかもしれない。
「本当にそれくらいで未知のアイテムを落とすかしら?」
 かなり懐疑的な顔でルイーダが呟いた。
「まあ試してみる価値はあるかもしれませんわよ。ちょっと長期戦になりそうですけれど」
 ロクサーヌはわくわく感からかいつもよりも更に輝く笑顔で言った。
「赤ワイン、なあ・・・」イザヤールは懸念のありそうな声で呟き、その呟きを聞いたミミは彼の顔をもの問いたげな目で見つめた。「いや、どこで手に入れているワインかと思ってな」
「案外普通のワインだったりして?」
「なら平和でいいがな」
 まあ手に入ればわかることだし、入らなければでたらめな情報の可能性が高かったということで、思い悩む必要もないわけだ。途中の道中で出現する敵があまり強くない洞窟を選んだので、一同はさほど苦戦せず洞窟内を進み、程なくブラッドナイトの居る最深部にたどり着いた。
 依頼人は少し離れた場所に待機し、ミミたちはブラッドナイトに戦いを挑み、戦闘が始まった。
 ブラッドナイトはゾンビ系に属する魔物なので、ゾンビ系の弱点である炎系の力を使うのが常だが、今日は炎系の攻撃や呪文を使うわけにはいかない。ブラッドナイトは氷系呪文マヒャドを使ってくるので、ミミはとりあえずマヒャドのダメージを軽減するアイスフォースを全員にかけた。
 ブラッドナイトはマジックバリアを使ってこちらの呪文攻撃を防いでくる。相手がマジックバリアを使う前までは氷系最強呪文マヒャデドスを唱え、マジックバリアで呪文の効果が弱められてしまったら装備を棍に変えて「氷結らんげき」でなるべくダメージを与える、と予め段取りで決めてある。
 ミミ以外の三人は思いきって職業魔法使いで、ミミだけ賢者で回復担当と、ひたすら「いてつくはどう」でマジックバリアの効果を打ち消すことに専念することにしていた。また、「ゾンビガード」を使って、ブラッドナイトが時折繰り出す痛恨の一撃のダメージを和らげる効果を狙った。だが、ブラッドナイトもまたいてつくはどうを使ってくる。こちらの補助効果を打ち消されたら、小まめにかけ直さなければならない。
 三人分のマヒャデドスで一ターンに千ポイント近いダメージをブラッドナイトに与え、ブラッドナイトはさみだれ突きと通常攻撃を仕掛けてきたが、さほどダメージを受けなかった。次のターンではミミはゾンビガードを使い、他の三人はマヒャデドスを唱え、また高ダメージを与えた。すると、ブラッドナイトは通常攻撃の他に、案の定マジックバリアを使ってきた。
 次のターンでイザヤールたちは段取り通り棍の技の氷結らんげきでブラッドナイトを攻撃し、その間にミミはマジックバリアの効果を打ち消すいてつくはどうを使った。攻撃力に大きく劣る魔法使いでの氷結らんげきの攻撃は、さほどダメージを与えられなかったが、その間に装備品の効果でMP回復ができた。ブラッドナイトは馬を駆けさせ痛恨の一撃を繰り出してきたが、盾の秘伝書を持つイザヤールが前に出ていたので、うまく受け止めて防いだ!
 このような攻防を三周ほど繰り広げると、思っていたより早くブラッドナイトは倒れた!全員攻撃魔力が高かったことが効を為したらしい。だが、ブラッドナイトは新しい宝の地図以外、特に何も落とさなかった。
「あらら、やっぱりガセネタだったみたいね」ルイーダが肩をすくめた。
「残念ですが、仕方ないですわね。でも、攻撃魔力さえ高ければ炎系の呪文や攻撃でなくても充分ブラッドナイトに勝てるとわかったのは収穫ですわ☆」と、ロクサーヌは変わらないいつもの笑顔で言った。
 まあこんなこともあるよね、と、ミミたちは諦め、依頼人に不首尾を報告すべく振り返った。

 依頼人は戦闘の間階段の陰に隠れていたが、戦闘が終わった様子を見て歩み寄ってきた。赤ワインが手に入らなかったのは様子を見ていてわかったらしく、がっかりしていたが、ふいに何かを見つけたかのように目を見開いて、ミミたちの背後の地面に駆け寄った。
「ありゃあ!皆さんもお人が悪い、ちゃーんとあるじゃありませんか、ブラッドナイトの赤ワイン!」
「え?そんな、まさか」
 とミミたちが戸惑っている間に、いつの間にそこにあったのか、依頼人の腕には、美しいが暗い色合いの真紅の液体に満たされた、古めかしいワインボトルが抱えられていた。その色は、気のせいかまるで血そのもののようにも見える。さっきまで確かにどこにも何も無かったのに・・・ミミは嫌な予感がして依頼人に告げた。
「それ、本当にワインでしょうか?洞窟、しかも魔物が落としたかもしれない液体ですから、一応調べてみた方がいいと思います」
「え〜、ここで開けちゃうんですか〜?ワインは開けちゃうとすぐダメになってしまいますし、どうせなら持ち帰ってしばらく飾るとか、宿屋のロイヤルルームで極上の食事と一緒に頂くとかしたいんですけど」依頼人は渋った。
「でも、町中とか部屋の中とかで開けて、万が一揮発性の毒物とかだったりしたら、危険です!」ミミは必死に訴えた。
「それもそうですね〜、ではちょっと残念ですけど、ここで開けてみますか。ダンジョンの中で極上ワインを飲むというのもオツですしね。実はそんなこともあろうかと、ちゃーんとグラスも用意してきたんですよー。上等のグラスを割れないように運ぶの、苦労しましたよ〜」
 そう言って依頼人は、袋から厳重にくるんだグラスを取り出しいそいそと並べ、次にコルク抜きを取り出して、瞬く間に器用に瓶の栓を抜いた。栓が抜けると同時に、辺りには芳醇な香りが広がった。
「おおおー!素晴らしい香りだ〜!こりゃやっぱり極上のワインですよー!」
 うきうきと依頼人はグラスに中身を注ごうとボトルを傾ける。自分の思い過ごしだったかなと思ったミミは、ワインボトルを見てぎくりと目を見開いた。
 開いた瓶の口から感じられる気配は、香りは果物のようだったのに、気配はまるで・・・幾百、幾千の血を、命の源を濃縮して、瓶に詰めたような・・・。無数の閉じ込められた命が蠢き、もがいて渦を巻いているような幻を、ミミは瓶の中に見た。イザヤールもはっと息を飲んだところを見ると、彼もまたミミと同じものを見ているらしい。だが、ルイーダとロクサーヌには特に異常なものは見えていないらしく、平然としていた。
 注いではだめとミミが叫ぶ前に、突然、ワインボトルの口から勢いよく中身が飛び出し、無数の紅い花びらのような形状になって激しい風と共に渦巻き、あっという間に階段からこのフロアの外に出てしまった。後には、空っぽになった瓶が残された。今度は全員に見えたらしく、特に依頼人は呆気にとられていた。
「発泡ワイン・・・なわけないですよね・・・。の、飲まなくてよかった・・・飲むヒマも無かったけど」
 念のため上のフロアを見てみたが、瓶の中身らしいものの痕跡は一切無かった。おそらくダンジョンの外へと向かい、出ていったのだろう。

 その晩、依頼人はお手数をかけたお詫びにと、ルイーダの酒場の中で一番高いワインを買い取り、ミミたちにご馳走してくれた。
「いやあ、やっぱりブラッドナイトのワインなんて無かったんですね〜」
 そう残念そうに言う依頼人には聞こえないように、ミミは小さく呟いた。
「あれはやっぱりブラッドナイトにとってのワインだったのね・・・。ただし、普通のワインではなく、血のワイン、だった・・・」
 そのミミの声をイザヤールだけが聞き取って、彼も小さく頷いて囁いた。
「ああ、おそらく、奴が今まで奪い取った命の、血の凝縮されたものの一部が封印された瓶だったのだろうな。栓を開けたことで、閉じ込められていた囚われのエネルギーは、ようやく自由になったというわけか・・・」
 あらゆる命あるものの血を全て己と一体化させることを狙っているブラッドナイト。その蓄えた血をいつか全て解放させることはできるのか、それとも・・・?ミミとイザヤールは、自問しながら、静かにグラスを傾けた。〈了〉
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2 コメント

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鉄分は豊富なのは間違いなさそうです (神々麗夜)
2016-11-21 20:51:54
ハヌマーンの爪といい、レパルドの剣といい、グランゼニスが分裂した魔物の持ち物ってロクな物がないですねwあ、でもイボイノスのハムは気になりますw食べてみたいです。
とりあえず依頼主さんが瓶に直接口を付けてラッパ飲みする人じゃなくて良かったです…本当に飲んだらどうなっていた事やら…

ミミちゃんに方法を聞いてうちのメンバーが例のワインを手に入れたら
リリン「ブラッドナイトの血のワインを手に入れたんですけど、ククール♡あんたワイン好きでしたわよね…ちょっと飲んで感想きかせて♩」
ククール「ハートと音符が怖い…それ飲んだら絶対やばい奴だよな!?腹壊す程度ならともかく、絶対命に関わる!」
シェルル「リリン、なんか怒ってるけどククール、何したの?」
クク「それがリリンの髪留め踏んづけて壊しちまって…」
シェ「あ〜、そりゃ怒るよ」
クク「本当にごめん!弁償するからっ!血のワインだけは許してくれ!」
リリ「壊した髪留めの2倍の金額の新しい髪留めで許してあげますわ」
シェ「女の子って怒ると怖いなぁ…」
まぁリリンも本気で怒っている訳ではないです。本気で怒っていたら血のワインだなんてわざわざ言いませんw
いくら高栄養でもw (津久井大海)
2016-11-22 03:48:32
神々麗夜様

引き続きこんばんは☆二つの話それぞれにコメントありがとうございました☆

実際のゲーム上はレパルドの「女神のいのり」などいい物なのに、津久井の捏造設定はろくな物が無いですすみません〜。おお、イボイノスのハムまで覚えていてくださってありがとうございます!あれはとてもおいしいらしいです(笑)

実は、飲むと恐ろしい破壊力を得られる設定で依頼人が飲んじゃったバージョンや、悪用する為に手に入れさせようとしていたバージョンも考えていたんですが、人間の手に負えなさそうなのでボツと相成りました〜というどうでもいい裏話が(笑)

そちらの女主さん、わざわざ血のワインと言ってあげるところが優しさですね〜。大切な髪飾りを壊されちゃったら、本気で怒ってなくてもちょっとはヒヤリとしてもらわなきゃですよね〜(笑)新しい髪飾りをゲットしてめでたしめでたし?

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