すぴか逍遥

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ルドンとその周辺ー夢見る世紀末 三菱一号館美術館

2012-02-18 08:25:08 | 美術
『ルドンとその周辺ー夢見る世紀末』三菱一号館美術館『グラン・ブーケ』収蔵記念に行ってきました。(2/17)
          
         2012年1月17日から3月4日(日)三菱一号館美術館
             開館時間:水・木・金 10:00−20:00/
                  火・土・日・祝 10:00−18:00
                   (入館は閉館の30分前まで)
              休館日:月曜日(但し2月27日は開館)

ルドンについては、たまにいろんなところで1枚、2枚と単発的にみて、こういう絵だとなんとなく思っていた程度の知識しかなく、今度まとまってみられると期待していた展覧会です。世紀末美術に惹かれているのに、なぜかルドンにはあまり興味が持てなかった、というのは、見ていなかったからだとつくづく思いました。

三菱一号館美術館の新収蔵《グラン・ブーケ》も含め今回の展覧会は大きなよろこびでした。

(出品目録は置いてなかったので、後から訊いて出して頂きました)

絵は岐阜県美術館所蔵のものです。(除くグラン・ブーケ)


1 ルドンの黒

これこそルドンなのだとまず圧倒されました。

    
   《恐怖》 1866 エッチング
これはゲーテの詩『魔王』から着想を得たといいます。シューベルトの歌曲『魔王』が聞こえてくるようです。大好きな曲なので、まずこの一枚。


◎「夢のなかで」という石版画集、単独の巨大な眼球もありました。

        沼の花
        
《沼の花》 木炭 1880年頃から85年にかけて制作された人間の頭部をもつ植物の中の一枚

これはやりきれないような暗さです。どろどろの沼の中から出てきた植物、でも何かひかれるものがあります。


◎「エドガー・ポーに」 石版画集 1882
  文学者エドガー・ポー、詩人ボードレール、ルドンと続くものだったのです。

        光の横顔
        
        《光の横顔》 1886年 リトグラフ
荘厳なうつくしさ、光のみごとさ、でもみていると心が揺らぎます。

        
        《蜘蛛》 1887年 リトグラフ

笑ふ蜘蛛、たしかにグロテスクですが、でも愉しい。長いことながめていました。

        
        《女の横顔》 1885年頃 木炭
         ほっとするような可愛らしさです。


2 色彩のルドン

      
      《風景》 油彩 制作年不明
なんだか高橋由一の絵を思い出してしまいました。こういう風景画など時々描いては自宅に保存していたそうです。

        
 《翼のある横向きの胸像(スフィンクス)》パステル、木炭、チョーク 1806−1900年頃
   こういう絵は好きです。もっと早く知っていたらと思ったくらい印象的でした。

        
        《眼をとじて》1900年以降 油彩
こんな綺麗な色の《眼をとじて》もあったんだと驚き、眼をとじて好きな音楽を聴いているような明るさを感じます。

3 ルドンの周辺ー象徴主義者たち

            
      ギュスターヴ・モロー《聖セバスティアヌスと天使》 1876年頃 油彩
       やっぱりこの時代の人だったんだ、モローの絵は偏愛してます。

          
       エドヴァルト・ムンク《マドンナ》 カラーリトグラフ 1895−1902
          ムンクも同時代の画家です。

           
      アンリ・ファンタン=ラトゥール《幽霊船のフィナーレ》 1885年 リトグラフ
          
        オディロン・ルドン《パルジファル》 1892年 リトグラフ

この2枚というかラトゥールを見ていて先日見たワーグナーの絵を思い出していたら、いきなり違うタッチのワーグナーが出てきて、よく見たらルドンでした。ワーグナーの楽劇を絵にしたものはかなりありますが、ルドンも描いていたのですね。すてき!

長々と書いてしまいましたが、最後に《グラン・ブーケ》です。この絵について解説の部屋もあり、他の絵の展示の途中の部屋にありました。足を踏み入れた途端、えっ、これ本物?と思うくらい大きくてちょっと霞んでいました。
パステル画なので、光のあたり具合で薄く見えただけで、まあびっくりする美しさでした。

      
      《グラン・ブーケ(大きな花束)》 1897年 三菱一号館美術館蔵

   この絵について来歴が書いてありました。
      1987年春 ロベール・ド・ドムシー男爵からルドンに直接発注
      1901年4月 ドムシー城の食堂に設置
      1910年6月 ドムシー城の壁から取り外し
      2010年8月 三菱一号館美術館が取得

   この絵はこの展覧会の後は2012年9月から展示の予定だそうです。
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三菱一号館美術館 オディロン・ルドン パルジファル パステル画 ファンタン ギュスターヴ 岐阜県美術館 シューベルトの歌曲 ボードレール
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6 コメント

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Unknown (oki)
2012-02-18 21:47:22
こんばんは。しかし寒いですね。池は凍っているのでは。
ルドン、気合い入ってましたね。最後のミュージアムショップの部屋まで展示に使ってー。
世紀末美術、千足先生の最初の講義がルドンでした。ルドンは進化論に関心あったとか、今回の展示みて、なるほどと。
色彩のルドンも素敵ですね。
あとムンク、すぴかさんが挙げておられる絵でも、額に精子描いているのですね、これにはびっくり。
さて速く、横浜美術館行ってこないとー
ルドンは見ました (jyujyu)
2012-02-19 00:01:31
ルドンは見ました。今週ですけれど。金曜以外にも夜間開館があるところがいいですね。何かのブログか記事か、何だったかは忘れましたが、「チラシが4枚あって、丸の内周辺に散らばっている」…みたいなことが書いてあったので、3枚までは集めて持っていたですが、4枚めが見つからず、そこらじゅうの丸ビルを捜索しつつ見つからないまま疲れ果てて美術館にたどり着きましたが、会場にはちゃんと4種類のチラシがありました!(涙)
さて、ものすごく感動したのがルドンの師匠様という版画家の版画(モローのある部屋にありましたっ)「死の喜劇」と「善きサマリア人」。密度があって丁寧でそこここに妖怪(?)みたいなのがいて…。
ヒエロニムス・ボッシュのような世界。
そして次の部屋で見たラトゥールの版画(この人の版画は始めて拝見しましたが)。柔らかくて雰囲気があって素敵でした。
そしてモローはやっぱり絵がうまいですね…としみじみ。
って、ルドン展でしたね。
グランブーケは壁まで下がって壁に背中をくっつけて体育座りしてしみじみ眺めてきました。
Unknown (すぴか)
2012-02-19 18:09:16
okiさん
こんばんは。ほんとに寒いですね、でももう池は凍らなくなっています。なんだか不思議ですけど。
千足先生の講義って面白そう、私はちっとも手は広げられません、時間はいっぱい出来たのに。
あのムンクのマドンナの解説読んでびっくり、私はあの絵とちょっと似ているシュトゥックの原罪を思い出していました。どっちにしてもあの辺の絵画は、覗いては逃げ出したくなります。横浜美術館の感想お待ちしています。
Unknown (すぴか)
2012-02-19 18:41:55
jyujyuさん
こんばんは。ルドン展よかったですね。なんだかいろんなこと考えました、何で今まで関心を持たなかったのだろうとも。
チラシ4枚あるとは聞いてましたが、すっかり忘れていました。ゲットできてよかったこと!
あれもこれもと、観るのにびっくりするくらい時間かかりました。あの《死の喜劇》どんな絵にだってああいう詩情がなくては、ついていけません。
ラトゥールの版画、八王子美術館で20枚近く観てすっかりとりこに、ラトゥールは花とか静物のきれいな絵しか(西美にある)知らなかったので、同じ画家なのかよくよく調べたりして。そのときの版画はワーグナーのものばかり、ルドンもワーグナー好きだったのかしら、ブリュンヒルデもありましたね。
グランブーケまあよく手に入りました、ありがとうって言いたくなります。
花の画家 (jyujyu)
2012-02-21 20:15:59
ラ・トゥールといえば花の画家、静物画の画家と思っていたのですが、版画もやっていたのですね。昔、横浜美で見た「フランス絵画のナントカ」って展覧会で、ラ・トゥールの闇とかを擬人化したような幻想的な絵を見た記憶があいまいにあるのですが、あれは油でしたが、今回の版画はタッチがそれに似ていたかもです。
それにしても八王子美術館にそんなに彼の版画が沢山あったのですか。遠くて行かれませんが。
あと名古屋のヤマザキマザックという美術館に子供の頭部を描いた彼にしては珍しい人物画がありまする。
チラシは裏だけが違っているのに三菱美では全部表を見せて置いてあったので、なかなか気づきませんよね。
Unknown (すぴか)
2012-02-22 00:37:32
jyujyuさん
こんばんは。ラ・トゥールっていろんなところにでてきますね。マネ展にもあったような、集団の人物画、モリゾとも、パリのサロンの人だったでしょう?八王子の版画の展覧会は埼玉でもあったんですって、素敵な図録もあったのにどこで展覧会やったか載ってなくて、全国あちこちで巡回していたようです。そのときも彼の後にルドンが出てきました。(11年12月21日に記事にしています)

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