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南蛮の夢、紅毛のまぼろし  府中市美術館

2008-04-19 23:11:04 | 美術
「南蛮の夢、紅毛のまぼろし」 府中市美術館 に行ってきました。(4/17)

  
   図録の表紙                     国宝 十字架及びメダイ(メダルのこと)
   阿蘭陀人食事之図(部分)            木製黒漆塗 青銅製
   長崎歴史文化博物館               仙台市博物館

大変面白いテーマで歴史と絵の世界が渾然としていました。
まず歴史画の中の〖南蛮―政宗と常長〗です。

  
  支倉常長像(模本)        伊達政宗
  児島虎次郎             今村紫紅
  明治39年(1906)頃       明治43年(1910)
  東京藝術大学大学美術館     横浜美術館

この常長はヨーロッパ滞在中に現地の画家が描いたものを、常長が持ち帰ったので、
それを児島虎次郎が模写したもの。原本は仙台市博物館にある。
十字架の前に座っている伊達政宗、静かな絵ですが不思議な雰囲気、手の描き方に
力がこもっていて、見ていると何か熱くなってきます。



 使命 福田恵一 222×362 大正14年(1925) 堺市博物館 

常長一行の絵です。堂々とした常長がローマを目指して隊列を組んで行く姿。大きな画面
いっぱいにまるで油彩のように描かれていました。

  
  雄図 福田恵一 93,5×114、5             淀殿 福田恵一 267,5×172,5
  愛知県美術館                         大坂城天守閣

世界地図を見入る信長が実に印象的だ、そしてオルガンを弾く黒人とか黒豹は何を意味する
のか三つの視線は世界地図へ、わからないけれど明るくて素敵な印象、好きな絵です。
それに淀殿、美しい大きな絵、この部屋に入った途端、引き寄せられました。見事です。


〖蘭学の風景〗
「腑分け」山村耕花の絵がまず目につきました。杉田玄白、平賀源内、シーボルト達が描かれて
いました。そのほか司馬江漢の銅版画が眼を惹きました。

  
  皮工図 司馬江漢 紙本銅版筆彩 11,0×14,4 
  天明5年(1785) 府中市美術館
  小さいですが色あざやかな綺麗な絵です。

〖南蛮・紅毛の追憶〗
  
  紅毛人逍遥図 ガラス、着色 29,2×49,9 江戸時代後期 
  長崎歴史文化博物館
  ガラス絵は時々見ますがとても綺麗な色ではっとします。

この展覧会で、沢山出ていたのが、川上澄生です。小さい絵が多いのですがこれが
南蛮のものという感じがよく出ていて、ガラス絵などもありました。

  
   カピタン図A 川上澄生      泰西男女図 川上澄生    オランダ人遠眼鏡
   昭和34年(1959)        昭和31年(1956)      江戸時代後期
   鹿沼市立川上澄生美術館                      長崎歴史文化博物館

  
  蘭人遊興図 粥川伸二 大正15年(1926) 堺市
芸者が招かれ黒人が給仕をして、なんとも楽しそうな、当時の様子がよく出ています。

〖夢想する人々〗
  
  化粧 鏑木清方 昭和8年頃     ぎやまんの酒 池田輝方 大正時代
   福富太郎コレクション          福富太郎コレクション
うつくしい女性、大正から昭和のはじめ、とてもモダンだった!すてきです。


風俗図(彦根屏風写)(部分)      (参考)国宝 彦根屏風(部分)
木村金秋 大正時代 167,8×86,6
彦根屏風を模写したといいますが、縦長の絵で、真中辺にうつしています。
同じような人々の配置、屏風は面白く曲げられています。


〖信仰、禁教〗

伴天連お春 松本華羊       天草四郎 勝田哲
大正5年(1916)頃         昭和4年(1929)
福富太郎コレクション         島原市

伴天連お春はキリシタンの遊女、朝妻を描いた絵だという。
この絵を見た瞬間、上村松園の「焔」(大正7年)を思い出していました、悲劇の
女性の何かつよい想いが、見るものの胸の底に直接うったえてきます。

天草四郎、悲劇のひと、青い海をバックに美しい姿、2点並べてありました。






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4 コメント

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Unknown (キリル)
2008-05-05 20:36:05
こんばんは。
連続で失礼します。
日本史から西欧を眺めるようでとても不思議な感覚が味わえるいい企画展でしたね。
《使命》について「まるで油彩のよう」とお書きになっていますが、まさにそういうところでも、東西が交差しているさまを感じてしまいました。

ところでリンクさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。

Unknown (すぴか)
2008-05-05 22:48:54
キリルさま
こんばんは。連続でありがとうございます。
ほんとに素敵な展覧会でした。
安土・桃山時代からがらっと変わった江戸時代、
絵にもそれがよく出てましたね。

リンクの件、どうぞよろしく、光栄です。
Unknown (遊行七恵)
2008-05-10 18:29:47
こんにちは
これは本当に素敵な展覧会でしたね。
そしてすぴかさんの記事の構成がまた素敵です。
画像の入れ具合がとてもよくて、すぴかさんプロデュースweb展覧会になっています☆

近代日本画は歴史画という分野を持っていましたが、そのことを深く味わえた内容でした。
わたしは1920年代に憧れてますが、この南蛮紅毛人渡来の時代にも行ってみたくなりましたよ。
Unknown (すぴか)
2008-05-11 11:49:38
遊行さん こんにちは
コメントとTBありがとうございました。
ほんとに素敵な展覧会で、4/26にまた行ってきました。「南蛮人来朝之図」が遅い展示だったので、「南蛮屏風」いろいろありますけど、これすばらしいですね。私は安土桃山時代から江戸時代にあこがれています。

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