文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization on September 2016

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自由や平等、民主主義などの自由民主主義の理念は、いずれも安定したネイションのもとで最もよく実現する

2017-10-17 17:57:17 | 日記

以下は前章の続きである。

英語圈の政治理論の分野では、近年「リベラル・ナショナリズム」の政治理論が支持を集めるようになってきている。

これは、1990年代半ばごろから登場した政治理論の一潮流であるが、端的にいえば、自由や平等、民主主義などの自由民主主義の理念は、いずれも安定したネイションのもとで最もよく実現すると指摘する議論である。

つまり、国民意識や愛国心、国民相互の連帯意識、あるいはナショナルな言語(国語)や文化(国民文化)など「ナショナルなもの」が確固として存在して初めて、自由民主主義の政治が実現すると論ずるものだ。

代表的論者は、オックスフォード大学のデイヴィッド・ミラー教授などである。 

リベラル・ナショナリズムの理論を概観してみたい。

まず「自由」に関して述べれば、ある人が自由自在に活動するためには、よほどの天才でもないかぎり、母語が通じる環境がなければならない。

言語以外にも、慣れ親しんだものの見方や生活様式などナショナルな文化が栄えている場がなければ、その人は不自由を感じ、自らの能力を思う存分磨いたり、発揮したりしていくことは困難だ。

つまり、ナショナルな言語や文化が維持され繁栄していなければ「自由」の実現は難しい。 

「平等」にもナショナルなものが必要である。

平等を実現するには、再分配的な福祉政策が求められる。

だが福祉政策が民主的同意を得るには、人びとのあいだに強い連帯意識(仲間意識)がなくてはならない。

有り体にいってしまえば、福祉とは、恵まれている者、つまりよく稼ぐ者から多めに税金を徴収し、恵まれない者に配分する制度である。したがって再分配政策が円滑に行なわれるためには、豊かな人びとが、恵まれない人びとの境遇に強い共感の念を継続的に抱く社会でなければならない。 

この稿続く。

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