香山リカ 著『今どきの「常識」』読了
香山さんは、以前から今の日本社会が直面する社会的現象や問題を、精神科医の観点から捉え、発言したり出版したりしています。今回は、最近の気になる状況を
１．人間関係
２．仕事経済
３．男女・家族
４．社会
５．メディア
６．国家・政治
以上の6章から、解きほぐしていきます。
現代の「キーワード」は、以下の３０・・・
これらを、挙げながら、身近な問題から取上げて、日本社会が今進みゆこうとしている道を、「果たしてそれでいいの？」と問題提起・・・・。
最後の国家・社会問題では、かねてから著者が問題にしている日本の「ネオ(プチ）・ナショナリズム」の危険性を訴えて終わっていますが、この度の、郵政民営化法案のあっという間に・・・反対から賛成へという小泉劇場を眺めていると、著者の言う危険性に思わず納得してしまったりとか。
しかし、
「ではどうすればいいの？先生」
という気がします・・ ・
ＴＶでの発言もそうなんだけど、最後のひと言が欲しいの。
「自分で感じて、考えろ」っていうことかしら。
何ていうか
、日頃「何だか変じゃない？」って思うことを、この本を読んで「やっぱり」っていう効果は有りかなぁ？
（政治・国家より、人間関係等の話題だと、本領発揮ですけど、欲張り過ぎの印象・・でも、社会全体の右傾化を心配しているのは良く分ります・・・）
・・・・・現代のキーワードを取上げる都合上か、多くの話題の本を著作の中で紹介してまして、ワタシなどは、そのことにも、ビックリ・・
１、「バカ」ブーム
２、世界の中心は自分・・「かわいそうなのは、私」
３、「悪いのは私ではない」・・他責的な心理傾向
４、「涙」絶対主義・・「切り札」は涙
５、厳罰主義・・他者の痛みに鈍感
６、結局お金・・お金儲けは、よい事
７、まず現実ありき・・現実追認の発想
８、自分らしさって何？・・ニートの元凶
９、タレパンダ・・「ゆっくりしたい」って？
１０、なぜか女らしさの強要・・ジェンダー教育は？
１１、名古屋嬢にみる・・・男受けするイメージ
１２、三世代同居のススメ？
１３、不倫は文化・・って、誰かに認めて欲しいの
１４、ゆとり教育失敗・・責任回避のメカニズム
１５、自己責任・・問題の矮小化による現実逃避
１６、尾崎豊なんて知らない・・従順な子達
１７、常任理事国入り・・競争には勝たなければ
１８、負け組・・病気も障害も？
１９、インホームド・コンセプト・・エッ？判断するのは誰よ・・
２０、「ノーテレビデー」・・・専門家の提言の危険性
２１、占いブーム・・血液型で納得したい心理
２２、生き返り・・現実の絶望
２３、外国人犯罪の増加？
２４、「平和」「反戦」・・口に出しただけでシラケル「今」
２５、ナショナリズム・・「普通・健全・自然」化へ
２６、国益・・国民の利益から、国家の利益へ
２７、過去にこだわるなの政治・・個人は、トラウマの「こころのケア」
２８、普通の国・・普通という言葉の曖昧さ
２９、テロに屈するな・・この言葉の前に、検討の余地は無い ？
３０、「平和のためなら死んでもいい」・・現実とどう向き合うか
