ブログスムタ

演劇だの映像だの猫だの犬だのなんでもいくぜ!

ちょちょ、一旦止めようか。

2017-04-16 09:09:50 | 日記
「ちょちょ、ちょっと一旦止めようか。」思わず立ち上がりそうになった演劇は「東京乾電池の明治座での公演」だ。

面白い面白くない、の問題じゃなくて。「聞こえない」んだ。

主宰の方に言わせれば「初めての大きな会場なので」かもしれない。「それでもあたたかいお客様が」とか言ってそうだし、「私の芝居はこういうものだから」とも言いそうだ。

止めればよかった。

きっとテレビかなんかで「お客に芝居を止められまして」とか笑いながら言いそうだ。

今回の観劇は、うちのカミさんがチケットを取ってくれた。

「面白いかなぁ、どうかなあ」と取ってから明治座に入るまでずーっと言っていた。
「前から3列目が空いててね、でも花道の近くもあってね、どっちがよかったかなあ」とか狭いところがダメな僕だから、通路側を選んでくれたりとか、「お弁当ね、前は1,300円だったけど今回は1,600円のにしてみた!」とか。

そういう思い、わかるかな。

アマチュアのくせにそんな大事なことができてないなんて。

ぜひ、アマチュア性を語るのはやめてほしい。今回のは商用のプロの出来損ないだ。


さて、聞こえないなりに感想を。


【煙草の害について 作:アントン・チェーホフ】

まず戯曲がつまらない。展開が見え見えで、無駄な講釈も長い長い。「うちのカミさんがタバコの害について語れというから、まあ、そういうのもいいでしょう」から始まりそれっぽいことを喋るパートと、脱線したパートで構成される。
こんな戯曲が面白いのですか? と演劇人に問いたい。タバコの害をテーマに持ってきた以上、それを真剣に語るわけはない訳で。まあ、カミさんの愚痴にとかに逸れて笑いを取るしかないよなあ、という。
演出についてはよくわからないけど、いないんじゃないですかね、演出。
演出家がいたら、灰皿投げますよ。これ。

いっそのこと離婚になって「私はヤモメ」とか言った方が面白いんじゃ無いですかね。



【夏の夜の夢 作:ウィリアム・シェイクスピア】

戯曲はお見事。何言ってるか聞こえないけど、なんとなく面白い気がしました。恋の媚薬とかね。

ただ、この劇団には戯曲を大事にしようという気構えがない。作家に対するリスペクトや、観客に伝えたいという思いがない。

残念なことに声が聞こえない役者さんや滑舌の悪い役者さんのせいで、何を言っているのかわからずじまい。
そもそも英語と日本語をミックスしよう!という発想はよかったけど肝心な部分を英語でやったりするもんだから、わからなくはないけど「そこは伝わらなくても良い」ということになってしまう。あるいは明治座にいらっしゃるハイソな方にはわかるのか。
戯曲を大事にするのであればマジシャンのセロみたいに英語を喋った後、日本語で繰り返してほしいし。あるいは字幕を入れるとか。

良いところがないならセットを褒めてあげたいところだが、セットは無いに等しい。衣装も褒めるところはない。


ぜひ、次回は眼科画廊でやってほしい。