鳥の翼をもつ馬。大地を駆けるように天を飛ぶことができる。天馬ともいう。
ペルセウスがメドゥーサの首を切った折り、その切り口からクリュサオルとともに生まれてきたという。
コリントスの英雄ベレロフォンはこれに乗り、天駆けて数々の武勲を立てたが、次第に増長して天に昇ろうとした。それに怒ったゼウスが放った虻がペガサスの鼻を刺し、暴れた愛馬によって振り落とされたベレロフォンは墜落死したという。
鳥と馬は遠距離を早く移動できるものである。それは人間にとって使役できるすばらしい力をも意味するが、同時に人間が知恵と力を過信して、制御できなくなれば最も危ないものになるとも言える。
文明に奢る人間の心を戒めるものである。
人間は知恵に先走るよりも先に自分の弱さを知らなければならない。それでなければ賢いとは言えない。