鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

統合医療に学ぶ

2017年04月29日 | 議会活動

平成29年4月29日(土)

 

 NPO主催の「総合医療に学ぶ、心と体の健康増進フェス in 富士」に参加してきました。最初に朝霧高原診療所医院長の山本竜隆先生による「地域でつくる統合医療の推進」と題した基調講演をお聞きし、講師を交え、市の健康対策課長、市内各地域包括支援センターの主任介護支援専門員、市社会福祉協議会、リハビリに携わる医療関係者、食育などで活躍する市民団体代表、主催者であるNOP関係者ら20名ほどが集い、「統合医療によるまちづくり懇談会」が行われ、私は県議の立場で出席し発言させていただきました。今日の会合は、2025年に団塊の世代が75歳を迎えるまでを完成目標とする「地域包括ケアシステム」の構築に、大きな影響を与えるものとして注目されています。

(主催者のあいさつ。右は基調講演講師の山本先生)


(基調講演のようす)

 

 講師である山本先生から提供していただいた資料によれば、統合医療は、一般的にがんなどの難病を現代西洋医学以外の様々な医療を結集して、個々に合わせてコーディネートする医療と認識され、都市部のように医療従事者や各種の代替療法家に恵まれていることが前提とされています。しかし、その環境が整わない地方では、地域にある人的資源や自然などを活用していくことで実現可能であるとしています。

 具体的には、治療や予防医療(地域型医療)と滞在型自然療法やウエルネスツーリズム(地域活性型)を両輪として、田舎型統合医療の形態を取ることを提唱しています。温泉などの自然が豊で静養可能な環境と言い換えれば、本県の伊豆地域は真にそれを充足している地域であり、本県が取り組む、「伊豆半島生涯活躍のまち」構想に近い考え方かもしれません。

 実際に、山本先生は、伊豆半島地域からも地域医療型統合医療の考え方について、参考にしたいという声がけもあるそうです。

 

 統合医療を提唱するアンドルー・ワイル博士の「統合医療の定義」には、「病気」と「治療」ではなく、「健康」と「治癒・養生」に医療の力点を置くとしています。科学的な検査に基づき治療を行うことは、しばしば患者のライフスタイルを大きく変えてしまうことがあります。「生活の質」(クオリティ オブ ライフ)という言葉がありますが、人の生きる尊厳に軸足を置いた考え方で治療することが統合医療の目的と言えます。

 

 秋山先生は、東京で医師として医療機関に勤めていましたが、その時、今の医療のあり方に疑問を感じ、米国アリゾナ大学医学部で統合医療のプログラムを学びました。そして帰国後は、富士山の西麓、朝霧高原にある診療所を、地域では51年ぶりの医療機関として甦らせたのです。この地域は標高700mで健康増進に適する一方で過疎化が進んでいます。内科・小児科・皮膚科・漢方内科医として勤務、在宅医療や往診、学校医、産業医、救急医療センター当番など、全てをこなしていかねばなりません。家庭医という言い方もあるかもしれませんが、これも都会と田舎では仕事の量や役割も異なっています。

 ここでの取り組みは、日本にはもちろん統合医療を学んだ米国にも例はほとんど無いようですが、欧州には多くの事例があるとのことで、それを参考にしているそうです。

 欧州の医師からは、日本の豊かな自然(森林、河川、海など)をなぜ医療に活かしていないのかと指摘されたことがあるといいます。また、コミュニティーの大切さ(自助、共助による人間関係の充実など)も、世界保健機関(WHO)が「健康支援環境」と表現しているように、重要な要素であることを説明されました。

 

 これらをまとめると、医師としては「自然環境や社会、生活全般を含めた幅広い視点で、地域住民の健康増進や治療に関わり、コミュニティーの一員として活動することが本来の統合医療ではないか。」と結んでいます。

 

 そのほか、「食」についても地産地消や有機農法などの身体に良い、食材、食品、食事などについても、「健康の増進」の位置づけで触れていました。また、食育や自然体験の重要性については、子どもの時から教育的視点で教えていくことの大切さと、「机上」だけでなく「実体験」を伴わなければ成果が表れないなど、統合医療らしい社会の幅広い視点、課題から発言が続いたことに、感心しました。

 

 国では、自民党国会議員による「統合医療推進議員連盟」の活動内容や、その成果として厚生労働省内に「統合医療企画調整室」が設置されたことも紹介され、我々地方議員も地方の立場から意見を述べていく必要性も感じました。なぜなら、地域医療型統合医療は、地域の特色を活かした取り組みであるからこそ、成果が出るものだからです。

 

 今後は、地元富士市や地域で活躍する医療・福祉などに関連する市民団体などと交流の機会を増やし、さらに統合医療について学ぶ機会を増やしていきたと思います。

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