鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

「自然農法への挑戦と農業による地域活性化」講演

2017年07月16日 | 議会活動

平成29年7月16日(日)

 

 「自然農法による、米づくり、野菜づくりへの挑戦! 農業による地域活性化」と題した講演を聴くことができました。

 講師は、伊豆天城湯ヶ島で、「浅田ファーム」を経営する浅田藤二氏です。

(講師の浅田藤二氏)


(スライドを使って説明)


(自然農法の定義とは)

 

 今、「儲かる農業」という言葉で表現する、これからの農業像が注目されています。農業は、私達にとって生きていくための大変重要な食料を供給する分野ですが、海外から輸入される安価な農産物は、日本の農業経営を脅かし、衰退させる原因にもなっています。広大な土地で大きな機械を導入し、効率的な農業を進める国と価格で勝負するのは簡単ではありません。一方で、人件費の安い開発途上国からの輸入も、効率的な農業でなくても、価格での勝負には難があります。

 日本の農業が見直されたのは、輸入農産物の安全性が指摘されたことが大きな原因の一つです。人体に影響のある農薬や保存、着色のための薬品、保存や運搬のための衛生管理、遺伝子操作食品などがありました。その結果、国内産の農産物に注目が集まりました。

 食料は、価格の問題はあっても、安心と安全が守られることが大原則で、そして、美味しいことは言うまでもありません。それらを前提条件として価格の安いものであるべきです。

 

 海外では、食の安全にかなり気を遣うようになりました。安心と安全を確保しなければ日本に輸出できないことが判ってきたからです。そして、価格競争に勝てる状況も図られ、日本の農業は輸入農産物に追いやられる状況が続いています。特に、TPPのように農産物の輸入関税の緩和などにより、その影響は避けて通れなくなりました。

 

 農業は安心安全な食料供給のほか、健康長寿社会を担う役割も期待されています。それは、戦後の食生活の急速な欧米化により、生活習慣病の発症など、健康不安を訴える人が増えていて、食と健康が切り離せなくなっているためです。

 国は平成26年度より「医福食農連携」の施策を取り組みはじめ、農林水産省は、病気の予防と健康寿命の延伸を促す食育の推進および有機農産物や地域の独自性を生かした安全・高品質の食材による地域の活性化の促進の取り組みを推進しています。

 「医福食農連携」(詳しくは、http://www.maff.go.jp/j/keikaku/ifukushokunou.htmlを参照)

(国が目指す農業のあり方)

 

 先ほども、日本の食品の安心・安全につて触れましたが、これを海外から見ると額面通りに受け止めていないこともあります。例えば、本県の茶の輸出に関し、海外では残留農薬等の懸念から消極的であったり、和食が世界遺産に登録され、その核となる「出汁」となる焼津の鰹節なども、海外の食品安全管理基準からすると、すんなりと受け入れてくれません。日本人にしてみれば、お茶の効能や美味しさを強調して長きに渡り日本人が摂取してきた中で、健康面に与える影響は、「プラスはあってもマイナスなどあるはずが無い」と言うのが、日本人の常識です。

 しかし、誰もが納得するためには、共通の基準を持つことが重要です。そこで導入が始まったのが、「農業生産工程管理」(GAP)です。GAPは、農業においてある一定の成果を得ることを目的として、実施すべき手法や手順などをまとめた規範、またはそれが適正に運用されていることを審査・認証する仕組みのことです。

 その流れの中で、最近注目されているのが、無農薬や有機農法で生産された農産物となります。以前視察した、鹿児島県の南九州市や霧島市で生産された有機農法栽培のお茶は、出荷前から海外のバイヤーが買い付けに来るという場面を、直に見たことがあります。

 

 前置きが長くなりましたが、今回の講演の演題にある「自然農法による米づくりと野菜づくり」は、真に時代のニーズに合った取り組みで、国内外の消費者に注目され、マスメディアなどで取り上げられることで、各方面から引き合いがあり、「安心・安全と美味しい」を備えブランド化に成功した事例でした。しかし、講師はその手法が確立するまでは、自らを追い込みながら大変な苦労があったことを紹介しました。また、良い農産物をつくれば、それを材料として新たな加工品もでき、販売も自ら手がけ、いわゆる6次産業として成長していったと言います。さらに、この成果を自分一人のものとせず、多くに広める姿勢が、行政や農業従事者、外食関係者などのほか、農業に活力を求めて農業以外からも多くの人が訪れるようになり、そこには、男女を問わず、また若い人達も農業の魅力を発見し、新しい人生観を得ているとのことでした。

 地域の農業以外でも、ここで作った農産物を用いた特選料理を地元の旅館がメニュー化するなど、ここに外から人が移り住む移住定住の効果は大きくなくても、交流人口は確実に増え、地域の活性化にも大きく役立っているとのことでした。

(上の表に近い環境を整えば、良い農産物ができるという)


(良い食材で作った加工品)


(農家が目指すべき姿)


(農業法人を立ち上げて経営に望む)

 

 彼は「自然農法や有機栽培は手間ばまりかかって儲からない」のジンクスを完全に変えました。私達は、彼のような実践的な活動を展開する農業経営者の取り組みが県内全体に広がるよう、応援していかねばなりません。

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