鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

八女茶に取り組んで一世紀を目指す老舗茶舗

2017年04月19日 | 議会活動

平成29年4月19日(水)

 

 福岡県八女市は、九州の主たる茶の生産地の一つで、静岡県と関わりの深い地域でもあります。現在は三代目が受け継ぎ、茶の生産を始めてから一世紀を目指す老舗茶舗の室園銘茶を視察させていただきました。

 

 昭和元年創業で、当初は茶製造が主体でしたが、その後、製造直売を展開し、八女市内の契約農家から生茶を仕入れ、風味を損なわず独自の製造方法(特許を取得)による良質な「100%八女産の深蒸し茶」を、問屋を通さず直接販売しています。

 店舗と工場が隣接し、店舗は「茶の文化」を伝える趣に溢れ、敷地周辺の生け垣は茶の木が植栽され、茶畑の中にあるようです。店舗の中はゆったりとして、大きなガラスで仕切られた中庭の日本庭園や、陶器や掛け軸、茶器を展示し、美術館のような雰囲気の中で、ゆっくりとお茶を楽しむことができる空間でした。特別な宣伝はしていないと言うことで、この雰囲気と絶品な茶を求めることができることが口コミで拡がり、売り上げはかなりあるとのことでした。

(訪問先の外観)


(生け垣は、旬の茶の木)


(オシャレな玄関。奥の窓ガラス越しに日本庭園が見える)


(茶の文化を伝える室内)


(茶器も取りそろえる)

 

 工場は、最新の設備が導入され、同行した茶農家でもある同僚県議会議員も、このような設備はあまり見たことがないと驚いていました。製造方法は特許も取得しているとのことで、長年培ってきた技術が独自の製法を創り上げたと言うことでした。

 

 一日あたりの生茶の入荷量は30,000kgで、製品になると6,000kgになるとのことです。現在の契約農家は約20軒ですが、かつて多い時には50~60軒ほどあったということで、茶農家が減少していることがうかがえます。しかし、全体の入荷量は大きくは減少していないようで、辞めた農家の茶畑を他の農家が引き継ぎ、農地を集約化し機械の導入により省力化が可能となり、経営が安定しているといいます。

 

(工場内の製造ラインを説明していただいた)


 81歳になる二代目の功績は大きく、創業期からこれまでの取り組みを回顧録のように説明をしていただきました。昭和30年以前のお茶は輸出が好調で、今では考えられないほどの高値で取引されていましたが、その後大暴落し、茶業の苦悩が始まります。その苦しいときに大きな礎となったのは、静岡県茶業試験場の研修での経験と言います。当時、栽培担当の研究員は、静岡県が国の研究機関からヘッドハンティングした人で、この研究員と地元の茶農家から教わった茶づくりのノウハウが、今を支えていると言います。彼にとっては、静岡県との出会いが大きな影響を与えたということなのでしょう。

(二代目が自ら茶を入れていただく)

 

 茶の製造技術はもちろんのこと、販売に対する取り組みが一番難しいといいます。「消費者から選ばれる」ためには、良いお茶を造ることだけでなく、茶づくりの哲学と茶の文化を取り混ぜてこそ、最高の評価が生まれるのかもしれません。

 

 今回の視察では、静岡県が日本の茶づくりをリードしてきたことは再確認できました。そして、静岡県で学んだことが今もこちらで活かされているなか、これからの茶づくりに何が必要か、静岡県を手本として活躍される九州地区から学んだような気がします。

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