鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

総務委員会県外視察 指定管理者制度と原発再稼働

2016年10月19日 | 議会活動

平成28年10月19日(水)

 

 今日は鹿児島県に移動し、指定管理者制度による「出水麓武家屋敷群」の管理運営と、東日本大震災後、初の再稼働となり、かつ定期点検を迎えた薩摩川内市にある「九州電力(株)川内原子力発電所」を視察しました。

 

 出水麓武家屋敷群は、鹿児島県内にある南九州市知覧の武家屋敷群などと同様、県内三箇所ある武家屋敷群の一つです。

(案内表示)


(説明いただいた、出水市、NPOの皆様)


 平成7年に国の「重要伝統的建築物群」(伝建地区)に指定され、NHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地になったことでも有名で、平成10年に「出水麓街なみ保存会」として伝建地区全住民が加入し、組織化して保存会がスタートしました。

 平成19年には、先に触れたNHK大河ドラマのロケが始まり、その後観光客が急増しました。

(NHK大河ドラマのロケが行われた武家屋敷)


(武家屋敷群の街なみ)


(甲冑や刀が展示されていた)


(いろりの脇には、もしもの時に、妻子を逃がす地下通路が用意されていた)


(当時の衣装を展示)


 平成21年には、市が所有していた公開武家屋敷二箇所が、当会により指定管理者となり、その後、鹿児島県内の三箇所の武家屋敷サミットを開催し、さらに、全国伝統的建造物群保存地区協議会総会が薩摩川内市内で開催されるなど、伝建地区への取り組みが高まっていきました。

 静岡県も、県営施設の指定管理者制度を導入していて、その参考事例を求めて視察したものです。

 平成26年には、5年ごとの見直しが行われる指定管理者制度において、二回目の更新となり、平成27年には、「特定非営利活動法人(NPO)出水麓街なみ保存会」として、社会的地位を高めました。

 保存会の正会員数は197名、理事23名で、今月2日には、三箇所目の公開武家屋敷となる「三原家」を、所有者と直接契約し、保存管理を行うこととなりました。

 現在、地域の武家住宅は26軒で、武家門は25門ということですが、このままでは少しずつ消えていき、所有者が地元を離れ空き家になるなど、いずれ消滅する危機に直面しています。歴史的な価値があるといても、その外観を保存するためには経費が必要であり、国・建・市の行政負担が80%で、残り20%は所有者負担となりますが、その20%も負担が大きいとして、所有者の理解と協力が得られないと言います。

 歴史的価値観を生かし、地域のまちづくりや観光への活用などの期待が高まる中で、生活者の目線で空き家となる環境悪化に配慮した取り組みは、行政主導でなく、そこに住む市民活動だからこそ可能と言えます。

 指定管理者制度の良い取り組み事例として視察地に選びましたが、そこには地域の特別な事情が色濃く表れた事例として、今後の参考となる機会でした。

 

 次に視察したのは、九州電力(株)川内原子力発電所です。

 東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所事故後、初めて再稼働した施設であり、先頃行われた鹿児島県知事選挙では、「再稼働に反対する」ことを公約に掲げた候補者が当選するなど、また、新潟県知事選でも同様な結果を迎えたことから、現在最も注目が集まる原子力発電所の一つです。

(川内原発の遠景)


(説明いただいた九州電力職員)

 

 静岡県内は、中部電力浜岡原子力発電所を有し、ここは、福島第一原発事故後の政治判断で停止されたもので、福島第一原発の事故原因が明確に解明されていない中で、電力会社独自の分析と判断により、また、国の原子力機関の意向を受けて、原子力防災対策を施し、再稼働に向けた動きを見せていることから、やがて、本県県議会でも何らかの判断に関わる立場をとらざるを得ないことから、視察先として選んだものです。

 視察では、九州電力の担当者から川内原子力発電所の概要と安全対策に実施状況について約30分間説明を受けました。

 その後、厳重なセキュリティー管理下の発電所内に入り、安全対策を施している現場を、2時間以上かけて、つぶさに見て回りました。

(非常用発電機やポンプ車が並ぶ。竜巻対策として、トラックを地面にくくりつける設備も)


 この原発は、加圧水型軽水炉二基の原子力発電設備があり、営業開始からいずれも30年以上経過していることから、安全・安定・安心運転の継続と、信頼性の向上の観点から、大規模な設備更新を行っています。ちなみに、福島第一原発や浜岡原発は、ここと方式が異なる沸騰水型軽水炉を導入していて、電力会社により、その長短を判断して導入しているとのことでした。

 先ほども触れましたが、福島第一原発事故は、現在も原因究明が行われており、総括ができていません。ただ言えることは、「地震や津波などにより安全機能が一斉に喪失し、その後の重大事故の進展をくい止めることができなかった。」という事実があります。

(福島第一原発の反省)


(福島第一原発の教訓を生かした、新規制基準)


 国は、これらに対応するための「新規制基準」を示し、各電力会社がそれぞれ所有する原発に対し、個別の環境にあった独自の安全対策を求め、5年間の猶予期間を与えることにより、新たな基準に適合することを求めています。

 大規模な自然災害への対応では、「地震想定の見直し」、「火災防護対策の強化」、「津波想定の見直し、防水対策の強化」、「竜巻対策」が行われています。

 安全対策の実施状況では、「冷却手段の多様化」、「電源供給手段の多様化」、「水素爆発防止対策」、「放射性物質の拡散抑制対策」などが行われています。

 さらに、重大事故等への対応訓練は、一班52名の宿直体制をとり、個別訓練や総合訓練を継続的に繰り返し、万全を期しているとのことでした。

 

 私は、これまでに、事故を起こした福島第一原発のほか、浜岡原発、今回の川内原発の安全対策への取り組み状況を見てきましたが、画一的な対処方法ではなく、その施設環境にあった独自の対策を実施している現場の印象を深めました。

 専門家ではありませんが、これだけの考え得る、しかも多重防衛を考え実施していることは、かつ、今後新たな知見が出てくればそれに基づく対策を積極的に講じていくとなれば、どこを基準として可否を判断できるのか、見えなくなりました。

 

 エネルギーのベストミックは、我が国のエネルギー政策の要です。しかし、国民の安全と安心を守ることは最優先事項です。

 やがて、私の地元でもこの論議を集中して行わねばならない時期を迎える時に、判断を誤らぬよう、自らの知見を高めておくことが重要であると考えています。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 総務委員会県外視察 福岡市... | トップ | 総務委員会県外視察 ネーミ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む