羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

マロニエ

2014年09月19日 | Weblog
ふと思いついて神代植物園に行った。睡蓮の前でひとやすみ。

子どもたちが大好きなパンパスグラス。

ちょうどよい秋の散歩日和で小道を歩いていたら
数人が何かをせっせと拾っている。あ、さっき落ちてたやつだ。栗みたいだけど栗じゃない。
「なんですか」と思わず声をかけたら「とちの実ですよ、ほら」と男の人が
手のひらいっぱいに分けてくれた。
みんな知ってて拾ってるんだ。わたしはちっとも知らなかった。

帰りながら売店をのぞいたら「とちの実まんじゅう」を売っていた。
とちの木はフランス語でマロニエ、と書いてある。
そうなのか、そういえばそうだったような気もする。

猫がもてなす宿

2014年09月12日 | Weblog
夏の始まりと終わりに不調。またメマイ。倦怠感。
そしてまた旅にでる。
ほんとうにダメだったらどこにも行きたくないので
ちょいメンドーな気分もちらつきながら
仕事に行くよりは有給つかって高原に行くほうが
よっぽどうれしいのである。

軽井沢。
数年前、NさんやTさんたちといったとき
わたしだけ日帰りしたので行けなかった雲場池や
軽井沢高原文庫にようやく行ってきた。
深沢紅子美術館では立原道造展をしていた。
タリアセン


     ペンション「カスティール」は猫がもてなす宿。
猫好きにはたまらない。庭にもいるしリビングにもいる。玄関にもいる。

部屋のドアをすこし開けておいたらふらりと入ってきてベッドの上へ。



久しぶりに猫たちを気がすむまでさわった。
天国で駿が「よかったね、ママ」と言ってるような気がした。

半島へ

2014年09月02日 | Weblog
突然の訃報に衝撃を受けた。
昨日の朝刊で稲葉真弓さんが亡くなったことを知る。
すい臓癌でまだ64歳だった。
稲葉さんを初めて知ったのは「ミーのいない朝」だったろうか。
好きな作家で詩人。それから「声の娼婦」「エンドレスワルツ」・・次々と読んだ。
最近では「半島へ」で谷崎潤一郎賞を受賞されたことが記憶に新しい。

この「半島へ」は「あ~新しい本出たんだー」と思っていた頃、
読書家のTさんから「もう読まれましたか?半島へは猫も連れて行ったそうですよ」と
メールをいただきあわてて本屋へ行った覚えがある。

その憧れの稲葉さんにお会いすることができたのは三年前、
近代文学館で「震災援助朗読会 言葉を信じる」があったときだ。
伊藤比呂美さんや白石かずこさんや高橋睦郎さんやそうそうたるメンバーが
駒場にいらしたあのとき、稲葉さんも自作の詩を朗読された。
柔らかな物腰、すっきりとした外見、穏やかな声。
あらためて好きになった。

衝撃の訃報。
それでも日々は変わりなく流れていく。
また稲葉さんの本を読み直そうと思った。