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1754.櫻子さんの足下には死体が埋まっている

                                                                 
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
読 了 日2017/07/12
著  者太田紫織
出 版 社角川書店
形  態文庫
ページ数275
発 行 日2013/02/15
ISBN978-4-04-1000695-5

 

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更津市を南北に走る国道16号線沿いに精文館という、愛知県を本拠としてチェーン展開をする書店がある。
元は忠実屋という大型のスーパーだったのが、経営不振からダイエーに吸収されて、しばらくは旧店名のまま営業を続けていたが、そのうちダイエーの営業も不振となってか、店をたたんでしまった。 しばらく建物は放置されていたが、改装が始まって何の店が始まるのかと思っていたら、レンタルショップTSUTAYAを併設した書店だった。大型の店舗は地域一番点となって、現在も続いているから、どうやら順調な成績なのだろう。
基本的に僕がそうした新刊書店で本を買うことはめったにないのだが、それでもたまには新刊の動向などを見たくて、大きな駐車場のある精文館に、足を運んだものだった。今でこそ新刊書店はもちろん、古書店にさえ足を向けることはなくなったが、以前は月に一度は書店だけでなくレンタルショップにも足を運んでいた。
その頃文庫棚の前の平台でよく見かけたのが、この『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』のシリーズだった。そのタイトルにいかにもといったミステリーを思わせることから、「そのうち読んでみようか」という気になっていた。

 

 

だが、僕の「その内」とか「いつか」などというのは、いつになるかわからなく、それこそ、そのうちに忘れてしまうことも多い。
ところが、今年の4月になって、テレビ番組誌にドラマ化されるという記事が出ており、4月23日にその第1回が放送され、6月25日に最終回の第10回が放送されて終了した。
僕はドラマを見て、原作を読んで、などと喜んでいたが、なんと思い込みと勘違いで、第1回の録画予約をしてなかったのだ。気が付いたのはその翌日だったから、残念なことにハードディスクには2回からの9回分しか録画されてない。
全くの話、僕のドジさ加減はそんなもので、今回折角原作の第1巻を読んでも、ドラマを見る気分になれないのだ。いずれドラマはビデオ化されるだろうから、第1回はそれを見ようか?などとも思うが、それまで僕の我慢が続くかどうかは分からない。
といったところだが、原作のメインキャラクター、櫻子さんは連作の第1篇(作中では第壱骨となっているが)だけで僕を虜にした。北海道は旭川に居住して、骨を組み立てる標本士を仕事とする九条櫻子、というのが正式な名前で、彼女と常に行動を共にするのが高校生の舘脇正太郎だ。

 

子さんのユニークなところは、その骨を組み立てる仕事に関連して、普段から行く先々で骨を拾って歩くことだ。だが、ユニークさはそれだけにとどまらない。彼女の伯父が大学の法医学教室で、教鞭をとっていることからか、死体に関する様々な知識が半端でなく、同時にその鋭い観察眼が検屍官並みの見立てを示すのだ。
しかし、そうした博識とは裏腹に、彼女の世間一般の常識的な知識には乏しく、特に空気を読むといったことにはまったく頓着しない物言いが、しばしば誤解される元となる。
彼女の仕事、標本を作ることに関しては、異常なほどのこだわりがあり、大小取り混ぜて動物の死体を拾ってきては、その骨をとるために大釜で動物を煮たりするほどで、広い庭にはそうした動物の死体が所狭しと埋まっているというのだから、異常なほどのこだわりではなく、異常そのものともいえる。

九条家という昔からの大地主のお嬢様で育った櫻子さんの広い屋敷には、彼女の母親の代から仕えているばあやと二人で暮らしているが、在原直江という公安の刑事が許婚で、伯父やその許婚がしばしば彼女の身分を示す証明書の役割を果たしていることも。
彼らの周囲で発生する大小のミステリーに、どのように関わりそして解決していくのか、この先多くの事件に遭遇していくだろうことが楽しみである。

 

収録作
#タイトル
プロローグ  
第壱骨 美しい人
第弐骨
第参骨 薔薇の木の下
エピローグ  

 

 

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