in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

2016.07.09 DEZERT“LIPHLICH主催東名阪公演『DOUBLE FUTURE.3』”at 新宿BLAZE

2016-09-26 23:00:23 | ライブレポート



もう2ヶ月以上も前の話ですが、夏の思い出をぼちぼち更新していこうかと思います。記憶だいぶ薄れてます…。


7月最初のライブは、シングル「DOUBLE FEATURE」の発売を記念したLIPHLICH主催イベントでした。シングルタイトルは“FEATURE”で、イベントタイトルは“FUTURE”という言葉遊びがLIPHLICHらしいですよね。

このイベント、メンツがすごく良かった! DEZERT、NoGoD、Kra、heidi.、そしてLIPHLICHと、それぞれのバンドが自分たち独自のカッコ良さを極めていて、互角に勝負していた。ふだんなかなか観ないバンドも観ることができて純粋に楽しかった。



■■■DEZERT

トップバッターはDEZERT。この日のライブはダウナーでローテンションでした。

板付きだったか忘れちゃいましたが、SEのときに千秋さんがマイクスタンドにすがりつくようにして立っていました。黒髪から茶髪になっていて、逆毛を立てたボリュームのあるヘアスタイル。白シャツ、黒ジャケット、プリーツスカートに足元はショートブーツ。シャツとスカートがくしゃくしゃで、アイロンかけたい…とか思ってしまった。

1曲めは6月のZeppワンマンで無料配布された新曲「おはよう」。中盤、SORAさんが立ちながらドラムをぶっ叩くところが見どころですね。曲終わりに「おはよう」とボソッとつぶやく千秋さん。

「「擬死」」は序盤歌わずだったので少しハラハラ。SORAさんの舞うようなドラミングがきれい。

Miyakoさんが空間系のエフェクトをかけたギターをアドリブで入れて「「宗教」」へ。ライブの流れがひたすら暗い(笑)。
“なぜ生きるの?息をするの?目を開けるの?”の部分を、千秋さんがスタッカート気味に歌ってました。赤い照明の中、虚空を見つめていて空っぽに見えたりも。

「「殺意」」でヘドバンが起こり、盛り返したところで「生きてるか東京!」と千秋さんが煽る。

そしてラストは同期なしで「「ピクトグラムさん」」。対バンイベントで披露するのは初! ワンマンだけの特別な曲になるのかなと思っていたのですが、そんなことはなかったみたい。たくさん聴けるぶんにはうれしい。
Miyakoさんのアルペジオだけになる箇所で、千秋さんが“呼吸すらも〜”みたいなことを歌ってました。あと、ラストの“何度でも迎えるから”の何度でものところで指折り。

言葉では伝わらないかもしれないですが、前半のダウナーっぷりが半端なかった。ピクトグラムさんが終わってメンバーが捌け始めて、えっもう終わり!?となったくらい前半の暗さに持ってかれてしまった。

トップバッターって会場の温め役みたいなところがあると思うのですが、まったく関係なしにある意味マイペースなライブだったなと思います。空気感で場を制圧していったDEZERTなのでした。

【SET LIST】
「おはよう」
「擬死」
「宗教」
「殺意」
「ピクトグラムさん」




■■■NoGoD

「キワモノたちの中で、俺たちとKraだけが普通のバンドだから! Kraのお客さん、(一緒にして)ごめんなさい!」と団長。いやいやNoGoD普通じゃないでしょ!(Kraすまん)


ギターのKyrieさんがハットを被っていたのですが、LIPHLICH 新井さんのものだと団長が説明。

「新井くんの帽子を(Kyrieが)借りてまして。俺も誰かの衣装を借りようかと思ったんだけど、目の前に進藤渉くんがいて(一同笑)。これは勇気がいるなと!」

そして曲紹介がいちいちおもしろい。

「俺と義彦(heidi.)の出会って15周年記念ライブへようこそ! アイツが俺をヴィジュアル系に引き込んだ! 高田馬場のカラオケで蜉蝣を聴かされて! 義彦のために歌います、「感情」

団長と義彦さんは音楽専門学校の同級生なんですよね(笑)。

あとは、手を挙げてー、指をくっつけてー、親指をちょっと折り曲げてーと、お客さんに手で逆ハートを作らせて、「バーミヤン!」で一同爆笑。「桃源郷へようこそ」の前フリでした。

てか、華凛ちゃんがもう完全に男の子のスタイルでスリムになっていてびっくり。最初誰だかわからなかったくらい。腰を落としてベースを弾いていたのがカッコ良かったです。

「カナダから帰ってきてわかったことは! 米は日本が一番うまい!
最後まで俺たちを観るの大変だったでしょ! でもこれで最後だから! 「絶望バイバイ」!」


最後まで笑いに包まれたライブでした。NoGoDは言霊でお客さんの心をつかんでいったと思います。



■■■heidi.

「夏しようか!」と義彦さんが煽り、「夏一途」からスタートしたheidi.。そういえばheidi.って、春夏秋冬で考えると夏のイメージだなあ。

「団長との15周年記念ということで…(歓声と拍手)。うれしくない(笑)」

「おまえさん」のブレイクでは、「五文字を言ったらモッシュが始まります。くれぐれもケガしないように!」と優しい忠告からの、おまえ〜〜さぁあ〜ん〜〜〜でした。
ラストに「白昼夢」を聴けたのもうれしかった。


桐ちゃんのバスドラ一発の強さ、ショットのキレが半端ないし、コースケさんとナオさんはベースヒーロー、ギターヒーローだし、義彦さんはさすがの歌唱力だし、バンドしてる!って感じ。
演奏力で魅せられたライブでした。

【SET LIST】
01.夏一途
02.幻想囃子
03.新曲
04.虹色レイン
05.おまえさん
06.白昼夢




■■■Kra

初春のZEAL LINKツアーで観る機会が多かったKra。ZEALツアーの会場SEで流れまくっていた「空中ブランコ」をようやくナマで聴けた! サビのテンポが変わる“ずっと見つめあって〜”のところ、なんかクセになるんですよねー。ほかのバンドじゃ出てこないメロディだと思う。

MCは景夕さんが対バンのメンバーとの裏話を披露。

「LIPHLICHは進藤くんと一番話して。というか一方的に話されて(一同笑)。DEZERTはもう、(ZEAL LINK)ツアーで一緒だったので。千秋がねー! もう千秋が!

heidi.はコースケくんに話しかけようと思って。僕も本名“康介”っていうんでね。誕生日も近いし、それをネタに話しかけて、『コースケって名前、一緒です!』って言おうと。で、『コースケくん!』って呼びかけたんですけど、振り向いてくれなくて!

これは…!と思ってたら、ちょっとしてから『えっ?』て振り向いて、『僕、ナオです』と(一同爆笑)。その隣でコースケくんが『僕コースケです!』って…。そのあとheidi.には本当にやさしくてもらって。僕は目が見られなかったですけどね!」


後半は「artman」も聴けました!
ラストは“ハロー!”のコーラスで会場が一体になる「明日屋」

景夕さんってボーカルでありながら、フロアの様子とかまわりをよく見ている気がする。
“ハロー”のときに手だけ挙げてたら、(たぶん)目が合って煽られまして。唇に手を当てて「声も!」とジェスチャーで指示がとんできて、ちゃんと参加したらニッコリ笑ってサインをくれるという。

15周年を迎えるだけあり、パフォーマンスにも抜かりがないというか。オーディエンスとの絶妙な距離の近さも彼らの魅力なのかもしれないと思いました。



■■■◾︎LIPHLICH

そして本日の主役、LIPHLICH。
久我さんはマイクの前に立つと、おもむろに電子タバコをジャケットから取り出し、煙をくゆらせる。

前半のMCはゆるーい感じ。

久我:義彦(呼び捨ての仲なんだ!?)と団長の15周年おめでとうございます。2人は付き合ってるのかな?
heidi.と車で一緒に移動してたんですけど、義彦の着てたGジャンの色がね、なんというか…。あるでしょ? 絶妙な色だったんですよ。80年代アメリカみたいな、絶妙な色で。
(渉さんを見て)…あっ喋りたい? 付き合ってると思うよね?

進藤:……こんばんは♪(一同笑)


Gジャンの話は、その色合いがゲイっぽいと言いたかったらしい。偏見よくない久我さん! たぶん古い映画とかのイメージかなあ。薄い水色でちょっとダメージがある感じのデニムですよね(苦笑)。会話になってない渉さんもさすがでした。


後半のMCは、先日のワンマンでもファンに伝えたことだそうですが、これまでの世界観は出し尽くしました、という話。これからどうなっていくのか自分たちにもまだわからないけれど…と言いつつも、前向きなニュアンスのことを話していました。


ライブからも殻を破ろうとしている雰囲気が伝わってきた。

「It's a good day to anger」で、“邪魔をするな!!!”と歌詞を叫んでいたのがすごくカッコ良くて、俺様感というか絶対的自信の片鱗が覗けた。優美なだけじゃない、人間の本来の姿みたいなところもこれからどんどん表現していってくれるのかなーなんて思いました。

観客にバンドの現状や手の内を見せるところも含めて、「素」を感じられるライブでした。

【SET LIST】
01.サイド・リブラの場合
02.ウロボロス
03.It's a good day to anger
04.マズロウマンション
05.ガベル・マンの真相
06.淫火
07.ヘンピッグ
08.MANIC PIXIE

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