東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【判例紹介】 かつて更新料を支払った事実があっても更新料の合意とは認められない

2006年05月13日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 借地の更新料について支払いの慣習があるとは認められないとした事例東京地裁平成16年5月21日民事37部判決。未掲載)

 (事実)
 Xは土地の賃貸人であるところ、平成12年12月末日に契約期間が満了したため借地人Yにたいし更新料700万円を請求した。Yは更新料支払いのため交渉には応じたが、結果は合意に至らなかった。

 そこで、XはYが前回の更新時に更新料として331万2500円を支払った際にも次の更新時にも更新料を支払うとの合意がなさねたと主張。また、仮に合意がなかったとしても目黒区中央町およびその隣接地域には、土地賃貸契約の更新に際し、更新料を支払う慣習が存在すると主張した。

 判決は、更新料を支払う旨の合意については、Yがかつて更新料を支払った事実があるというだけで更新料支払の合意があったことの根拠とすることはできない、としてXの主張を認めなかった。そして、更新料の支払いの慣習があるとするXの主張も認めず、Xの請求を棄却した事案。

 (判旨)
 「証拠によれば、本件土地の存在する東京都目黒区中央町及びその隣接地においては、土地賃貸契約の更新に際に、借地人から地主に対し、更新料が支払われる事例が多数存在することが認められる。しかい、このような更新料の支払は、当事者間の合意が成立した結果である場合が多いと認められる上、その支払の趣旨は、契約を円滑に進めるための代償であったり、賃料の補充を目的とするものであったりと多様であると認められるから、たとえ本件土地近辺において、土地の借主が地主に更新料を支払うことが多数見られるからといって、それをもって同地域に更新料支払の慣習があると認めることはできない

 (寸評)
  本件は東京借地借家人組合連合会(東借連)の会員の事件。判決の結論は当然であるが、繰返し訴訟が提起される更新料の支払請求について、更新料の性格に言及して支払の慣習を否定したものであり理論的な説得力のある判決の1つとして紹介した。

(2005.04.)

(東借連常任弁護団)

 東京借地借家人新聞より

 

東京・台東借地借家人組合

無料電話相談は 050−3012−8687 (IP電話)
受付は月曜日〜金曜日 (午前10時〜午後4時)
土曜日日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

ジャンル:
ウェブログ
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 敷金を取り戻す ... | トップ | 【判例紹介】 *... »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。
 ※ 
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む