東京・台東借地借家人組合1

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【Q&A】 不動産業者の杜撰なテナント契約で店舗閉鎖に追込まれた

2005年06月17日 | 建物明渡(借家)・立退料

    不動産業者の杜撰なテナント契約で
 店舗閉鎖に追込まれ損害賠償を請求出来るか

(問) 不動産業者の媒介でビル1階部分の店舗を契約期間5年、保証金500万円、家賃20万円で賃貸借契約を締結した。店舗改装費に800万円をかけてラーメン屋を開業した。
 ところがこのビルは既に裁判所の競売開始決定に基づき差押の登記がなされていた。不動産業者からはこの事に関して何の説明も受けなかった。
 その後、買受人から明渡請求をされ、店舗は閉鎖し、杜撰な媒介で大損を蒙った。不動産業者の損害賠償責任を追及したい。


 (答) 問題は不動産業者が賃貸借に係る土地建物の媒介に際して登記簿を閲覧する義務があるのか。

 宅建業法35条は不動産業者の重要事項説明義務の内容として、「当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記載された所有者の氏名(法人については名称)」( 宅建業法35条1項1号)、これらを記載した書面を交付して契約前に宅建主任者が説明しなければならないとしている。

 「登記された権利の種類及び内容」の中には、当然に当該宅地又は建物に対する「差押登記」の有無も含まれる(熊本地裁1996(平成8)年9月4日判決)と指摘している。

 これらは不動産を巡る権利関係の基本であり、取引に係わる媒介業者が登記簿を閲覧するなどして権利関係を調査する義務を負うことは明らかである。

 不動産業者は媒介に当っては、善良な管理者の注意をもって媒介する義務を負う。契約前に既に差押の登記がある場合は、当然相談者の賃借権は競売による買受人に対抗出来ないのは自明である。

 従って相談者が明渡請求を受ける可能性は極めて高いと言える。このようなリスクの多い賃貸借契約を防ぐ手段は登記簿を調査することである。差押の登記の有無は登記簿によって簡単に知ることが出来る。差押登記簿の有無の調査は不動産業者の基本的義務である。この初歩的義務を尽くしていない。

 業者は、重要事項を記載した書面を交付して、宅建業法35条1項1号の説明義務を果たしていないことは明白であり、注意義務違反がある。

 登記簿の調査義務に関して、裁判所は「宅建業者は賃貸人に確認するのはもとより、疑問のある場合は登記簿を閲覧するなどして差押登記等の有無を確認し、賃借人に不測の損害を被らせないように配慮すべき義務がある」(東京地判1992(平成4)年4月16日判決)として損害賠償請求を認めている。

 上記、熊本地裁判決では、貸主と不動産業者に対して、借主の損害賠償請求(132万1800円)の全額を支払うよう命じた認めた。不動産業者に対しては、敷金・礼金・引越し費用として58万円の損害賠償の支払いを命じた。   

 

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