書、燃ゆる。

ここから始まる王者への道

最強

2017-04-05 20:46:58 | 物語
あてどなく
ただあてどなく歩いている

食べ物と寝るとこ
要するに金には困らない
親戚の商いをしているおじちゃんが
面倒を見てくれると言い
しばらく遊んで暮らせそうなほどお金をくれたから

我が家に来るか?と聞かれたが
断った
少し旅をすると言って出てきた

昨日は宿に泊まり

さて今日はどうしようか

思えば自分は人生の中で本当に困ったことがない
それは自分の器用さが原因だと思っていたが
思い返せばただ周りの人たちが助けてくれていただけなような気もしてきた

要するに恵まれている

何よりも強さに恵まれた
自分で鍛えた面もあるが
生まれつき与えられたものも数限りなくある

「そして最強になってしまった…」


呟いた瞬間
道の脇の木陰から「ガサッ」と音がした

何かいる
少し体が強張る

出てきたのは野良犬
腹を空かせているのか興奮して今にも襲いかかってきそうな面持ちだ

「ガルルルルー」

野良犬は道の真ん中まで出てきて
僕の前に立った

そうか
腰に結わえている吉備団子の匂いに反応しているんだな
仕方ないと思い
ポイッと野良犬の前に投げ出す

犬は少しこちらに警戒しつつも
少しずつ団子ににじり寄り
ついには食らいついた

よっぽど腹が減っていたのだろう
一瞬で平らげてしまった

少し落ち着いたのか
さっちまでの興奮が冷めているのがわかる
今なら横を抜けて通れそうだ
恐る恐るなるべく相手を見ないように野良犬をやり過ごし
振り返ることなく毅然と歩き去ろうとした

ところが

犬が後からついてくる
襲ってくるのかと様子を見たが
その気配はない

ただ一定の間隔を保ってついてくる
こちらが止まれば向こうも止まる

「やれやれ 厄介なお供ができたな」

どこまでついてくるかは知らないが
僕は放っておくことにした
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