書、燃ゆる。

ここから始まる王者への道

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

最強

2017-04-05 21:08:00 | 物語
翌日

宿から出てくると
やはりそこにあの犬がいた
ご丁寧にお座りまでして待っていたようだ

どうも昨日より近づけそうな気配なので
近寄ってみる
特に反応もなくこっちを見上げている
思い切って頭を撫でてみた
素直に受け入れ撫でさせてくれた

「一緒に来るか?」

「ワン!」

こちらの言葉がわかるのか一声鳴いた

あてどない旅にお供ができた

求めていたわけではないが
少し孤独が埋まるこそばゆさを感じていた

そしてまた歩き出す
特に目的もなく

小さい山を一つ越えた先に
街が見えてきた

「ちょうどいい 疲れてきたから団子屋ででも一休みしよう」

街並みを眺めつつ団子屋を探した
意外とすぐに見つかった
椅子に座り好物の吉備団子を注文した

すると隣に変わった装束をきた御仁が腰掛けた
その足元からこっちをみている生き物がいる

「こんにちは」
向こうから声をかけてきた
「こんにちは」
応えるとその御仁はニコッと笑って
長い紐の端っこを渡してきた
「ちょっと持っててくださいませんか 私 用を足してきますので」
紐の反対側の先っぽには意外な生き物が繋がれていた

「猿か 初めて見たな」

随分変わった人だなぁ
と思いつつ紐を持ちながら御仁の帰りを待った
待ち続けた
そしてもう日が暮れようとしている

遅いな
何かあったのか

すると店の主人らしき人が
「お客さん さっきの人あんたに猿押し付けて逃げたんじゃないかい?」

ちょうど僕もそう思っていたところだ

店を閉めるとのことで
最後にもう一つ吉備団子を持ち帰り用に注文して
その場を立った

さてどうしたもんか

猿はただ丸い目をしてこちらを見ている
何もわかっていないような
何もかも悟っているかのような
黒い目を輝かせている

犬は特別
猿に対して警戒もしていない
こちらはただ主人に従いますといった雰囲気だ

「仕方なしだな…お前も一緒に来るか?」

「キキッ」

やはりわかっているかのように
猿が一声鳴いた

吉備団子をやると
二匹は喜んでそれを食べていた
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 最強 | トップ | 蜘蛛 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

物語」カテゴリの最新記事