バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

前庭部後壁小彎寄り 淡いバリウム斑

2010年03月23日 | すきくぴの独り言
こんばんは。そしてお久しぶりの更新です。

今日は、久しぶりに胃透視を行いました。
撮影件数は20件あまりと多くなく、非常に一人一人の検査をじっくり行うことができました。
さて、本日、胃癌疑いの症例に出くわしました。部位は前庭部後壁小彎寄りです。
ルーチンでは、淡くバリウムがたまるのですが、いざ二重造影法第2法を行うと、うまく描出することができませんでした。
検査後半、腸へ流出して構わないと思って、勢いよく幽門前部に溜めたバリウムを胃体部に移動させ、なんとか描出させました。あとで写真を見ると、分化型0-Ⅱcを思わせる所見でした。

ところで、この方は前回も撮影されており、くしくも私が撮影していました。
その際にも、同じ部位に対して追加撮影を行っていました。
そのときの自分の所見記入には、びらんとしていました。

前回の所見記入や写真をみたところ、追加撮影へのしつこさが足りなかったように反省します。描出させようと思ったのですが、良性びらんと判断してしまったのが反省点と考えます。以前に本ブログでご指摘を受けましたが、撮影中ではとにかく病変全貌を捉えるよう心がけるべきですね。
前年度の写真をみて思い出したこと・・・。それは、うまく病変全貌が表われなかったので、病変として乏しいのか、あるいは偽所見と思い迷いながら撮った点です。

撮影中、異常と思った場合には、どこまでその病変が存在しているのか、忠実に表現しなければなりませんね。追加撮影で撮った写真の説得力が欠けていたため、前年度は異常なしと判定されました。

異常と思っただけではいけません。説得力のある写真撮影が望まれます。
病変が疑われるのであれば、それが何かを表現しなければなりません。

本症例は早期に留まっているであろう所見でしたが、内視鏡的手術可能な胃がんとしては難しいように思われました。

自分の撮影技術の未熟さを悔やみます。

これからも貪欲に知識と技術を磨いていきたいと心新たです。




自己の撮影技術や読影力を反省し高めていくことが、受診者のさらなる良い医療に繋がります。
くれぐれも撮ったら撮りっぱなしのないように。

胃癌発見成績

2010年03月01日 | 胃(全般)
こんばんは。
そしてお久しぶりです。管理人すきくぴです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか??

胃透視やその他の業務に明け暮れている毎日です。

さて、先日、過去三年の胃癌検診成績をまとめました。
各撮影者ごとに、撮影件数、胃癌発見の数とその早期胃癌の比率を計算しました。
さらには、早期胃癌に対する実際の追加撮影率や、他部位チェックの数など、さまざまな視点から集計しました。

自己の発見成績は以下のものでした。
胃癌発見率0.308%、撮影件数13311件。早期胃癌の比率は73%。早期胃癌に対する同部位指摘した追加撮影率は77%。進行癌に対する同部位指摘した追加撮影率は100%でした。
今後は、他部位指摘された症例や内視鏡的発見された症例を、検討しなければなりません。

データを出して、分析することは大切であると感じます。