何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

調剤補助とテクニシャン導入

2006-08-07 13:55:38 | くすり雑感
 街の薬局では、薬剤師と事務員から構成されるが、調剤は薬剤師でなければ行ってはいけないのは、薬剤師法19条「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない」に依拠している。
 しかし、世間の(いわゆる)調剤薬局の中には、どうも事務員も調剤室に出入りし、棚から薬を取って“調剤して”いる姿が散見される。往々にしてこういう薬局は、名札のうえでは薬剤師か事務員かを明確に区別しているが、外見を一見しただけではわかりにくくなっていることが多い。
 棚から薬を取り揃える・・・(業界用語でピッキング)ことも、広義の調剤であり、本当はいけない・好ましくない、という意識が根底にあるのだろう。よーく見なきゃわからない名札で薬剤師と事務員とを明確に区別しているといっても、同じ白衣を着て曖昧にしているのだから、言い訳をし、矛盾を抱えて業務を行っているのが実態だ。

 だから、これまで事務員の調剤補助について、明確に「(やっても)いい」と明記されたものは見当たらなかった。もちろん良心的な薬局は、絶対、事務員の調剤補助はしなかったし、させなかった(これが正しいと思うし、人不足等の事情で事務員のピッキングに同情し、黙認するつもりもない)。

 ところがある業界紙に、調剤補助は可能であるとか、適法であるという記載があって、やや驚いた。しかも筆者は薬の業界における法律の第一人者である。

 違反しないと正式に認知されれば、堰を切ったように「堂々と」行われるだろう。いや恥ずかしげもなく、悪びれるもなく、瞬く間に定着してしまうのではないか。残されるのは良心やモラルだけだ。悲しいけど、それも風前の灯火とすら思える。

 その記事は、結局、薬剤師でなければならない行為として、疑義照会や服薬指導などの判断行為と、薬剤監査のような確認行為だけだとし、ならば今後、ますます薬剤師が進むべき道は自ずと見えてる(来ている・・・)と述べている。

 そう“割り切って”いいのなら、調剤補助是認に重きを置くのではなく本質的な業務に専念すべく舵を切り直すところだ。
 これまで私は、あえてピッキングというものを、外見上はピッキングでも中身は監査のひとつである、と考えて、だから薬剤師でなければいけないし、それによって過誤や事故も防止でき、安全性も確保される、と述べてきたが、いよいよその時代も終わりを迎えているのだろうか。

 この割り切りが、安全性軽視、効率優先、人件費削減優先の端緒となるのであれば、それはかえってたいへんな危険性を孕んでいるだろう。
 (日本版)代替調剤が開始され、次はテクニシャンの導入かと思っていた。それをも遠く視野に入れての記事とは思わないが、適法と明記されれば、日薬も明言してこなかったことだけに、テクニシャン導入に向けた第一歩がいよいよ踏み出されるのではないだろうか。また、それは6年制を経た優秀な薬剤師の誕生とも波長が合う。専門性が発揮できるかどうかで、薬局の価値が内外ともに決まってくるようだ。どうやって儲けるのだとか、利益だ売上げだなんて言って患者不在、利用者不在で財務指標ばかり眺めているのは、明らかに世間の動きから遅れをとっていることだと、ますます実感されてならない 
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調剤補助 (くま☆)
2006-08-10 17:47:02
調剤補助を認めるにしても、しかしこのままなし崩し的にすることは絶対に避けるべきと思います。

日薬や厚労省はどんな立場を取ってくるのでしょうか、気になるところです。



TBさせていただきました、よろしくお願いします。
今の違法を容認する? (お疲れ)
2006-08-10 19:30:11
 くまさん、こんにちは。



 チェーン薬局や、チェーンでなくても質の劣る薬局では、事務員によるピッキングが常態化しているところもあります。そうでもしなきゃ、まわっていかないと、半ば開き直っているところすらあります。

 アメリカでのテクニシャンは、試験を経て業務を開始します。OTCの販売方法もそのうちに変わります。

 なし崩し的に、今の事務員がそのまま晴れて?正当化されるのは、ヘンな気がしましがどうでしょうか。

 逆に言えば、そんな程度の仕事で「専門家」である薬剤師が汲々としているのも滑稽です。専門性がより発揮される方向に向くことは大事ですが、担保しておかねばならないこともあるように思うのですが。

 単に人件費抑制のためだけのマイナス志向薬局が喜ぶだけの、事務員による調剤解禁であるのは国民にとってプラスではないように思われます。
仰るとおり (くま☆)
2006-08-11 10:08:47
レスありがとうございます。

仰るとおり、現状の違法行為を追認するものであってはならないと感じています。



それから、開業医等の院内で行われている投薬も改善していただきたいものです。「医師の監督下」とは名ばかりで、投薬が行われているケースもあります。これも立派な?無資格調剤ですね。
医師の監督下 (お疲れ)
2006-08-11 11:14:37
 くま☆さん、どうもです。



 なるほど、医師法22条による例外的調剤の規定ですね。事務員の調剤にあたり、何らかのハードルが出来れば、開業医等の実情も改めて危険だと言うことができそうです。



 医療事務の専門学校では、堂々?と調剤補助を謳って教育?しているところもあるのですが、これが陽の目を見るようになるのでしょうか・・・。



 調剤補助に国家資格並みの規定が出来て、開業医での無資格調剤が見直されれば、その先には完全分業が待っているのかなと、一瞬思いました。
薬剤師でなくたってパッケージの字は読めるよ (ちょっと!ちょっとちょっと)
2006-11-27 13:27:32
パートのおばちゃんだって薬のパッケージの日本語(おもにカタカナ)を判読してピッキングはできますよ(笑)
逆に薬剤師がスーパーの生鮮食料品コーナーやレジ打ちでベテランパートおばちゃんたち並に正確にできるかな?
同じ人間なのに思いあがりすぎはいかがなものかな?
そう思われますよね (お疲れ)
2006-11-28 08:48:07
ちょっと!ちょっとちょっと さん

 コメントありがとうございます。
 薬局の仕事は、外見は「ピッキング」でも、中身や本質はそうじゃないということです。そういうことを同時並行で行う・・・、それらを伴ったものであるということです。

 もしそれを完全なピッキングに移行するのだとしたら、それも一法でしょう。その時はその時で、また新たな仕組みがなければ安全は担保されない、それがクスリなんだと思います。
すみません (ちょっと!ちょっとちょっと)
2006-11-29 10:04:14
薬は人の命にかかわることは誰でも認識しています。しかしたとえ直接命にかかわることは無くても、現金を取り扱う仕事ではそれなりにシビアな現場です。
金額の大小にかかわらず、正確性、誠意、責任感が問われます。
また、資格は持っていなくても年齢性別は問わず優秀な人材は存在します。

もちろん法律的な問題はありますが日本は欧米に比べ色んな業界、場面でいい加減さが目立つ国ではありますね(笑)
訴訟国家となあなあ談合国家の違いかな?(笑)

申しわけありません。文章を読んでて薬剤師だけが特別頭のいい特別な人種だとでも思ってるのかな?って感じたので思わず投稿しちゃいました。
お許しくださいませ。
もし自分が患者なら (のんぶ〜)
2009-09-12 03:46:18
こんばんは。
私は、吸収合併され、新たな上司は事務以下
と新人薬剤師を言いました。

しかし、文字が読めてもどんなにピッキングの早い
粉の調合の上手い軟膏練りの上手い
素晴らしい事務員でもその作業をするだけではないでしょうか
処方箋の意味や量の意味
飲み合わせなど、調剤時も監査時も投薬時も
それぞれの薬剤師がチェックしていました。
勿論入力者もチェックしています。

上からものを言うとかそういうレベルではないと思います。

調剤薬局では、たくさんの医院や病院に通っていて
薬がたくさんで、重なっていたり
副作用が出ている原因が隠れていたりします。
たくさんの薬剤師が同じ処方にかかわり、
又患者に接し気付く事も多々あります。

だいたい、患者を看るつもりもない薬剤師の
調剤や監査投薬ならきっとわからないでしょう。

薬剤師である前に人間として、患者に向き合って
欲しいものです。
人間である以上薬剤師も過誤はすると思います。
そう思って監査していますから。
薬剤師の質の維持だと思う。
大学で道徳も教えてもらうか。
薬剤師研修に道徳や薬事法の点も必須にするか。

今他人事でなく、戦っている。
新しい素晴らしい事務さんであっても、今の段階で
どうしても受け入れられない。
改悪されていくとしか思えなくて苦しいです。

P.S.私は真面目な方じゃないから余計に困ってます




「薬局」してますか? (お疲れ)
2009-09-12 13:27:41
のんぶ〜 さん、はじめまして。

考え続けることは重要です。今すぐに結論づけなくても、当座の立ち位置にいながら、随時修正していくとよいのではないかと・・・、そんな課題を私はいくつも抱えています。

ピッキングを任された素晴らしい事務さんも、ある意味、被害者かもしれません。

患者さんにその実態、実情をオープンにしたとしたら、果たして納得のいくものかどうか、いかがでしょうか。

患者さんは、薬局に健康を預けて、医療従事者としての係わりを期待しています。安全管理レベルは満足のいくレベルといえるかどうか・・・。

悩んでいる人はたくさんいると思います。
タイムリミット (のんぶ〜)
2009-09-14 00:51:22
返事有難うございます。
悶々とする日々を、過ごしていると
静かに考える力は薄いですから。

しかし、私はパートです。
長く勤めた場所でしたが、きっと3ヶ月で切られる
ことになるでしょう。
すでに半月表舞台で戦っておりますから。

残りの時間で少しでも感じ取る何かを与える効果的な
力や言葉、態度はあるのでしょうか。

患者が減っても、0になる事はないでしょうから。

友人にも事務の方は洗脳されているんだから、
被害者だよと言われました。

そう理解しても、その先どうするべきか
予測が付きません。

私はあなたの思っていることは間違っていると
何度もスーパー事務に言うであろうし、
でも荒らすだけで
何も生まれないであろうとも。

仕事が始まるまでに平静な気持ちで処方箋に向かいたい。

氷山の一角でなく、多々有る事ならさらに
せっかくの院外処方を薦める制度自体にも
幻滅されられるのか

こんなわたしでも一人薬剤師や不足の事態なら
許せる気持ちは有るんですよ
7人体制だったのに、3人や4人そのうち2人に
して錠剤のつぶしまでもばれなければと
考えていることが、許せないです。

ここにぶつけてすいません。

でも返事が、とても大人な感じがして
甘えて書きました
加減してうけてくれますか。

では
貴重な経験と思って (お疲れ)
2009-09-14 09:23:01
のんぶ〜 さん

こんにちは。ただならぬ状況に置かれているご様子、書ききれないほど看過できない事情を体験されているのではと拝察しました。

誰が、何を、どのように、業務をしていくのかは、管理薬剤師や経営者の考えに左右されるところが大きいと思います。事務員にかなりなところまで任せるのも、そのひとつかもしれません。

内部事情を考慮すれば、目に余る事であっても理解(黙認)しようかという気持ちを持っていても、一方でいくら何でもそこまで「良し」としてしまってよいのか、いったい何のために薬局をやっているのか、どう考えたら理解できるのか、見当もつかないのではないでしょうか。

教科書的には管理者らと話し合ってみたら・・・、ということかもしれませんが、事務員による調剤を容認し、人減らしを進める薬局経営者は少なくなく、話し合っても期待できる状況に進展する可能性は少ないと思われます。

組織は経営者以上に発展しないとも言います。患者さんのことを軽視する業務を進める体質がある限り、今後他の面でも嘆かわしい事態を目撃する可能性も高そうです。

見ている人は見ています。苦しい立場に置かれようとも、本質を捨てたらそういう自分にこそ許せなくなるのではないでしょうか。自尊心を傷つけることがないようにされてはいかがでしょうか。

苦労された分、その先に明るい道が開けていることを祈っています。
疑問 (ふぅ)
2012-12-29 07:21:27
中規模の病院で薬剤助手の仕事をしています。
勤めはじめ、色々と疑問が多く調べていました

うちの病院では、助手がピッキングは勿論、軟膏の混ぜや、シロップ、散剤、錠剤の分包、粉砕、ドクターの処方の確認をし送信(確認内容は、向精神薬の日数と頓服の回数の確認がおもに) 、投薬、薬歴記入、定期処方つくり、配薬のセット、止め処方まで…ほぼ、服薬指導、監査、鑑別、以外すべての業務をやっている様に思います 、ここまでくると、法に触れているのではないかとかんがえずにいられません。薬剤師さんの人数は少なくはないのですが…ここまで、助手にやらせて良い仕事なのでしょうか…不安です。

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