何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

他助論

2012-01-18 22:29:38 | Book Reviews
「他助論 これからの時代を切り拓く、もっとも古くて新しい教え 清水克衛・著、サンマーク出版、2012年1月5日

p.26-7 ある人がミケランジェロに、ある画家が富を得ようと懸命に努力していると語ったところ、ミケランジェロは、「私が思うに、そのように熱心に富を欲しがっても、芸術の喜びを得ようとして努力しないうちは富を得られないだろう」と答えた。

p.47 他助の精神とは、自己犠牲の精神でもなければ、Win-Winの精神でもありません。他助の精神をもって行ったことが自分に返ってきて、結果的にWin-Winの関係になることはあります。しかし、最初からWin-Winを前提とした行動というのは、真の他助の精神ではないのです。
 何かの見返りを期待して行動するのではなく、他人を助け、役に立ち、喜んでもらえることそのものを自分の喜びにすることができる・・・・・これこそが他助の精神なのです。

p.48 見返りを求めないという点では他助の精神とボランティア精神は近いものがありますが、いちばんの違いは、ボランティア精神が無償を前提にしているのに対し、他助の精神は必ずしも無償を前提としていないことです。

p.57 独立自尊の精神をもって努力し、自分の人生を自らの手で開いていく。自助論が示すその考え方はとても重要ですが、そこに他助の精神がないと、助ける方向が自分だけに向いてしまい、行きつく先は競争への勝利と自己満足だけになってしまいます。

p.87 『葉隠』の中で述べられている“死ぬこと”とは“必死”、つまり人は必ず死ぬということ。その死を意識することで“死身”となって、生きるとは何か、生まれてきた意味とは何かを常に自分自身に問いただすものなのです。

p.101 日本人は何かあったときに“お互い様”の精神が培われ、奪い合うよりも助けあったほうが幸せになれるということを、体験的に知っているのです。

p.117-8 「幸せになる方法」は二つあると有田さんはいいます。ひとつは『目標達成』や『夢の実現』によって得られる幸せで、これにはドーパミンと呼ばれる神経物質が関係しています。もうひとつは、『親切』や『ふれあい』によって得られる幸せです。これこそオキシトシンのはたらきによるもので、心に灯がともるような、ほんのりと長続きする幸せです。
 人生においてはどちらも大切なのですが、私たちはこれまで、『ドーパミン的な幸せ』ばかりを優先してきたのではないでしょうか。
 ドーパミン的幸せにはいくつか落とし穴があります。得られたときの快感は大きいのですが、長続きしません。成功を手に入れたとしても、『もっともっと』と次の報酬を求め、際限なくエスカレートしてしまうのです。努力しても思うような結果が出ないときには、まじめな人ほど自分を責めてしまい、それが大きなストレスになってしまうのです。その結果、私たちは息苦しさや、ある種の『行き詰り感』を感じていたのではないでしょうか。

p.128 これからの時代を担う“他助の精神”を養うにはどうすればいいか。それを一言でいうならば、「まず、人を喜ばせよう」ということになります。「まず、人を喜ばせよう」を実践していると、あなたに魅力がどんどんついてきます。人を喜ばせた数があなたの魅力となり、あなたを輝かせるのです。

p.142 自然は不自然を嫌うのです。どういうことかとうと、自分の持っている知識を他人にあげると、自分の知識はなくなって、そこには真空が生まれます。空間は真空を嫌いますから、必ず代わりの知識が入ってきます。しかも、そのときには自分が教えた知識よりも、一つ上の知識が入ってくるようになっているのです。

p.173 どのお店も一生懸命、商売をしています。それでも人間ですから、ミスをしてしまうことはあるのです。みんなそれをわかっているので、クレームをつけるようなことをしないのです。「お互い様」の精神があるからこそ商売をさせていただいているんだということを、みんなが理解しているのです。

p.176 人に機嫌をとらせるでもなく、自分自身で自分の機嫌がとれる人は粋です。相手のことを考えず、自分のことだけしか考えない人は野暮なのです。

p.180 私は、「次の世代に何を残すか」というのが人間の生きている意味だと思うのです。


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