新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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タブノキ:椨の木(イヌかタマか)

2006-01-23 06:54:54 | 植物観察1日1題
枝先に集まってついた厚い皮質の葉の中心部に、まるく大きい冬芽が覗いています。
いまの時期、この大きい冬芽が、タブノキ:椨の木(クスノキ科タブノキ属)を識別するのに役立ちます。
本州、四国、九州、南朝鮮、中国などに分布する代表的な暖温帯照葉樹のひとつで、海岸沿いに多く、魚付き林としても大事にされています。材がクスに劣るということでイヌグスの別名があるのですが、実際には大木に育つこの木の材は、建築、家具、枕木、染色、線香の糊など様々に使われてきました。そのため百を越す地方名があるということです。特に老木の中心部の材は、比重が0.9を超える緻密さで、木目が巻雲紋といわれ喜ばれるほか、腐食に強く古代から船を造るのに用いられてきました。そんなことからイヌグスではなくタマグスとも呼ばれています。
元伊勢といわれる丹後一ノ宮の籠(この)神社の社前に堂々とした古木が何本かあります。宮司さんに尋ねましたら“玉楠”別名はタブノキとおっしゃっていました。あたりまえですがイヌよりタマのほうが高尚に聞こえますね。